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第7話 今度は奪い取る側に アルチュール視点(1)
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「ヴィルジニー……」
「アルチュール様……!? ど、どうなされたのですか……!?」
「実は今朝、父上のコレクションをうっかり壊してしまってね……。バレてしまったら、大変なことになってしまうんだよ……」
「まあ……。そうなのですか……」
「…………最愛の人にこんなことをお願いするのは、情けない……。けど、自分の力ではどうしようもないから……。お願いさせてもらいます……。300万リーバルを貸して、ください……」
「お任せくださいっ。アルチュール様のためなら、喜んで協力させていただきますわ!」
「あ、ありがとう……。ありがとう……! 恩に着るよ……! 必ず、必ずいつか返すからね」
「いいえ、そちらは不要ですわ。だって、わたくし達は夫婦になるんですもの。ウチの――わたくしのお金は、アルチュール様のお金のようなものですわ」
「! ヴィルジニー……!」
コイツは俺の正体、目的を知らない。
だから、こんな風に金を奪ったり――
「ヴィルジニー……」
「アルチュール様……!? どうされたのです!?」
「信頼していた使用人が、骨董品を盗んで蒸発してしまってね……。盗まれたものをみつけられたものの、額が額で買い戻せなくて……。その……」
「お任せください! いくらご用意すればよろしいのですか?」
「…………全部合わせて、600万リーバル……。あれば、買い戻せるんだ……」
「承知いたしました。お父様に頼んで用意してもらいますわ」
「助かるよ……。必ず、お返しするから……」
「以前も申し上げましたが、不要ですわ。だってわたくし達は、いずれ夫婦になるのですから」
「! ヴィルジニー……!」
――このように、金を奪ったり。
俺を運命の相手だと思い込んで深く愛している&父親は大の親バカという最高の条件が重なり、ポンポンと面白いように成功。10か月が経つ頃にはなんと5600万リーバルもの額が手に入ったのだった。
((しかも当主から骨董品を3点もらっていて、そいつを合わせると1億リーヴァルに迫る。この辺りにしておくか))
もちろん、まだまだ奪いたい気持ちはある。だがあまり待たせると、ミシュリーヌに婚約話が出てくる危険性がある。あの手紙があったとしても、だ。
そこで俺は、復讐を次のステップへと移すことにして――
「アルチュール様……!? ど、どうなされたのですか……!?」
「実は今朝、父上のコレクションをうっかり壊してしまってね……。バレてしまったら、大変なことになってしまうんだよ……」
「まあ……。そうなのですか……」
「…………最愛の人にこんなことをお願いするのは、情けない……。けど、自分の力ではどうしようもないから……。お願いさせてもらいます……。300万リーバルを貸して、ください……」
「お任せくださいっ。アルチュール様のためなら、喜んで協力させていただきますわ!」
「あ、ありがとう……。ありがとう……! 恩に着るよ……! 必ず、必ずいつか返すからね」
「いいえ、そちらは不要ですわ。だって、わたくし達は夫婦になるんですもの。ウチの――わたくしのお金は、アルチュール様のお金のようなものですわ」
「! ヴィルジニー……!」
コイツは俺の正体、目的を知らない。
だから、こんな風に金を奪ったり――
「ヴィルジニー……」
「アルチュール様……!? どうされたのです!?」
「信頼していた使用人が、骨董品を盗んで蒸発してしまってね……。盗まれたものをみつけられたものの、額が額で買い戻せなくて……。その……」
「お任せください! いくらご用意すればよろしいのですか?」
「…………全部合わせて、600万リーバル……。あれば、買い戻せるんだ……」
「承知いたしました。お父様に頼んで用意してもらいますわ」
「助かるよ……。必ず、お返しするから……」
「以前も申し上げましたが、不要ですわ。だってわたくし達は、いずれ夫婦になるのですから」
「! ヴィルジニー……!」
――このように、金を奪ったり。
俺を運命の相手だと思い込んで深く愛している&父親は大の親バカという最高の条件が重なり、ポンポンと面白いように成功。10か月が経つ頃にはなんと5600万リーバルもの額が手に入ったのだった。
((しかも当主から骨董品を3点もらっていて、そいつを合わせると1億リーヴァルに迫る。この辺りにしておくか))
もちろん、まだまだ奪いたい気持ちはある。だがあまり待たせると、ミシュリーヌに婚約話が出てくる危険性がある。あの手紙があったとしても、だ。
そこで俺は、復讐を次のステップへと移すことにして――
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