私の宝物を奪っていく妹に、全部あげてみた結果

柚木ゆず

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第10話 お茶会に参加したことで、生まれる切っ掛け~令嬢たちの助言と協力~ マリエット視点(2)

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「『挑戦して失敗するよりも、挑戦せずに失敗する方が後悔する』。同じく及び腰だったわたくしが勇気を出す切っ掛けとなった、とある本の一節ですわ」

 現状を理解して焦っている、そんな時だった。ファナ様が微苦笑を浮かべられた。

「わたくしはそちらを目にした瞬間、得心しました。それまでは、考えた事がなかった――きっと、考えないようにしていたのでしょうけど。想いを告げる事さえできなかった未来を想像してみたら、想像しただけで『時間を戻したい』と強く思いましたから。それは嫌だと感じて、あの夜、舞踏会で打ち明けましたの」
「そう、だったのですね。………………ファナ様。私も、そう感じました」

 そんな未来をイメージしてみたら、形容しがたい脱力感と絶望感に襲われた。

 嫌。嫌だ。こんなの嫌だ!
 せめて、挑戦をしたかった。
 どうしてあの時勇気を出さなかったの?

 あっという間に、心の中が後悔で染まって……。時間を巻き戻したいと、願った。

「先ほど仰ってくださったように、わたくしに――わたくし達にとっても、マリエット様は大切な友人ですわ。そんな方に、後悔なんてして欲しくありませんもの」
「はい~。だからワタシ達は、お背中を押すんですよ~」
「マリエット様。今が、羽ばたきの時だと思います……っ」
「…………ファナ様、イレーナ様、アンナ様。ありがとうございます。皆様のおかげで、踏み出す準備ができました」

 このまま終わるなんて、絶対に嫌。だから、

「私マリエット・リュシアは、告白します。明後日のパーティーで、トリスタン様に想いを打ち明けます」

 だから私は、もう一度生まれ変わる。ビクビク女だけではなくって、臆病女からも卒業する。

「…………今日はこうして、白百合の会のお茶会に参加できて……。アンナ様、イレーナ様、ファナ様と再び会えて……。本当に、よかったです……っ」
「わたしもでず・・……っ。大好きですだいずぎでずマリエット様……っ」
「ワタシも、おんなじです~。これからはずっと一緒、ですよ~っ」
「わたくし達の友情は、永遠ですわ……っ。マリエット様、これからも末永くよろしくお願いしますわ……っ」

 嬉し涙が零れていると、皆さんも泣いてくださって、私達は4人で抱き合い全員で嬉し泣きをする。
 貴族界は性質上、他意がある人が多いのに……。こんな方達と関係を持てて、私は幸せものです……っ。

「ありがとうございます……っ。アンナ様、イレーナ様、ファナ様。ありがとうございます……っ」
「こちらこそです……っ」
「うふふ~。停まっていた時間が動き出した、みたいですよね~」
「わたくしたちも、ありがとうございます、ですわ……っ」

 私達は涙を拭いて、また笑い合って。そのあと再びお茶とお菓子と楽しんで、また笑顔を咲かせて。
 約7か月半ぶりのお茶会は、一生忘れられない時間となったのでした――。



 おじい様、おばあ様、ありがとうございます。
 ああやって来てくださって、お声を届けてくれたから。私はまた、変われたよ。









 ご報告になります。
 明日は再び視点が移り、同じ時刻の妹サイドのお話を(あの出来事の続きを)、投稿させていただきます。

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