最近わたしの周りで不気味なことが起きるんです。だから護っていただけませんか……? と、妹が姉の婚約者に言い寄った結果

柚木ゆず

文字の大きさ
26 / 27

エピローグその1 姉のその後 アネット視点

しおりを挟む
「「「「「アネット、結婚おめでとう……!」」」」」
「「「「「クリストフ、おめでとう……!」」」」」

 何種類もの大騒動があった日から、7か月後。私とクリストフ様は教会にいて、大勢の方々から祝福を受けていました。

 今日は、私達の結婚式。

 私は愛する人とリングを交換して、口づけを交わし――。アネット・ニテアは、アネット・サンティラスになりました。

「……ニノン。君のお姉さんを、これからも幸せにし続けると誓う。だから、安心して見守っていてね」
「ニノン。私の隣にはずっと、優しい人がいてくれる。心配しないでね」

 キスを終えた後。私達は修道院がある方向を見つめ、手を握り合う。
 あの子はまだ自分が納得できる人間になっていないみたいで、あの日から一度も、僅かな外出もしていない。おまけにお父様とお母様との面会さえも拒否していて、毎日熱心に勉強や祈りを行っているみたい。

 ――ニノンがそんなにも真面目な子だなんて、知らなかった――。

 ニノン。
 貴方が何を考えているのかは分からないけど、それがとても大切だということは分かるよ。だからね、私達も応援してるよ。
 こちらのことは気にしないで、自分磨きを頑張ってね。

 ――いつか、生まれ変わった貴方の姿を見せてね――。

 私達はそれぞれの想いを遠くにいる妹と義妹に贈り、それが終わると再び見つめ合う。

「アネット、これからもよろしくね。いつまでも一緒に、歩いてきましょう」
「はい……っ。わたしはずっと、貴方についてゆきます。2人で、色んな思い出を作りましょう……!」

 繋いでいた手を少し動かして、指と指を絡めって。もう一度、唇を重ねあう。
 さっきのは婚約者として行う最後のキスで、今のは夫婦として行う初めてのキス。
 傍からしてみれば同じものなのかもしれないけれど、私達にとっては全くの別物で。

「アネット。幸せだよ」
「クリストフ様、私もです。とても、幸せです」

 私達の体の中は、幸福で満たされたのでした――。

しおりを挟む
感想 121

あなたにおすすめの小説

いや、無理。 (完結)

詩海猫(8/29書籍発売)
恋愛
細かいことは気にせずお読みください。 もはや定番となった卒業パーティー、急に冷たくなって公の場にエスコートすらしなくなった婚約者に身に覚えのない言い掛かりをつけられ、婚約破棄を突きつけられるーーからの新しい婚約者の紹介へ移るという、公式行事の私物化も甚だしい一連の行動に、私は冷めた瞳をむけていたーー目の前の男は言い訳が終わると、 「わかってくれるだろう?ミーナ」 と手を差し伸べた。 だから私はこう答えた。 「いや、無理」 と。

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました

鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」 そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。 王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。 私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。 けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。 華やかな王宮。 厳しい王妃許育。 揺らぐ王家の威信。 そして――王子の重大な過ち。 王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。 離縁を望んでも叶わない義妹。 肩書きを失ってなお歩き直す王子。 そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。 ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。 婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。

『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

しおしお
恋愛
「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」 ――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。 塩は海から来るもの。 白く精製された粉こそ本物。 岩塩など不純物の塊に過ぎない。 そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。 だが―― 王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。 供給が止まった瞬間、王国は気づく。 塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。 謝罪の席で提示された条件はただ一つ。 民への販売価格は据え置き。 だが国家は十倍で買い取ること。 誇りを守るために契約を受け入れた王太子。 守られたのは民。 削られたのは国家。 やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。 処刑はない。 復讐もない。 あるのは――帰結。 「塩は、穢れを流すためのものです」 笑顔で告げるヴィエリチカと、 王宮衛生管理局へ配属された元王太子。 これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。 --- もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。 それとも、 ・タグもまとめる? ・もっと煽る版にする? ・文学寄りにする? どの方向で仕上げますか?

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

処理中です...