姉の婚約者を奪おうとする妹は、魅了が失敗する理由にまだ気付かない

柚木ゆず

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第13話 助けを求めたら ソフィー視点(3)

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「ど、どうして……? なんで治安局が来るの……?」
「君が行ったものは、犯罪行為。そこでこちらに向かう途中で事情を説明し、同行していただいたのさ」
「お前とセニリアが手を染めたものは、シュヴァリエ様の――他者の人生を台無しにしかねないもの。商人との接触も含め、厳しく裁かれなければならないのだよ」

 そんなことも分からない程に、激昂しているのか――。愚かだ――。そう言いたげな視線がいくつも飛んで来て、それがますますわたし達の怒りを増やす。

「っ、わたしのソフィーを馬鹿にするのは許さないわよ!! ソフィーっ、待っていて!! こんな縄はすぐ引きちぎるから一緒に全員殺して口封じをしましょ!!」

 わたしも怒気が満ち満ちていて、大きく頷いて滅茶苦茶にしてやりたい。でも……。でも……っ。

「無駄だ。治安局の縄は特別製、人力では破れんよ」
「それに――。万が一抜け出したとしても、愛する人に手出しはさせないよ。シュヴァリエ家はその名の通り騎士としても有名で、僕にもその手の心得があるのだからね」

 お父様と、シュヴァリエの言う通り……。
 お母様は脱出できないし、この男は腕が立つ人……。怒りを発散させるコトも、逃げるコトも不可能…………。

「君達はこれから、しっかりと罪を償うことになる。そしてその後、恐らくローランス卿の金言が、形を変えてやってくるだろう。楽しみにしておいてくれ」
「っっ、なによソレ!? なんなのよ!? 教えなさいよ!!」
「それもまた、罪の一つさ。どうぞお楽しみに」

 キィィィィイイ!! 無駄に優雅に笑ってムカつく!!
 こんな裏切り者・・・・は大嫌いで、今すぐ復讐・・してやりたい。だけど…………っっ。今は、我慢しておく。

((こんな状況なんだもの。それは後日、刑期を終えて出てきた時にするわ……!))

 賢いわたしは、ピンと閃いたの。
 この罪はかなり大きくて、必然的に刑も重くなっちゃう。未遂とはいえ、最低でも三十年以上を宣告されちゃうでしょうね。

((で・も、今回はそうはならない。司法取引で減刑ができるんだもの))

 お母様は仲介人を通じて商人と接触していて、ソイツの行方は分からないものの、仲介人とはいつでも会える。だから仲介人の情報を治安局に流せば仲介人を捕まえられて、上手くいけば危険人物も捕まえられる。
 それは治安局にとっても魅力的なお話だから、ぜったいに成立するもの。きっと半分以下の刑期で出てこれるはず。
 だから――

((シュヴァリエ、ルロア。楽しみにしているのはお前達の方よ))

 今日のところは、負けておいてあげる。だけどいずれ必ず、お母様と2人で後悔させてあげるんだから……!!

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