お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~

柚木ゆず

文字の大きさ
17 / 29

第5話 7か月ぶりの再会 マルグリット視点(3)

しおりを挟む
「力が、入ら、ない……。きゅう、に…………ねむけが、くる……。もしか、して……。これ、は……」
「そう。それは、睡眠薬の影響。貴方は睡眠薬入りの紅茶を飲んだから、そんな風になっているのよ」

 ここまで来たら、もう演技をする必要はない。それまでニコニコしていたわたし達は、揃って薄笑いを浮かべた。

「すい、みん……。どう、して……。そんな、ものを……?」
「決まっているでしょう。アンタの夫クロードに、当初約束していた額の支援をさせるためよ」

 まずは屋敷にティナを誘い出し、自由を奪って拘束、用意してある秘密基地に運んで監禁する。その上であの男に伝えて『凄惨な目に遭わされたくなければ一切口外せずに金を渡せ』と脅して伝え、でも、それで終わりじゃない。
 ティナとクロードは、ずっとわたし達を騙していたんだもの。反撃対策とその罰としてティナは死ぬまで監禁して、クロードには拷問をチラつかせてず~っと金を要求する。
 コレがわたし達は立てた計画で、あははははっ。すべてを教えてあげたら、ティナは間抜けに目を丸くした。

「そ、んな……。おねえさま、たちは……。しょるいまで、よういして……。かいしん、して、いた、のに……」
「あんなの嘘に決まってるでしょ。……サインと拇印が本物だから、信じてしまったのよねぇ? あれはあとで回収してなかったことにできるから、ああして渡していたのよ」
「……やられ、まし、た……。で、でも……。おねえさまたちの……。おもいどおりには、させ、ません……!」

 ティナは力を振り絞って立ち上がり、ゆらゆらとしながら出入口を目指す。歯を食いしばって一生懸命異常を伝えようとするけれど、あららザンネン。
 5メートルくらい進んだところで膝が独りでに曲がり、その場にへたり込んじゃった。

「睡眠薬は、気持ちでどうこうできる代物じゃないもの。もうどうにもならないわよ」
「そ、んな……。おねえ、さま……。おとう、さま……。おかあ、さ、ま……。やめ、て……」
「嫌」「嫌だね」「嫌よ」

 だってあんなにも弄んでくれて、7か月間も苦労させれたんだもの。許すはずはないでしょ。

「ティナ。アンタはこれから金の生る木になって、薄暗い場所がお家になるの。楽しみにしていてねぇ」
「い、いや……。いやぁぁ……。こ、こないで……。こな、いで……。い、や…………。い、や…………だ………………。すぅ、すぅ、すぅ、すぅ、すぅ…………」

 ティナは大粒の涙を流しながら眠りにつき、完全に意識を失った。
 なので作戦第一段階は、無事に完了。次は第二段階の始まりで――

しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

【完結】姉の婚約者を奪った私は悪女と呼ばれています

春野オカリナ
恋愛
 エミリー・ブラウンは、姉の婚約者だった。アルフレッド・スタンレー伯爵子息と結婚した。  社交界では、彼女は「姉の婚約者を奪った悪女」と呼ばれていた。

醜い私は妹の恋人に騙され恥をかかされたので、好きな人と旅立つことにしました

つばめ
恋愛
幼い頃に妹により火傷をおわされた私はとても醜い。だから両親は妹ばかりをかわいがってきた。伯爵家の長女だけれど、こんな私に婿は来てくれないと思い、領地運営を手伝っている。 けれど婚約者を見つけるデェビュタントに参加できるのは今年が最後。どうしようか迷っていると、公爵家の次男の男性と出会い、火傷痕なんて気にしないで参加しようと誘われる。思い切って参加すると、その男性はなんと妹をエスコートしてきて……どうやら妹の恋人だったらしく、周りからお前ごときが略奪できると思ったのかと責められる。 会場から逃げ出し失意のどん底の私は、当てもなく王都をさ迷った。ぼろぼろになり路地裏にうずくまっていると、小さい頃に虐げられていたのをかばってくれた、商家の男性が現れて……

完結 裏切られて可哀そう?いいえ、違いますよ。

音爽(ネソウ)
恋愛
プロポーズを受けて有頂天だったが 恋人の裏切りを知る、「アイツとは別れるよ」と聞こえて来たのは彼の声だった

王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?

木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。 これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。 しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。 それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。 事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。 妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。 故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。

【完結】悪女を押し付けられていた第一王女は、愛する公爵に処刑されて幸せを得る

甘海そら
恋愛
第一王女、メアリ・ブラントは悪女だった。 家族から、あらゆる悪事の責任を押し付けられればそうなった。 国王の政務の怠慢。 母と妹の浪費。 兄の女癖の悪さによる乱行。 王家の汚点の全てを押し付けられてきた。 そんな彼女はついに望むのだった。 「どうか死なせて」 応える者は確かにあった。 「メアリ・ブラント。貴様の罪、もはや死をもって以外あがなうことは出来んぞ」 幼年からの想い人であるキシオン・シュラネス。 公爵にして法務卿である彼に死を請われればメアリは笑みを浮かべる。 そして、3日後。 彼女は処刑された。

とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜

入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】 社交界を賑わせた婚約披露の茶会。 令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。 「真実の愛を見つけたんだ」 それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。 愛よりも冷たく、そして美しく。 笑顔で地獄へお送りいたします――

魔女見習いの義妹が、私の婚約者に魅了の魔法をかけてしまいました。

星空 金平糖
恋愛
「……お姉様、ごめんなさい。間違えて……ジル様に魅了の魔法をかけてしまいました」 涙を流す魔女見習いの義妹─ミラ。 だけど私は知っている。ミラは私の婚約者のことが好きだから、わざと魅了の魔法をかけたのだと。 それからというものジルはミラに夢中になり、私には見向きもしない。 「愛しているよ、ミラ。君だけだ。君だけを永遠に愛すると誓うよ」 「ジル様、本当に?魅了の魔法を掛けられたからそんなことを言っているのではない?」 「違うよ、ミラ。例え魅了の魔法が解けたとしても君を愛することを誓うよ」 毎日、毎日飽きもせずに愛を囁き、むつみ合う2人。それでも私は耐えていた。魅了の魔法は2年すればいずれ解ける。その日まで、絶対に愛する人を諦めたくない。 必死に耐え続けて、2年。 魅了の魔法がついに解けた。やっと苦痛から解放される。そう安堵したのも束の間、涙を流すミラを抱きしめたジルに「すまない。本当にミラのことが好きになってしまったんだ」と告げられる。 「ごめんなさい、お姉様。本当にごめんなさい」 涙を流すミラ。しかしその瞳には隠しきれない愉悦が滲んでいた──……。

虐げられた令嬢は、耐える必要がなくなりました

天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私アニカは、妹と違い婚約者がいなかった。 妹レモノは侯爵令息との婚約が決まり、私を見下すようになる。 その後……私はレモノの嘘によって、家族から虐げられていた。 家族の命令で外に出ることとなり、私は公爵令息のジェイドと偶然出会う。 ジェイドは私を心配して、守るから耐える必要はないと言ってくれる。 耐える必要がなくなった私は、家族に反撃します。

処理中です...