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補完編その3 脅迫状偽装、失敗の裏側 俯瞰視点(1)
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「テオ様。お仕事、お疲れ様でした。……多忙な時期とはいえ、特に本日は予定がビッシリでしたね。お身体の調子はいかがですか?」
とある日の夜、テオの寝室。彼の従者であるライアンスがテーブルにカモミールを置きながら、不安げに主の顔を見つめました。
先日テオの父親が落馬によって足を痛めてしまい、現在はテオが当主代理を務めています。そのため今日は朝から晩まで他貴族との会談を行うなど、心身ともに大変な日々が続いていたのです。
「その全てが『家』を背負っての行動であり、この男はまだまだ未熟者。常に、必死にならざるを得ないからね。正直に白状すると、心も体もかなり疲れているよ」
「……テオ様……」
「このままではプレッシャーなどに負けてしまい、心も体も折れてしまいそうだ。そこで今夜も、愛する人に元気をもらう事にするよ」
「??? ジュリエット様に、ですか? ど、どのように元気をもらうおつもりなのですか……?」
ジュリエットを招いているという話は、聞いていない。現在はすでに深夜の0時を回っており、今から会いには行けない。
ライアンスはそうする方法が分からず、大きく首を傾げました。
「ん? ああ、そういえば話した事がなかったね。心も体も疲れた日は、これらに力を貰っているんだよ」
テオがデスクの中から取り出した、これら。それは、大切に保管されている17通の手紙――ジュリエットが送った手紙でした。
「なるほど……! ジュリエット様のお気持ちが籠ったお手紙。確かに、原動力となりますね」
「非常に頼もしいエネルギーとなってくれているよ。……最愛の人が、愛してくれる。こんなにも幸せな事はない」
「ですね。ではテオ様、ごゆっくりどうぞ。素敵なお時間をお過ごしください」
「ああ、そうさせてもらうよ。ライアンスも、お疲れ。ゆっくり休んでくれ」
そうしてテオは椅子に腰かけ、手紙を読み始めました。そして――
〇〇〇
とある日の夜、テオの寝室。彼の従者であるライアンスがテーブルにカモミールを置きながら、不安げに主の顔を見つめました。
先日テオの父親が落馬によって足を痛めてしまい、現在はテオが当主代理を務めています。そのため今日は朝から晩まで他貴族との会談を行うなど、心身ともに大変な日々が続いていたのです。
「その全てが『家』を背負っての行動であり、この男はまだまだ未熟者。常に、必死にならざるを得ないからね。正直に白状すると、心も体もかなり疲れているよ」
「……テオ様……」
「このままではプレッシャーなどに負けてしまい、心も体も折れてしまいそうだ。そこで今夜も、愛する人に元気をもらう事にするよ」
「??? ジュリエット様に、ですか? ど、どのように元気をもらうおつもりなのですか……?」
ジュリエットを招いているという話は、聞いていない。現在はすでに深夜の0時を回っており、今から会いには行けない。
ライアンスはそうする方法が分からず、大きく首を傾げました。
「ん? ああ、そういえば話した事がなかったね。心も体も疲れた日は、これらに力を貰っているんだよ」
テオがデスクの中から取り出した、これら。それは、大切に保管されている17通の手紙――ジュリエットが送った手紙でした。
「なるほど……! ジュリエット様のお気持ちが籠ったお手紙。確かに、原動力となりますね」
「非常に頼もしいエネルギーとなってくれているよ。……最愛の人が、愛してくれる。こんなにも幸せな事はない」
「ですね。ではテオ様、ごゆっくりどうぞ。素敵なお時間をお過ごしください」
「ああ、そうさせてもらうよ。ライアンスも、お疲れ。ゆっくり休んでくれ」
そうしてテオは椅子に腰かけ、手紙を読み始めました。そして――
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