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第2話 理由~婚約当日の、奇妙な出来事~ フルール視点(2)
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((……分かりました……。あの声が聞こえた理由が……))
私は前世で酷い裏切りに遭い、無実を訴えながら、交際および婚約を悔やみながら死んでいきました。ですのでそんな後悔が――『繰り返すのは嫌だ』という感情が、二の舞を防ぐために記憶を覚醒させたのです。
((……以前の、私は……。悲劇を再び起こさせない方法を、用意していたのですね……))
かつての私アレーテは出所後も潔白を主張しましたが効果はなく、現世での幸せは諦めました。仕方なく来世での幸せを願うようになり、今度こそ辛い目に遭わないように……。記憶を持ち越せるか不明だったものの、それでもそうできると信じて行動し、一生をかけてその方法を見つけていたのです。
((でも……。それを使用するということは……))
クリストフ様を、信用しないということ。事情がどうであれ、結局はクリストフ様を裏切る行為となります。
((…………私はあの方に、隠し事をしたくはありません。それに……))
クリストフ様は一生涯私を愛してくださると仰られていて、絶対にそんな真似はされません。そういった確信がありました。
ですので信じて、実行は止めよう、一度はそう決めました。ですが……
――わたしは何もしていないのに――。
――信じて……。信じて……っ。誰かわたしを信じて――。
――お願い! おねがいっ! おねがいっっ!!――。
記憶の覚醒により、私の中には多くの絶望が刻まれていました。
なので最終的には、恐怖心が上回ってしまって……。私は夥しい量の罪悪感を覚えながら、実行を決意したのでした。
((クリストフ様……。申し訳ございません。貴方様を信用できない私を、お許しください……))
かつての私が見つけた『保険』は、大きな誓いを交わす際にのみ、実行できるもの。ですので私は、書類に拇印を捺す際に――
「クリストフ様……。その……」
「ん? なんだいフルール?」
「…………私を……。一生涯裏切らないと、約束していただけますか?」
「もちろんだとも。お前を裏切りはしないよ」
――こういったやり取りを行い、最大2つの『代償』が発生する契約を秘密裏に結ばせていただいたのです。
〇〇
((クリストフ様。貴方様は、条件を満たしてしまいました))
『一生裏切らない』
もしもクリストフ様がそちらを反故にされ、私がそれを認識した場合、まずは一つ目の『代償』が発動するようになっているのです。
((約束を破ってしまった者に訪れる、罰の1つ。その内容は、『被害者が加害者を自由に操れるようになる』、です))
『おかしいっ!! おかしいことが起きているっ!! さっきまで喋っていたのは俺じゃないんだっ!! いやっ、俺ではあるんだ!! だが俺じゃないんだっ! この口がっ、思ってもないことを勝手に喋り出したんだ!!』
なのでクリストフ様はあのような状態になられていて、ですのでこれから私は――
私は前世で酷い裏切りに遭い、無実を訴えながら、交際および婚約を悔やみながら死んでいきました。ですのでそんな後悔が――『繰り返すのは嫌だ』という感情が、二の舞を防ぐために記憶を覚醒させたのです。
((……以前の、私は……。悲劇を再び起こさせない方法を、用意していたのですね……))
かつての私アレーテは出所後も潔白を主張しましたが効果はなく、現世での幸せは諦めました。仕方なく来世での幸せを願うようになり、今度こそ辛い目に遭わないように……。記憶を持ち越せるか不明だったものの、それでもそうできると信じて行動し、一生をかけてその方法を見つけていたのです。
((でも……。それを使用するということは……))
クリストフ様を、信用しないということ。事情がどうであれ、結局はクリストフ様を裏切る行為となります。
((…………私はあの方に、隠し事をしたくはありません。それに……))
クリストフ様は一生涯私を愛してくださると仰られていて、絶対にそんな真似はされません。そういった確信がありました。
ですので信じて、実行は止めよう、一度はそう決めました。ですが……
――わたしは何もしていないのに――。
――信じて……。信じて……っ。誰かわたしを信じて――。
――お願い! おねがいっ! おねがいっっ!!――。
記憶の覚醒により、私の中には多くの絶望が刻まれていました。
なので最終的には、恐怖心が上回ってしまって……。私は夥しい量の罪悪感を覚えながら、実行を決意したのでした。
((クリストフ様……。申し訳ございません。貴方様を信用できない私を、お許しください……))
かつての私が見つけた『保険』は、大きな誓いを交わす際にのみ、実行できるもの。ですので私は、書類に拇印を捺す際に――
「クリストフ様……。その……」
「ん? なんだいフルール?」
「…………私を……。一生涯裏切らないと、約束していただけますか?」
「もちろんだとも。お前を裏切りはしないよ」
――こういったやり取りを行い、最大2つの『代償』が発生する契約を秘密裏に結ばせていただいたのです。
〇〇
((クリストフ様。貴方様は、条件を満たしてしまいました))
『一生裏切らない』
もしもクリストフ様がそちらを反故にされ、私がそれを認識した場合、まずは一つ目の『代償』が発動するようになっているのです。
((約束を破ってしまった者に訪れる、罰の1つ。その内容は、『被害者が加害者を自由に操れるようになる』、です))
『おかしいっ!! おかしいことが起きているっ!! さっきまで喋っていたのは俺じゃないんだっ!! いやっ、俺ではあるんだ!! だが俺じゃないんだっ! この口がっ、思ってもないことを勝手に喋り出したんだ!!』
なのでクリストフ様はあのような状態になられていて、ですのでこれから私は――
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