勇者になった幼馴染に婚約破棄された上に追放されたので、英雄になってざまぁしようと思います

柚木ゆず

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第2章

7話(5)

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「まっ、待ってくれ! 参った! 降参だ!」

 コイツは謝っても許される生き物じゃない。
 だから私は、止まらない。

「元王族なら、何かあって追放されたのだろう!? 優秀な頭脳があればソイツらへの復讐も可能だっ! オレを仲間にしてくれ!」

 ウチにはすでに、優秀な頭脳がある。
 だから私は、止まらない。

「まっ、魔物の情報を提供するっ! 大魔王様や他の魔王に関しては『制約』があって深く他言できないが、それ以外なら何でも話すっ! 魔物の情報を欲しいだろうっ!?」

 大魔王と魔王の情報が手に入らないなら、意味はない。
 だから私は、止まらない。

「そっ、そうだっ! オレが大魔王様に進言する! オレ達と共に、この世界を支配しないかっ!?」

 そのやり方じゃ、ノルスのプライドをズタボロにできない。
 だから私は、止まらない。
 だから私は両腕を振り上げ、斬る準備を始めた。

「こっ、ここでオレを倒したら、大魔王様が黙っていない! 大魔王様は、魔王が足元にも及ばない程お強いお方なんだっ!! 無残に死んでもいいのかっ!?」
「……無残に死ぬことなんて、有り得ないわ。アンタの親玉は、私達がぶっ殺すんだからね」
「だっ、大魔王様をだとっ!? 無理だっ! 不可能だっ!!」
「相手がどんなヤツでも関係なくて、やると言ったらやるのよ。大魔王討伐が無理かどうか、あの世で見てなさいっっ!!」

 力を込めた両腕で、上から下へと一閃。異常な鋭さを持った剣が、楽々闇色の肉体を切り裂いた。

「そ、んな……。こ、の、オレが……。こうもあっさり、やられる、なんて……」
「どんな相手でも力でねじ伏せる、それが私のやり方よ。最期に覚えておきなさい」
「…………だ、だい、まおう、さま……。きょういとなりうる、おんなが、おり、ます……。どうか、おきをつけて――………………」

 真っ二つにされても喋っていたゲーランは、主への言葉を紡ぎながら沈黙。ナルセイとメイクスで猛威を振るった――これまで多くの犠牲をもたらしてきた魔王は、大きな大きな魔石となったのでした。
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