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第8話 平穏は何の前触れもなく崩壊する シブリアン視点(2)
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「ど、どうしたんですか父上? 俺は今、来てはいけなかったのですか……?」
「…………………………」
「ち、父上? 父上……? なぜ黙っているんです……? 喋ってくれないと分かりませんよ。俺はなぜいきなり怒鳴られてたので――」
「これを見ろ。身に覚えがあるだろ?」
やっと喋ったと思ったら、父上は手に持っていた紙を――一枚の写真をこちらに向けて来た。
見ろと言われたので、見てみよう。
その写真には、何が写ってるんだ――
「…………………………。え?」
俺は、我が目を疑った。
う、うそ、だろ? どうなってるだ? なん……。なん、で――
俺とクロエがキスをしている写真が、ここにあるんだ!?
ロバートが所持していてっ、鑑定が終わったら返って来ることになっているのに……。どうしてここにあるんだ!?
「ジャックがたった今、教えてくれた。この写真が――この女性とお前が浮気をしていたという話が、あちこちで広まっているそうだ」
「……っっ!! ロバート……!! アイツがっ、裏切りやがった……!!」
あの約束は、嘘だったんだ……!
最初からアイツは、こうするつもりだった……! 自分が欲しいものを手に入れたあとは、俺を裏切って嗤うつもりだったのか――
『なら……。ローヴェラル神に、誓えるか?』
『ああ、実際にそうするつもりなのだから誓えるさ。ローヴェラル神に誓って、約束しよう。本物だと証明されたら即日、ここに招待してあの写真を返すとな』
違う。そんなはずはない。
思い出した!
アイツはあの時、俺に問いかけに応じて『ローヴェラル神』に誓いを立てた。
アイツに――ラクテールア子爵家の人間にとって、ローヴェラル神は絶対的な存在! 反故になんてできるはずのない存在なんだ!
あの時そう言ったからには、約束を破るはずなんてないんだ!
((だ、だが……))
「この写真は、一切加工されてはいないそうだ。この一枚について詳しく説明してもらおうか、シブリアン君」
「なにもかも、だ。詳しく説明してもらうぞ、シブリアン」
実際、おじさんはあの写真を――恐らく複製されたもののひとつを手に入れている。
裏切るはずがないのに、裏切っている。
なにが起きているんだ……!?
「…………………………」
「ち、父上? 父上……? なぜ黙っているんです……? 喋ってくれないと分かりませんよ。俺はなぜいきなり怒鳴られてたので――」
「これを見ろ。身に覚えがあるだろ?」
やっと喋ったと思ったら、父上は手に持っていた紙を――一枚の写真をこちらに向けて来た。
見ろと言われたので、見てみよう。
その写真には、何が写ってるんだ――
「…………………………。え?」
俺は、我が目を疑った。
う、うそ、だろ? どうなってるだ? なん……。なん、で――
俺とクロエがキスをしている写真が、ここにあるんだ!?
ロバートが所持していてっ、鑑定が終わったら返って来ることになっているのに……。どうしてここにあるんだ!?
「ジャックがたった今、教えてくれた。この写真が――この女性とお前が浮気をしていたという話が、あちこちで広まっているそうだ」
「……っっ!! ロバート……!! アイツがっ、裏切りやがった……!!」
あの約束は、嘘だったんだ……!
最初からアイツは、こうするつもりだった……! 自分が欲しいものを手に入れたあとは、俺を裏切って嗤うつもりだったのか――
『なら……。ローヴェラル神に、誓えるか?』
『ああ、実際にそうするつもりなのだから誓えるさ。ローヴェラル神に誓って、約束しよう。本物だと証明されたら即日、ここに招待してあの写真を返すとな』
違う。そんなはずはない。
思い出した!
アイツはあの時、俺に問いかけに応じて『ローヴェラル神』に誓いを立てた。
アイツに――ラクテールア子爵家の人間にとって、ローヴェラル神は絶対的な存在! 反故になんてできるはずのない存在なんだ!
あの時そう言ったからには、約束を破るはずなんてないんだ!
((だ、だが……))
「この写真は、一切加工されてはいないそうだ。この一枚について詳しく説明してもらおうか、シブリアン君」
「なにもかも、だ。詳しく説明してもらうぞ、シブリアン」
実際、おじさんはあの写真を――恐らく複製されたもののひとつを手に入れている。
裏切るはずがないのに、裏切っている。
なにが起きているんだ……!?
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