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第10話 昼休みの衝撃 ロレッタ視点(1)

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「……………………」

 お昼休み、人気(ひとけ)のない校舎裏。ジョシュア様に呼び出されたわたしは、激しい立ち眩みに襲われていた。
 だ、だって……。

「明日からは、またロレッタと一緒に過ごしてみたいと思ってるんだ」

 わたしの姿を目にするや否や、ジョシュア様がこんなコトを言い出したんだもん……!!

「え……? え……!? どっ、どうしてですか!?」

 毎日2回馬車で一緒に移動してるし、休日も一日中会えるように調整したっ。引き続き高級な化粧水とか美容液も渡してて、日に日に外にも磨きがかかってるはずなのにっ。
 なんでそうなるの!?

「ステファニーと長時間過ごしても、当時の感覚がまだ戻ってないんだよ。だからね、やはり僕の心は君へと完全に傾いてしまっているのかもしれない・・・・・・――。そう思うようになったんだ」
「………………」
「そこでそれを確かめるために、今度はロレッタと一週間過ごしてみたいと考えているんだよ」

 この一週間は、おためしだったよね? だから次は、君と『おためし』をしたいんだ。
 ……ジョシュア様は、そんなコトを仰った……。

「前回言ったように、真の想いを知って君に更に興味を持つようになった。だからね。実を言うと、君への感情はずっと変わっていないんだ」

 ジョシュア様の瞳が愛おしげに細まって、ご自身のポケットを一瞥した。
 そこは、あのケースが入っていた場所……っ。この方は、まだっっ。わたしの髪の毛やまつ毛を持っていて、しかも持ち歩いていたんだ……!!

「ロレッタ。そんな理由があって、僕はこうして――」
「いえっ! それはてぇがっ! ちっ違っくっってって――違っています!! それはあの日お伝えしたものの影響なんですまだ残ってるからなんですっ!! わたしが見せてしまっていたあの『悪夢』から完全に醒めてないからそうなってしまっちゃってるです!!」

 パニックのせいでかなりおかしくなっちゃってるけど、そんなこと気にしてる場合じゃない! わたしは大急ぎで首と両手を左右に振る。

「ジョシュア様はお優しい方でっ、きっと、あれです! 無意識的に、同情してくださっているのだと思います!! そうっ!! 同情なんですよ!!」
「……? 今、『上手いことを言った』という顔をしなかったかい?」
「してません!! してませんよっ!!」

 しちゃってたけど、そこは気にしないでください!!
 運よくっ、この提案の対処法が見つかったんだもんっ! またおかしなコトになっちゃってるけど、続ける……!!

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