お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~

柚木ゆず

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第6話 理由 マルグリット視点(5)

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「みすみす、反撃の機会を差し出すと思うかい? ソコもちゃんと、対策済さ」
「な、んで……? 睡眠薬でまだ眠っているはずなのに! なんでピンピンしているの!?」

 わたし達は強力な睡眠薬を用意していて、コイツはしっかり飲んでいた。
 あれが効いたら、最低でも9~10時間くらいは目覚めないはずなのに……。どうなってるの……!?

今日の・・・彼女の歯にはその手の効果を打ち消すものが仕込まれていて、それによって無効化されていたのさ。つまりずっと眠っているお芝居をしていたから、あのように素早く動けたんだよ」
「打ち消す!? そんなことが可能なの……!?」
「可能だから、こうなっているんだろう? マルグリット。世の中にはね、君が知らないことが滂沱に存在しているのさ」

 この女は――この女の家自体が変装潜入のスペシャリストで、それらに必要な知識を大量に持っていて……。他にも自白剤や毒など、様々なものを中和できるらしい……。

「君達のような人間は、追い詰められたらあの手この手で逃走を試みると相場が決まっている。そこで罪に問えるようにしつつ、確実に取り押さえられる状況も作っていたんだよ」
「ぐぅぅぅぅぅぅ……! ここもっ、全部でっ、踊らされていたんだんて……!! こんなの反則よっ!! ズルいわ!! 卑怯よ!! この性悪がぁあああ!!」
「そうだね、僕は卑怯で性悪な男だね。そんな僕だから君達に隠れて、もう一つ秘密の行動を取っていたんだよ。それをこれから――明かそうとしたけど、そんな暇はなさそうだね」

 クロードが喋っているともう一台馬車がやって来て、制服姿の人間が5人降りてきた。
 あの白い制服は、治安機関のもの。わたし達を捕まえるために、やって来たんだ……。

「君達の目的は、よく分かっていたからね。すぐ出動できるよう各部署に依頼していて、停車する直前に伝書鳩で連絡をしていたのさ。だけど到着が思った以上に早くて、先に説明をして驚かせられなくなってしまったよ」

 そんな腹の立つ解説を聞いている間にわたしは――わたし達は5人に囲まれてしまって、絶対に逃走ができない状態になってしまった。
 なので、もうお仕舞。
 わたしは抵抗を諦め、素直に負けを認め――

 はしない。

 きっと、激しい怒りがそうさせたんだと思う。わたしの頭脳が、土壇場で名案が弾き出した。

(((ふふふ、いいことを思い付いた。三度目の正直っ、今度こそうまくいく……! これを使えば、逆転も夢じゃない……!))

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