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第4話 全てを知ったジョゼットは ジョゼット視点(1)
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「……………………」
リオネル様から事情を伝えられたわたくしは、その情報量の多さに呆然となってしまっていた。
こんなことが……。こんなことが…………あった、だなんて……。
「リオネル様は、一週間前からご存じだった……。今夜に何が起きるか知っていて、お芝居をしていた……」
「ああ、そうだ。カロリーヌの頼みで、チャンスを与えていたのさ」
チャンス……。そういえば、さっき……。そんなことを、仰られていた……。
「そ、そちらは、なんなんですの……? カロリーヌは、なにを頼んだんですの……?」
「彼女の望みは、ギリギリまで待って欲しい、というもの。お前の改心を願っていたんだ」
すんでのところで自らの行いに気付き、作戦を中止にして欲しい――。あの女は、そう思っていた……。
だから、あの時胸の前で手を組んでいた…………。
「だがお前はそんな想いに気付かず、嬉々として前進してしまった。これ以上は許容できないと俺が判断し、こうして種明かしを始めたんだよ」
「お、想いに気付かずっ……!? そっ、そんなの当たり前ですわっ!! 何も口にしていないのだから気が付くはずがありませんわっ!! 言ってくれたら中止にしたかもしれない――いいえっ、絶対にしていたのに!! なんで言ってくれませんの!?」
わたくしは超能力者じゃない!! 内心を読み取るだなんてできるはずがありませんわっっ!
『『『『『『………………』』』』』
『『『『『『………………』』』』』
「なっ、なんなんですのその呆れ顔は!! あっ、貴方達だって同じですわよ!!」
気の毒な人を見てしまっている――。そう言いたげな表情をしている参加者達に睨みつけ、そのあと6人の裏切り者を睨みつけたっ。
「だいたいねっ! わたくしが話を持ち掛けた際にっ、周りにどう思われているかを教えてくれていたらストップしてたのよ!! どうしてなの!? どうして成功しないと分かっているのに黙っていたの!?」
「「「「「「…………………」」」」」」
「おっ、お前達までなんなのよその顔は!! 何か言いなさいよ!! 言いなさいよっっ!!」
「彼らもまた、あまりの言動に言葉を失っているんだ。……お前のようなものと、これ以上話すことはない。終演の時間だ」
え? リオネル様がパチンと指を鳴らすと――えっ!? 大柄な男が2人現れて、わたくしはあっという間に拘束されてしまった!?
リオネル様から事情を伝えられたわたくしは、その情報量の多さに呆然となってしまっていた。
こんなことが……。こんなことが…………あった、だなんて……。
「リオネル様は、一週間前からご存じだった……。今夜に何が起きるか知っていて、お芝居をしていた……」
「ああ、そうだ。カロリーヌの頼みで、チャンスを与えていたのさ」
チャンス……。そういえば、さっき……。そんなことを、仰られていた……。
「そ、そちらは、なんなんですの……? カロリーヌは、なにを頼んだんですの……?」
「彼女の望みは、ギリギリまで待って欲しい、というもの。お前の改心を願っていたんだ」
すんでのところで自らの行いに気付き、作戦を中止にして欲しい――。あの女は、そう思っていた……。
だから、あの時胸の前で手を組んでいた…………。
「だがお前はそんな想いに気付かず、嬉々として前進してしまった。これ以上は許容できないと俺が判断し、こうして種明かしを始めたんだよ」
「お、想いに気付かずっ……!? そっ、そんなの当たり前ですわっ!! 何も口にしていないのだから気が付くはずがありませんわっ!! 言ってくれたら中止にしたかもしれない――いいえっ、絶対にしていたのに!! なんで言ってくれませんの!?」
わたくしは超能力者じゃない!! 内心を読み取るだなんてできるはずがありませんわっっ!
『『『『『『………………』』』』』
『『『『『『………………』』』』』
「なっ、なんなんですのその呆れ顔は!! あっ、貴方達だって同じですわよ!!」
気の毒な人を見てしまっている――。そう言いたげな表情をしている参加者達に睨みつけ、そのあと6人の裏切り者を睨みつけたっ。
「だいたいねっ! わたくしが話を持ち掛けた際にっ、周りにどう思われているかを教えてくれていたらストップしてたのよ!! どうしてなの!? どうして成功しないと分かっているのに黙っていたの!?」
「「「「「「…………………」」」」」」
「おっ、お前達までなんなのよその顔は!! 何か言いなさいよ!! 言いなさいよっっ!!」
「彼らもまた、あまりの言動に言葉を失っているんだ。……お前のようなものと、これ以上話すことはない。終演の時間だ」
え? リオネル様がパチンと指を鳴らすと――えっ!? 大柄な男が2人現れて、わたくしはあっという間に拘束されてしまった!?
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