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第3話 2週間前から現在までの出来事~妹達が急変した理由~ ジョシュア視点(1)
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「ジョシュア。先ほどのブロン卿の言い分、お前はどう見る?」
「本来なら家族が一番護ってあげないといけないのに、誰よりも髪色を理由に忌み嫌っていた――。そんな人間が言うことですからね。全部嘘ですよ、父上」
『ステファニーが、ジョシュア様に相応しくないと言い出した』『あの子はジョシュア様の幸せを誰よりも望んでおりまして、どうか解消をお認めください』などなど。面白いことを並べた男が去った直後、僕は隣に向けて肩を竦めた。
彼らは外では本心を隠し、ステファニーはこちらに心配をかけないようにと、屋敷内での待遇などを黙っていた。けれど僕にはちょっとした特技があるためソレらを把握していて、両親と妹の本性を理解している。そのため迷わず、否定をした。
「あの様子なら、ステファニーは今頃軟禁されている。どうせしかるべき機関に通報しても、無駄となってしまうでしょうしねぇ。ランザルス家の力を使って解決――」
「ジョシュア」
「――分かっていますよ。『解決したいところですが、無理ですね』、そう言おうとしていただけですよ」
家の力を使い、他貴族を屈服させる。それは事情がどうであれ――たとえ正義のためであろうとも、大きな意味を持つ『干渉』行為。足を掬おうと常に目を光らせている敵対貴族にとっては、格好のチャンスとなってしまうもの。それは僕も重々承知している。
だから、邸内の環境を把握しても動けていなかった。結婚できるようになる卒業式の日に夫婦となり、悪の巣から脱出させる――。そういった方法を、選択せざるを得なかったのだ。
「……ステファニー嬢のような真っすぐな人間が苦しむのは、わたしとて看過できん。だがな、当主として『家』にリスクをもたらすわけにはいかんのだ」
「ええ。そちらも、重々承知していますよ」
ウチは伯爵家の中ではトップの地位を持ち、侯爵家からも意識されている家。そんな家の当主は、背負っているもの、護るべきものが非常に多く、猶更私情で動いてはならない。なので僕もソコは納得していて、家として動こうとは思っていない。
「……ジョシュアよ。個人的に動き、解決させるつもりか?」
「捏造された解消や、愛する人の軟禁が発生したのですからね。当然、そうなりますね」
「それは、尤もだ。して、策はあるのか? なければ、そのくらいの協力はさせてもらいたいと思っている」
「父上、そのお気持ちだけ受け取っておきます。ちょうど、お誂え向きのものがありますので」
僕は残念なことに身体能力が壊滅的で、運動神経だって呆れるくらい全くない。そこで幼少期から『頭脳』を徹底的に鍛えていて、大量に策を所有している。
その中の一つを調整して使用すれば、『家』へはノーダメージで解決できる。
「ロレッタが僕に興味を持ってくれたのは、ラッキーでした。ここを使えば、妹どころか両親だって永久に無害化できますよ」
そうして口元を緩めたあと自室に戻り、一部を変更。つつながなく対ロレッタ用の作戦は完成し、早速――。その翌日、僕は動き始めたのだった。
「本来なら家族が一番護ってあげないといけないのに、誰よりも髪色を理由に忌み嫌っていた――。そんな人間が言うことですからね。全部嘘ですよ、父上」
『ステファニーが、ジョシュア様に相応しくないと言い出した』『あの子はジョシュア様の幸せを誰よりも望んでおりまして、どうか解消をお認めください』などなど。面白いことを並べた男が去った直後、僕は隣に向けて肩を竦めた。
彼らは外では本心を隠し、ステファニーはこちらに心配をかけないようにと、屋敷内での待遇などを黙っていた。けれど僕にはちょっとした特技があるためソレらを把握していて、両親と妹の本性を理解している。そのため迷わず、否定をした。
「あの様子なら、ステファニーは今頃軟禁されている。どうせしかるべき機関に通報しても、無駄となってしまうでしょうしねぇ。ランザルス家の力を使って解決――」
「ジョシュア」
「――分かっていますよ。『解決したいところですが、無理ですね』、そう言おうとしていただけですよ」
家の力を使い、他貴族を屈服させる。それは事情がどうであれ――たとえ正義のためであろうとも、大きな意味を持つ『干渉』行為。足を掬おうと常に目を光らせている敵対貴族にとっては、格好のチャンスとなってしまうもの。それは僕も重々承知している。
だから、邸内の環境を把握しても動けていなかった。結婚できるようになる卒業式の日に夫婦となり、悪の巣から脱出させる――。そういった方法を、選択せざるを得なかったのだ。
「……ステファニー嬢のような真っすぐな人間が苦しむのは、わたしとて看過できん。だがな、当主として『家』にリスクをもたらすわけにはいかんのだ」
「ええ。そちらも、重々承知していますよ」
ウチは伯爵家の中ではトップの地位を持ち、侯爵家からも意識されている家。そんな家の当主は、背負っているもの、護るべきものが非常に多く、猶更私情で動いてはならない。なので僕もソコは納得していて、家として動こうとは思っていない。
「……ジョシュアよ。個人的に動き、解決させるつもりか?」
「捏造された解消や、愛する人の軟禁が発生したのですからね。当然、そうなりますね」
「それは、尤もだ。して、策はあるのか? なければ、そのくらいの協力はさせてもらいたいと思っている」
「父上、そのお気持ちだけ受け取っておきます。ちょうど、お誂え向きのものがありますので」
僕は残念なことに身体能力が壊滅的で、運動神経だって呆れるくらい全くない。そこで幼少期から『頭脳』を徹底的に鍛えていて、大量に策を所有している。
その中の一つを調整して使用すれば、『家』へはノーダメージで解決できる。
「ロレッタが僕に興味を持ってくれたのは、ラッキーでした。ここを使えば、妹どころか両親だって永久に無害化できますよ」
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