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8話(5)
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「まったく、用心しろと釘を刺しておいたのに。困った幼馴染だ」
「ぇ……? ぁれ……? どうして、ティルがここにいるの……?」
さっきまで反対側で、魔術をぶけてたのに。なんで私は、お姫様抱っこをされてるの……?
「奴の再生が始まった直後に周囲を目視し、先のハプニングを予想した。頭にあった問題の対処など容易いものだ」
「で、でも、あの距離よ……? 短い時間でどうやって来れたの……?」
「風の魔術の出力を弱め、自分の背中にぶつけた。文字通り飛んできたのさ」
驚きで気付かなかったけれど、ティルの額には大粒の汗が浮かんでいる。これは運動によるものじゃなくて、痛みによるもの。走ると間に合わないから、無理をして来てくれたんだ……。
「ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
「相手はいつまでも待ってくれない。独りで立てるか?」
「頭が真っ白になっちゃってたけど、平気よ。ティルが助けてくれたんだもの」
親指の腹で涙を拭ってもらった私は、降りて剣を握り締める。
さっきまであった色々なマイナスな感情は、全部消えた。もう大丈夫。
「その顔を見れて、安心した。……とはいえ、この状況は全く安心できないな」
「固い鱗持ちで、超速再生のオプション付き。だもんね」
面倒なものは、一つではなく二つ。今までで一番厄介な相手だわ。
「ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァ!!」
「斬っても再生されたら、意味がない。こればかりは、打つ手が浮かばないぞ」
「そうね。昨日までの私だったら、打つ手がなかったわ」
私は少し含み笑い、腰の右側に携えていた剣を抜いた。
「それは。前日に購入した、やけに高価だった剣だな」
「そっ。対魔物用の奥の手として買っておいた、剣よ」
もしも私達の想定を上回ることが起きた場合。ソレに備えて用意したもの。
ティルがそうしてくれたみたいに、相手の不意を完全につけるように。あえて詳しく話していない、特別な力が宿った剣だ。
「ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「説明している時間はないから、見て確かめて。そんでもって、私を信じて頂戴」
「俺の幼馴染は無謀なところがあるが、馬鹿ではないからな。信じるさ」
ティルは私の頭にポンと手を載せてくれて、そのあとその手を逆さにした。
「となれば再び注意を引き付ける必要があり、そうするには俺も切断並みのダメージを与えないといけない。そのためには『祝福』を付与した短剣が必要不可欠だ」
「そうね。ありったけ持ってって」
大急ぎで3つの短剣に恵みを与え、渡すとティルはすぐ走り出してくれた。
今もさっきも、ありがとね。今度こそ、私に任せておいて!
「ぇ……? ぁれ……? どうして、ティルがここにいるの……?」
さっきまで反対側で、魔術をぶけてたのに。なんで私は、お姫様抱っこをされてるの……?
「奴の再生が始まった直後に周囲を目視し、先のハプニングを予想した。頭にあった問題の対処など容易いものだ」
「で、でも、あの距離よ……? 短い時間でどうやって来れたの……?」
「風の魔術の出力を弱め、自分の背中にぶつけた。文字通り飛んできたのさ」
驚きで気付かなかったけれど、ティルの額には大粒の汗が浮かんでいる。これは運動によるものじゃなくて、痛みによるもの。走ると間に合わないから、無理をして来てくれたんだ……。
「ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
「相手はいつまでも待ってくれない。独りで立てるか?」
「頭が真っ白になっちゃってたけど、平気よ。ティルが助けてくれたんだもの」
親指の腹で涙を拭ってもらった私は、降りて剣を握り締める。
さっきまであった色々なマイナスな感情は、全部消えた。もう大丈夫。
「その顔を見れて、安心した。……とはいえ、この状況は全く安心できないな」
「固い鱗持ちで、超速再生のオプション付き。だもんね」
面倒なものは、一つではなく二つ。今までで一番厄介な相手だわ。
「ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァ!!」
「斬っても再生されたら、意味がない。こればかりは、打つ手が浮かばないぞ」
「そうね。昨日までの私だったら、打つ手がなかったわ」
私は少し含み笑い、腰の右側に携えていた剣を抜いた。
「それは。前日に購入した、やけに高価だった剣だな」
「そっ。対魔物用の奥の手として買っておいた、剣よ」
もしも私達の想定を上回ることが起きた場合。ソレに備えて用意したもの。
ティルがそうしてくれたみたいに、相手の不意を完全につけるように。あえて詳しく話していない、特別な力が宿った剣だ。
「ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「説明している時間はないから、見て確かめて。そんでもって、私を信じて頂戴」
「俺の幼馴染は無謀なところがあるが、馬鹿ではないからな。信じるさ」
ティルは私の頭にポンと手を載せてくれて、そのあとその手を逆さにした。
「となれば再び注意を引き付ける必要があり、そうするには俺も切断並みのダメージを与えないといけない。そのためには『祝福』を付与した短剣が必要不可欠だ」
「そうね。ありったけ持ってって」
大急ぎで3つの短剣に恵みを与え、渡すとティルはすぐ走り出してくれた。
今もさっきも、ありがとね。今度こそ、私に任せておいて!
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