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10話 エリスの最後の願い(1)
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「ワルツ殿。こちらでよろしいのでしょうか?」
「『うん、ありがとう。この洞窟に用があったの』」
私達はあれから2時間ほど道を進み、山間部にやってきました。
ここの雰囲気や地形は先日訪れたヴァリンに似ていますが、位置する場所は南と北で大違い。そして同じく存在していた洞窟も同様に違っていて、
『『『『『シャァァァァァ……!』』』』』
入り口付近には大量のヘビがいて、全員がこちらを威嚇してきています。
「『毒ヘビ達は、ここを守護してくれている番人よ。ちゃんとした手順を踏めば襲ってこないから安心して』」
私は懐かしげに目を細め、「いつもありがとう」と挨拶。穏やかな笑顔を作るとその場で不思議な歌を歌い、それが終わると内外を埋め尽くしていたヘビさん達は森に消えていきました。
「『今のは出入りの「鍵」で、もう一度唱えるまで離れていてくれるの。入っても平気だから、ついてきて』」
「……ワルツ殿。ここは――」
「『いいから、早く来て。岩の隙間から光が入ってきてて視界はそれなりに良好だから、そのままでも問題ないわ』」
エリスは意図的に遮り、話題を変えて進みます。
真っすぐ、右、もう一度真っすぐ、右、左、左。複雑に入り組む道を4分くらい歩いてゆき、やがて大きな扉の前に着きました。
「『ここに罠の類はないから、安心して。さあどうぞ』」
高さ2メートルはある両開きの扉を両手で押し、ギギギっという音と共に視界が開けてゆきます。
木製の扉の先にあったのは、広々とした空間。そして、その中央には――
「………………」
クロードさんが思わず言葉を失ってしまうほどの大きさを誇る、金塊がありました。
エリス曰く約100キロある、純金の塊。これは、そうです。彼女達が命を懸けて守り抜いた、一族の秘宝なのです。
「『うん、ありがとう。この洞窟に用があったの』」
私達はあれから2時間ほど道を進み、山間部にやってきました。
ここの雰囲気や地形は先日訪れたヴァリンに似ていますが、位置する場所は南と北で大違い。そして同じく存在していた洞窟も同様に違っていて、
『『『『『シャァァァァァ……!』』』』』
入り口付近には大量のヘビがいて、全員がこちらを威嚇してきています。
「『毒ヘビ達は、ここを守護してくれている番人よ。ちゃんとした手順を踏めば襲ってこないから安心して』」
私は懐かしげに目を細め、「いつもありがとう」と挨拶。穏やかな笑顔を作るとその場で不思議な歌を歌い、それが終わると内外を埋め尽くしていたヘビさん達は森に消えていきました。
「『今のは出入りの「鍵」で、もう一度唱えるまで離れていてくれるの。入っても平気だから、ついてきて』」
「……ワルツ殿。ここは――」
「『いいから、早く来て。岩の隙間から光が入ってきてて視界はそれなりに良好だから、そのままでも問題ないわ』」
エリスは意図的に遮り、話題を変えて進みます。
真っすぐ、右、もう一度真っすぐ、右、左、左。複雑に入り組む道を4分くらい歩いてゆき、やがて大きな扉の前に着きました。
「『ここに罠の類はないから、安心して。さあどうぞ』」
高さ2メートルはある両開きの扉を両手で押し、ギギギっという音と共に視界が開けてゆきます。
木製の扉の先にあったのは、広々とした空間。そして、その中央には――
「………………」
クロードさんが思わず言葉を失ってしまうほどの大きさを誇る、金塊がありました。
エリス曰く約100キロある、純金の塊。これは、そうです。彼女達が命を懸けて守り抜いた、一族の秘宝なのです。
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