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第5話 だから 俯瞰視点(2)
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「………………………………」
「ラシェル嬢、失礼する」
ゴーチェに依頼を行い、祭壇の周囲に大きな輪が出来上がったあとのこと。彼の頭を撫でて感謝を伝えたセレスティンは、ラシェルをお姫様抱っこにしました。
「………………………………」
「これから貴女を連れて、人間界へと移動する。醜き家族によって失われた、貴女自身を取り戻すために」
ラシェルにとって大事な場所を巡り、『空』になってしまったラシェルを元に戻すため。セレスティンは優しく抱き上げ、自身の足元に魔法陣を――祭壇を目的地とした、転移用魔法陣を展開させました。
「俺達の様子を、常時感知できるようにしておく。……ゴーチェ。俺が嫌いなことは何か、覚えているか?」
「もちろん。『犠牲』と『嘘』です」
「ああ、そうだ。だから決して、嘘は吐かない。どんなに確率が低くとも、成功させてみせる」
例えば、成功する確率が1%だったとして――。それはつまり100本の糸が垂れていて、その中の1本が当たりだということと同じ。
当たりが確かに存在しているのであれば、それをこの手で引き寄せればいいだけ。
自分には、そうするための力がある。彼女にはソレを受ける資格と権利がある。故に、問題はまったくない。
これまで実際にソレを体現してきたセレスティンに、不安など微塵もありません。そのため彼は堂々とした言動を見せ、
「セレ様が本気にあれば、安心だよね。お気をつけて」
「少しの間、不在を任せたぞ。……では行ってくる」
そうしてゴーチェが望んだので、
「………………………………」
「ラシェルちゃんっ、安心してね。絶対にまた笑えるようになるからさっ!」
ラシェルの手を握ってニッコリ笑うという、ゴーチェ流のお見送りを済ませたあと。セレスティンは魔法陣を発動させて祭壇へと飛び、やがて人間界に降り立ったのでした。
「ラシェル嬢、失礼する」
ゴーチェに依頼を行い、祭壇の周囲に大きな輪が出来上がったあとのこと。彼の頭を撫でて感謝を伝えたセレスティンは、ラシェルをお姫様抱っこにしました。
「………………………………」
「これから貴女を連れて、人間界へと移動する。醜き家族によって失われた、貴女自身を取り戻すために」
ラシェルにとって大事な場所を巡り、『空』になってしまったラシェルを元に戻すため。セレスティンは優しく抱き上げ、自身の足元に魔法陣を――祭壇を目的地とした、転移用魔法陣を展開させました。
「俺達の様子を、常時感知できるようにしておく。……ゴーチェ。俺が嫌いなことは何か、覚えているか?」
「もちろん。『犠牲』と『嘘』です」
「ああ、そうだ。だから決して、嘘は吐かない。どんなに確率が低くとも、成功させてみせる」
例えば、成功する確率が1%だったとして――。それはつまり100本の糸が垂れていて、その中の1本が当たりだということと同じ。
当たりが確かに存在しているのであれば、それをこの手で引き寄せればいいだけ。
自分には、そうするための力がある。彼女にはソレを受ける資格と権利がある。故に、問題はまったくない。
これまで実際にソレを体現してきたセレスティンに、不安など微塵もありません。そのため彼は堂々とした言動を見せ、
「セレ様が本気にあれば、安心だよね。お気をつけて」
「少しの間、不在を任せたぞ。……では行ってくる」
そうしてゴーチェが望んだので、
「………………………………」
「ラシェルちゃんっ、安心してね。絶対にまた笑えるようになるからさっ!」
ラシェルの手を握ってニッコリ笑うという、ゴーチェ流のお見送りを済ませたあと。セレスティンは魔法陣を発動させて祭壇へと飛び、やがて人間界に降り立ったのでした。
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