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エピローグ

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「シャルロッテ姉さん、兄様。おめでとうっ!」
「会長、ユネミスさん。おめでとうございますっ」

 あの日から一か月後の、午後七時。お城で挙式が始まり、私達は王太子のアロイス様やモリワール様――大勢の皆さんから、祝福の言葉を頂きました。

『ノルベルトさまっ。おめでとうございますっ!』
『あたし達は気にしてませんからっ。遠慮なく幸せになってくださいねっ!』

 こういったお言葉を送ってくださっているのは、魅了されていた方々。ノルベルト様の日ごろの態度と事後の真摯な行動を評価してくださり、どなたも結婚を歓迎してくださっています。

「…………。皆様、ありがとうございます。ありがとうございます……っ」
「私からも、言わせていただきます。皆様、ありがとうございます」

 私達は揃ってお辞儀をして、王族形式の式が進んでいきます。
 まずは式場にある歴代国王の肖像画に挨拶を行い、それが済むと現国王様にご挨拶。そうして改めて結婚の報告を行い、承認を得たら国王様が頭上にある金色の鐘をゆっくりと鳴らし始めます。
 これが7回鳴り終わったあとキスを行えば、王族形式の儀式はお仕舞い。私達は夫婦になります。

「…………シャルロッテ。助けてくれてありがとう」

 向かい合った状態で鐘の音(ね)を聞いていたら、正面にあった口元が緩みました。

「無意識的に出てしまった感情を――あの時の顔を見てくれていなかったら、僕は勘違いをしたままだった。あんな事を言った僕を想い続けてくれていて、ありがとう」
「ノルベルト様が普段温かく優しい人だったから、不自然に感じて目で追い続けたんです。貴方が大事にしてくださっていたからこそ、出来たことですよ」

 魅了された方と、私も同じ。御自身の行いが、この結果になっているんですよね。

「それに私達はお互いが、相手を運命の人と感じているんです。ちょっとやそっとじゃ関係は壊れるはずがなく、これは必然ですよ」
「…………うん、そうだね。その事実は、二度と忘れないよ」

 ノルベルト様が強く顎を引き、そうすると丁度、7回目の鐘が鳴り終わりました。
 ですので、はい。式の最後であり最大のイベントを行うため、私達は両手の指を絡めあいます。

「シャルロッテ、愛してる……っ。好きだ。大好きだよ……っ」
「私も、です……っ。ノルベルト様、大好きです……っ」

 お互いの目を見つめながら唇を重ね、くっついた瞬間大歓声が沸き上がります。
 この瞬間私達は『恋人』から『夫婦』になって、

「シャルロッテ……」
「はい。ノルベルト様……」

 もう一度、キス。今度は家族としてお互いを感じ合い、私達の新たな時間が始まったのでした――。

















 後日(明日か明後日より)番外編を投稿させていただきます。
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