お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~

柚木ゆず

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第5話 7か月ぶりの再会 マルグリット視点(2)

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「……そういえば。こんな風に4人で紅茶を飲むのは、はじめてよね」

 この日のために用意した、最高級のアールグレイ。ベルガモットの香りを楽しんでいたわたしは、ゆっくりと全員の顔を見回した。

「今までは貴方をのけ者にして、わたし達3人でティータイムを楽しんでいた。ティナこそが、真っ当な正しい人だったのにね」
「あの頃は微塵も思っていなかったけれど……。今なら、分かるわ。わたくし達がどれだけ醜く、情けない人間なのかを」
「……すまなかった。済まない……。ゆるしておくれ、ティナ」
「お父様、お母様、お姉様。人はやり直せます。根底から心を入れ替え以後は生き方を修正されるのであれば、私は全て水に流しますよ」

 ティナはわたし達の顔、そして隣に置いてある書類へと順に視線を移し、にこりと――。穏やかに微笑みを浮かべた。
 なのでわたし達は、

「ティナ……! ティナ……っ」
「感謝する……! 感謝する……!」
「ありがとうね……! ありがとう……っ」

 感極まって涙する、お芝居を行う。そうして更に良い雰囲気を作りながら引き続き4人でのお茶を味わい、私はこっそりと室内にある掛け時計を眺めた。

((今は、午後の1時8分。ティータイムが始まったの12時40分くらいだったから、だいたい30分になるわね))

 だとしたら、ふふふ。もうそろそろ、『その時』が来るわね。

「あら、もうこんなにも経っていたのね。幸せな時間は流れが速くなる、ソレは本当だったのね」
「なんと! まだ十分程度かと思っていた。うむ、そうだったようだな」
「わたくし、ビックリしたわ。ティナも、同じみたいね?」
「私も体感では十数分でしたので、驚いております。実際は倍以上も過ぎていたのですね」

 いつかしら? いつやって来るのかしら? そんなことを考えながら適当に会話を行っていって、それからおよそ4分が経過した頃だった。

「最近楽しかったこと、ですか? 実は先日、クロード様と一緒に『ノノレンタ庭園』を訪れて――ぁ、れ…………?」

 突然ティナの身体が揺れ始め、やがて脱力。手にしたカップは真下へと落ちて、ガシャンと割れてしまったのだった。

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