姉の婚約者を奪おうとする妹は、魅了が失敗する理由にまだ気付かない

柚木ゆず

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第6話 追及する次女と母 ソフィー視点

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「……もしかして……。ソフィーの髪の毛とシュヴァリエ様の髪の毛が、しっかりと絡み合っていなかったんじゃないかしら?」

 2人で相談を始めて、2時間くらいが経ったと思う。あれこれ悩んでいたら、俯きがちだったお母様の顔が上がった。

「魔法陣は正しく描いて、秘薬を指定量ちゃんと置いて、呪文も正しく唱えたんだもの。だとしたら問題があるのは、毛髪に関する部分。そこを重点的に考えていたら、それしかなかったのよ」
「…………うん、そうだよ……っ。わたしもそう思うっ」

 こっちもずっと振り返ってて、魔法陣とか呪文にミスはなかったんだもの。消去法でそうなるっ。

「だったら、しっかり絡ませたら成功するねっ。早くやり直そっ」
「残念だけど、それは無理よ。魔法陣も秘薬も毛髪も、処分してしまったわ」

 ぁ、そうだった。証拠は全部抹消してから、お姉ちゃんのところに行ったんだったわね。

「魔法陣は描き直せるけど、秘薬と毛髪は改めて集めないといけないわ。だから再挑戦は、最短で1週間後ね」

 母の息がかかった使用人ミントによると、シュヴァリエ様が次にいらっしゃるのは来週。あの方はもう去られていて、運悪く屋敷内に髪の毛は落ちていなかったからさっきのような手段はとれないから、次の機会に手に入れるしかない。
 秘薬はお金さえ出せば5日程度で入手できるから、プラスで2日待つのはイライラするけど……。仕方がないわね。

「こうやって、問題点が見つかったんだもの。これくらいは我慢しましょっか」
「ふふっ、ソフィーは切り替えが早くて偉いわ。じゃあもうすぐディナーの時間になることだし、食堂に向かいましょ」
「そうだね、お母様。行きましょっ」

 そうしてわたし達はスッキリして部屋を出て、家族4人でいつも通り・・・・・食事を行う。
 あの工作があるから追及されるコトはなくって、なにも問題なし。その後も今まで通りの毎日が続くようになって、トラブルもなく一週間が経った。

((……ふふ。シュヴァリエ様が、いらっしゃったわね。毛髪採取作戦、スタートよっ))

 待っている間に秘薬は無事調達できたし、今日魅了しても不自然にならないように対策も用意した。つまり、髪の毛さえ手に入れば成功は確実で――。
 毛髪の入手は比較的イージーなミッションだから、わたしは含み笑いながら動き出したのだった。

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