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第19話 側近から見た光景 ゴーチェ視点
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「えええっ!? セレ様とラシェルちゃんが交際をすることになった!?」
プライベートな内容の時はあっちの状況を把握できなくなるから、その話を聞いた時はビックリしちゃったよ。
だってセレ様とラシェルちゃんは、出会ってたった2日目なんだもん。そんな風になると思っていなくって、一緒に告げられた時は暫く固まっちゃったよ。
((え、ええー。う、う~ん。セレ様ってば、恋とかをした経験はないって仰ってたよねぇ……? だ、大丈夫なのかなぁ?))
すっごく心配で、だからボクは2人を見守ろうって決めたんだ。
セレ様は上司だけどお兄ちゃん的な存在で、ラシェルちゃんは妹のようなお姉ちゃんのような存在なんだもん。とっても大切な人達だから、何かあったらフォローしなきゃ、って思ってたんだ。
――でも、そんな心配は要らなかったみたい――。
「ラシェル。必要だと感じた書類を、用意しておいた。目を通してみてくれ」
「あっ、ありがとうございます……っ。では私がそうしている間に、セレスティン様。こちらをどうぞ」
「? これは…………パウンドケーキか」
「オレンジのパウンドケーキがお好き、そう仰られていましたので。焼いてまいりました」
新当主のお仕事や孤児の受け皿の話が上手く進むように、2人は毎日王の座で会うようにしてるんだけどね。2人はいつも2人のために色々な準備をしていて、
「…………美味しい。ありがとうラシェル」
「喜んでいただけて、幸せです。……セレスティン様。貴方様が用意してくださったこちらがあれば、更に円滑に進められます。いつもいつも、ありがとうございます」
仲良く微笑み合って、ぽかぽかした時間を過ごしたり。
「セレ様、ラシェルちゃん、お帰りなさい。今日はどこに行ってたの?」
「今日は精霊界の西部にある、お花畑に連れていっていただきました。そこで、セレスティン様からこのようなものをいただきました……っ」
「わぁ、花の冠っ? 似合ってるよ~っ。セレ様って手先が器用だから、売り物みたいな――ってあれっ? セレ様って、出発前はネックレスをつけてなかったはずっ? もしかしてそちらって!」
「ああ、ラシェルからの贈り物だ。傍にあった木の実とシロツメクサを使い、作ってくれたのだよ。『私も贈らせていただいたい』、と言ってくれてな」
デート中のコトは二人だけの秘密だから、全部は分からないんだけどさ。戻ってきたセレ様とラシェルちゃんは毎回すっごく幸せそうで、最高の時間を過ごせたんだってコトがよく分かった。
だから――。公私共にとっても充実してるからさ――。
それから、半年後。2人からあの話を聞かされた時は、ちっとも驚かなかったんだ。
プライベートな内容の時はあっちの状況を把握できなくなるから、その話を聞いた時はビックリしちゃったよ。
だってセレ様とラシェルちゃんは、出会ってたった2日目なんだもん。そんな風になると思っていなくって、一緒に告げられた時は暫く固まっちゃったよ。
((え、ええー。う、う~ん。セレ様ってば、恋とかをした経験はないって仰ってたよねぇ……? だ、大丈夫なのかなぁ?))
すっごく心配で、だからボクは2人を見守ろうって決めたんだ。
セレ様は上司だけどお兄ちゃん的な存在で、ラシェルちゃんは妹のようなお姉ちゃんのような存在なんだもん。とっても大切な人達だから、何かあったらフォローしなきゃ、って思ってたんだ。
――でも、そんな心配は要らなかったみたい――。
「ラシェル。必要だと感じた書類を、用意しておいた。目を通してみてくれ」
「あっ、ありがとうございます……っ。では私がそうしている間に、セレスティン様。こちらをどうぞ」
「? これは…………パウンドケーキか」
「オレンジのパウンドケーキがお好き、そう仰られていましたので。焼いてまいりました」
新当主のお仕事や孤児の受け皿の話が上手く進むように、2人は毎日王の座で会うようにしてるんだけどね。2人はいつも2人のために色々な準備をしていて、
「…………美味しい。ありがとうラシェル」
「喜んでいただけて、幸せです。……セレスティン様。貴方様が用意してくださったこちらがあれば、更に円滑に進められます。いつもいつも、ありがとうございます」
仲良く微笑み合って、ぽかぽかした時間を過ごしたり。
「セレ様、ラシェルちゃん、お帰りなさい。今日はどこに行ってたの?」
「今日は精霊界の西部にある、お花畑に連れていっていただきました。そこで、セレスティン様からこのようなものをいただきました……っ」
「わぁ、花の冠っ? 似合ってるよ~っ。セレ様って手先が器用だから、売り物みたいな――ってあれっ? セレ様って、出発前はネックレスをつけてなかったはずっ? もしかしてそちらって!」
「ああ、ラシェルからの贈り物だ。傍にあった木の実とシロツメクサを使い、作ってくれたのだよ。『私も贈らせていただいたい』、と言ってくれてな」
デート中のコトは二人だけの秘密だから、全部は分からないんだけどさ。戻ってきたセレ様とラシェルちゃんは毎回すっごく幸せそうで、最高の時間を過ごせたんだってコトがよく分かった。
だから――。公私共にとっても充実してるからさ――。
それから、半年後。2人からあの話を聞かされた時は、ちっとも驚かなかったんだ。
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