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第12話 希望?絶望 シメオン視点(4)

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「役立たずはお前だ!! 全部お前のせいだろうがああああああああああ!!」

 ぷつん。そんな音が聞こえた瞬間、俺は叫びながら全力で右腕を振って――

「ぎゃあ!?」

 ――ヨランドの左頬を、思い切り引っ叩いてやった!

「お前が余計なことを企まなければ何も始まらなかったんだ!! ヴァネッサを利用することも見つかることもハレエンテル山に送られることもなかったんだ! 全部お前のせいだ!!」

 俺のせいだと!? ふざけるな!!
 お前から始まった悲劇じゃないか!!

「無能!? それもお前のことだ!! ヴァネッサの悪評を広めたい!? はっ、嫉妬なんて見苦しいぞ!! そんなだからお前は駄目なんだよ!!」
「っ、よくもやったわね!! 生意気よ!! 駄目なヤツに駄目だなんて言われたくはないっ!!」
「お前の方が遥かに駄目なんだから言っていいんだよ!! いいかっ!? よ~く聞けよバカ女っ!! 昨日庭でも言ってただろ!? お前は昔からそうなんだよ! 面倒なヤツなんだよっ!! ヴァネッサより慕われないのは当然なんだよ!! ヴァネッサを下げるとか考える前にっ、自分をよく見つめてみろよ!! 性格を直すのが最優先なんだよ問題ありまくり女!!」
「わたくしの性格は問題ない!! だってわたくしは理不尽なことにしか怒らないんだからね!! そんなわたくしを怒らせる状況がっ、周りが悪いのよ!!」
「それが性悪バカが吐く台詞なんだよ!! なんでもかんでも人のせいにするな!! だからヴァネッサに負けるんだよ!! 分かったか――ぐぶ!?」

 コイツ……! また叩(はた)きやがった……!!

「落ちこぼれが偉そうに言うな!! いい加減黙れぎゃ!?」
「お前が『なんとか言え』って言うから言ってるんだろうが!! さすが負け犬バカだなっっ! さっき言ったことも忘れるだなんてぶふ!?」

 また、また……! やりやがった……!!
 だから――

「無能だから状況は常に変化するって知らないようね!! もう黙れって言ってるでしょっっ!? いい!? アンタは加害者でわたくしは被害者なのよ!? 反省して大人しくぶたれなさいよぎゃあ!?」
「逆だ!! 俺が被害者でお前が加害者だ!! よくもまあ大間違いなことを堂々と言えるな!! そんなだからヴァネッサに負けるんだよふぼ!?」
「ヴァネッサヴァネッサうるさい!! 黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇぇぎぃ!?」

 ――叩(はた)いて、そうしたらまた殴ってくるから、もう一度叩(はた)き、またまた殴ってくるから更にもう一度叩(はた)く。
 そうして俺は、徹底的にやり返していって――












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