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第12話 現世での末路は~ヴィルジニーの場合~ 俯瞰視点(1)
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「ふふふふふ。くふふふふ。あはははは。あーはっはっはっは!!」
曇り空の下を颯爽と走る、ザストール子爵家所有の馬車。その中ではミレーユことヴィルジニーが、ワイングラスを掲げながら大笑いしていました。
異常なほどに上機嫌な理由はもちろん、復讐を果たせたから。
3年間たっぷり労働させた上に無人島送りにできたため、彼女の体内は喜びで満ち溢れていたのでした。
「解放されると思って一生懸命頑張ってたのに、残念だったわねぇ~! アンタを待ってるのは幸せじゃなくて、更なる不幸なのよ!」
完全自給自足の生活。
あの頃の自分以上に不安や孤独と戦わざる得ない状況であり、酷い食事が待っている状況。
それらの中に怨敵を落せたことが嬉しくてたまらず、再び車内にはヴィルジニーの笑い声が響き渡りました。
「あの生活はねえ、本当に苦しいの。たっぷりと楽しんで頂戴ねぇ。わたくしはアンタと真逆の人生を歩みながら、幸せを応援しているわ」
あれから3年。ヴィルジニーは新たな恋人ができ、現在はその相手と夫婦になっています。
夫は顔も性格も良い上に、伯爵家の次期当主。
すべてにおいてヴィルジニーを満足させるものを持っていて、そんな人と過ごす日々は当然楽しくて仕方がない。これまで経験してきた『楽しかったこと』や『嬉しかったこと』を思い出し、みたび大笑いをしました。
「ブリュノ。アンタが苦しんでいる間に、わたくしは沢山の幸せを得てきましたの。これからも、どんどん幸せを手に入れていくの。……羨ましい? 羨ましいでしょう? 欲しいでしょう? 変わって欲しいでしょう? い・や。変わってあげない」
わざわざ後方を――アルチュールが居る方向へと首を捻って嫌味たらしく舌を出し、ごくりとワインを飲みます。
「かつては膨大な不幸をもたらしたこの飲み物も、現世では勝利を祝福してくれる最高の美酒となる。あははははははは! あはははははははははっ! 素晴らしいっ! 素晴らしいわっ!!」
かつてとは、なにもかもが違う現状。それを改めて感じながらはや四度目となる大笑いを行い、現在の最愛の人である夫ザックスが待つ屋敷へと馬車を走らせます。
「あはははは!! あははははははは!!」
「あーっはっはっは!! あーっはっはっはっはっは!!」
などなど。
その後もヴィルジニーは何度も何度も大笑いを繰り返し、上機嫌のままお屋敷に着いたのですが――。
「……………………」
目的地に着いてまもなく、そんなヴィルジニーの顔から笑顔が消えることとなるのでした。
なぜならば――
曇り空の下を颯爽と走る、ザストール子爵家所有の馬車。その中ではミレーユことヴィルジニーが、ワイングラスを掲げながら大笑いしていました。
異常なほどに上機嫌な理由はもちろん、復讐を果たせたから。
3年間たっぷり労働させた上に無人島送りにできたため、彼女の体内は喜びで満ち溢れていたのでした。
「解放されると思って一生懸命頑張ってたのに、残念だったわねぇ~! アンタを待ってるのは幸せじゃなくて、更なる不幸なのよ!」
完全自給自足の生活。
あの頃の自分以上に不安や孤独と戦わざる得ない状況であり、酷い食事が待っている状況。
それらの中に怨敵を落せたことが嬉しくてたまらず、再び車内にはヴィルジニーの笑い声が響き渡りました。
「あの生活はねえ、本当に苦しいの。たっぷりと楽しんで頂戴ねぇ。わたくしはアンタと真逆の人生を歩みながら、幸せを応援しているわ」
あれから3年。ヴィルジニーは新たな恋人ができ、現在はその相手と夫婦になっています。
夫は顔も性格も良い上に、伯爵家の次期当主。
すべてにおいてヴィルジニーを満足させるものを持っていて、そんな人と過ごす日々は当然楽しくて仕方がない。これまで経験してきた『楽しかったこと』や『嬉しかったこと』を思い出し、みたび大笑いをしました。
「ブリュノ。アンタが苦しんでいる間に、わたくしは沢山の幸せを得てきましたの。これからも、どんどん幸せを手に入れていくの。……羨ましい? 羨ましいでしょう? 欲しいでしょう? 変わって欲しいでしょう? い・や。変わってあげない」
わざわざ後方を――アルチュールが居る方向へと首を捻って嫌味たらしく舌を出し、ごくりとワインを飲みます。
「かつては膨大な不幸をもたらしたこの飲み物も、現世では勝利を祝福してくれる最高の美酒となる。あははははははは! あはははははははははっ! 素晴らしいっ! 素晴らしいわっ!!」
かつてとは、なにもかもが違う現状。それを改めて感じながらはや四度目となる大笑いを行い、現在の最愛の人である夫ザックスが待つ屋敷へと馬車を走らせます。
「あはははは!! あははははははは!!」
「あーっはっはっは!! あーっはっはっはっはっは!!」
などなど。
その後もヴィルジニーは何度も何度も大笑いを繰り返し、上機嫌のままお屋敷に着いたのですが――。
「……………………」
目的地に着いてまもなく、そんなヴィルジニーの顔から笑顔が消えることとなるのでした。
なぜならば――
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