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第13話 決行~涙の別れ~ 俯瞰視点(3)
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「な、なにを言っているのだっ? レベッカを逃がす? この子はこれから、パーティーへと向かうだけだぞっ?」
「そうですわっ。ほらっ、こちらに招待状がありますでしょうっ! わたくしは友人に招待されていてっ、そちらに向かっているだけですわ!」
「いいや、それは嘘だ。……兄上、レベッカ、我々は把握しているんだよ。貴方たちの企みをね」
『幼馴染の婚約者とレベッカを結婚させる!? 兄上なにを言っているのですか!!』
『レベッカも何を考えているの!? やめなさい!!』
略奪の件を報告した際に激しく反対されたため、ファビアンは一連の行動を二人に伝えてはいませんでした。しかしながら『諦めさせるための3か月』や『直近のあまりに不自然な行動』によってアランとクラハは訝しみ、秘密裏に監視を行い目的を知得していたのです。
「興味を失くした相手と結婚したくないから、死んだことにして逃がす……。またしても兄上は、最悪の決断をしてしまいました」
「このタイミングでそんな真似をしてしまったら、様々な面で『ザスワーズ家』に影響が出てしまうわ。だからわたし達は、阻止しに来たのよ」
ヴァレンタ家からの疑問の声や、その後発生するである当主のマークなどなど、多くのリスクが生じること。ザスワーズ家にとってヴァレンタ家は、効率よくウィークポイントを補ってくれる存在であること。
それらの理由で、アランとクラハは中止を中止させると決めていたのでした。
「な……っ。この子に犠牲になれと言うのか!? ふざけるな!!」
「嫌ですわ!! わたくしにだって幸せになる権利はある!! 絶対に嫌ですわ!!」
「ふざけているのは兄上の方だ!! 我々は貴族なのですよ! 先人が築き上げてきたものを最優先とするのは当たり前だ!!」
「それにこの現状は、兄さんとレベッカが招いたものよ。自分たちがばら撒いた迷惑は、自分達で拾いなさい」
貴族は様々な優遇を得る代わりに、次の世代へと繋ぐ役目を担わなければならない――。アエラ・ニーゾイスを裏切らなければ、そもそもこんなことにはなっていない――。
アランは顔を真っ赤にしつつ、クラハは淡々としつつ、ファビアンとレベッカに正論を放ちました。
「したがって、逃亡は認めない。レベッカには予定通り、ヴァレンタ伯爵家に嫁いでもらう」
「そして――」
「認めんぞ!! 認めるものか!! お前達がいくら喚こうが関係はない!! そんなもの私がねじ伏せてやる!!」
「…………そう。けれど兄さん、それは不可能よ」
なぜならば――
「そうですわっ。ほらっ、こちらに招待状がありますでしょうっ! わたくしは友人に招待されていてっ、そちらに向かっているだけですわ!」
「いいや、それは嘘だ。……兄上、レベッカ、我々は把握しているんだよ。貴方たちの企みをね」
『幼馴染の婚約者とレベッカを結婚させる!? 兄上なにを言っているのですか!!』
『レベッカも何を考えているの!? やめなさい!!』
略奪の件を報告した際に激しく反対されたため、ファビアンは一連の行動を二人に伝えてはいませんでした。しかしながら『諦めさせるための3か月』や『直近のあまりに不自然な行動』によってアランとクラハは訝しみ、秘密裏に監視を行い目的を知得していたのです。
「興味を失くした相手と結婚したくないから、死んだことにして逃がす……。またしても兄上は、最悪の決断をしてしまいました」
「このタイミングでそんな真似をしてしまったら、様々な面で『ザスワーズ家』に影響が出てしまうわ。だからわたし達は、阻止しに来たのよ」
ヴァレンタ家からの疑問の声や、その後発生するである当主のマークなどなど、多くのリスクが生じること。ザスワーズ家にとってヴァレンタ家は、効率よくウィークポイントを補ってくれる存在であること。
それらの理由で、アランとクラハは中止を中止させると決めていたのでした。
「な……っ。この子に犠牲になれと言うのか!? ふざけるな!!」
「嫌ですわ!! わたくしにだって幸せになる権利はある!! 絶対に嫌ですわ!!」
「ふざけているのは兄上の方だ!! 我々は貴族なのですよ! 先人が築き上げてきたものを最優先とするのは当たり前だ!!」
「それにこの現状は、兄さんとレベッカが招いたものよ。自分たちがばら撒いた迷惑は、自分達で拾いなさい」
貴族は様々な優遇を得る代わりに、次の世代へと繋ぐ役目を担わなければならない――。アエラ・ニーゾイスを裏切らなければ、そもそもこんなことにはなっていない――。
アランは顔を真っ赤にしつつ、クラハは淡々としつつ、ファビアンとレベッカに正論を放ちました。
「したがって、逃亡は認めない。レベッカには予定通り、ヴァレンタ伯爵家に嫁いでもらう」
「そして――」
「認めんぞ!! 認めるものか!! お前達がいくら喚こうが関係はない!! そんなもの私がねじ伏せてやる!!」
「…………そう。けれど兄さん、それは不可能よ」
なぜならば――
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