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第3話 ふたりの11年間 俯瞰視点(2)
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「アイディア? なんですの?」
「それはな――。店舗を増やそうと思っているんだ!」
経営を始めて7年。今やすっかり『テラ&ヴェロ』は人気店で、そんな店の2号店3号店が出来たらそっちにも飛びつくに決まっている。
そんな理由でテランスは提案をし、ヴェロニクは即座に同意。反対する者がいないためすぐさまその計画は着手され、国内に一気に3店舗ニューオープンすることとなりました。
「ふふふ。利益は3倍になる!」
「うふふ。ますますお金持ちになりますわ。そろそろ、お屋敷にだって住めるようになりますわね」
「その日も近いだろうな。我々は更に上にステップへとゆく!!」
自信満々で満面の笑みを浮かべる、テランスとヴェロニク。そんな2人は、まだ知りませんでした。
利益が3倍になる日も、お屋敷に住めるようになる日も、どちらも訪れないことを。
「…………どういうことだ……? なぜ売り上げが減っている……!?」
「全ての店舗の売り上げが、日に日に減っている……!? な、なぜ……!?」
7年も経つと貴族界ではトレンドが大きく変化していて、それを受けて顧客が望むものも変化する。けれど2人はもう貴族界にはいないため、どうしても最新の流行についていけなくなってしまいます。
しかも同時期に『テラ&ヴェロ』の成功を受けて真似をする店が多数現れ、その影響もあって売り上げは激減。2年経つ頃には全盛期の3分の1以下の売り上げとなり、4つあった店舗は最初の1店舗にまで減ってしまっていました。
「ま、マズイ……。このままじゃ、『テラ&ヴェロ』は完全に終わってしまう……」
「ど、どうしましょう……。どうしたら……」
「…………愛の、力だ。俺達が力を合わせたら、なんだってできる。今まで、ずっとそうだった!」
「はっ、はいっ! そうですね!」
「愛の力で乗り越えられる。そう信じて、一緒に練ろう。打開案を!!」
V字回復させるにはどうすればいいか? 2人は両手の指を絡め合って起死回生の名案を探し始め――
「今はデニッシュが空前のブームだ!」
「デニッシュ専門店を出しましょう!」
――迷走。自分達の後追いをした店が成功したんだから、自分達だって成功できる。起死回生出来る。
そんな考えで大金をはたいて店舗を構え職人を雇い、新規オープンさせるも大失敗。競合店が多すぎたため殆ど見向きをされず、結局多額の損失を生んで閉店する羽目になってしまいました。
「デニッシュはヤメだヤメだ! 別で勝負だ! 今度は流行を先取りしてっ、先駆者になるぞ!」
「庶民向けの本格コーヒー店で勝負しましょう!」
調査の結果コーヒーにブームが来ると確信し、再び出店。かなりの無理をしてこだわり抜いた外装と内装に仕上げ、今回は開店と同時に注目を浴びますが――本格的なコーヒーが庶民の間で流行ることはなく、単純に飽きられて今回もまた閉店を迎えることとなってしまったのえした。
ただし。前回とは違う点があって――
「大変なことに、なってしまった……」
「こんな額……。返済できません……」
――今回は借金をしていて、出店費用を工面していました。
しかもオーナーに拒否をされたため自分達で借金をしなくてはならず、経歴が経歴なため正規の方法では借りられず、一癖も二癖もある人間から借りてしまっていました。
「……3日以内に、最低でも1割を返済できなかったら…………俺達の身が危ない……。ヴェ、ヴェロニクっ!」
「えっ、ええ! そうしましょう!!」
家族に――なんだかかんだ助けてくれるであろう、ロゼーヌとレジスに助けを求めよう――。そんな魂胆で2人は11年ぶりに祖国へと戻り、
「「借金の肩代わりをお願い致します!!」」
懇願を行ったのでした。
「それはな――。店舗を増やそうと思っているんだ!」
経営を始めて7年。今やすっかり『テラ&ヴェロ』は人気店で、そんな店の2号店3号店が出来たらそっちにも飛びつくに決まっている。
そんな理由でテランスは提案をし、ヴェロニクは即座に同意。反対する者がいないためすぐさまその計画は着手され、国内に一気に3店舗ニューオープンすることとなりました。
「ふふふ。利益は3倍になる!」
「うふふ。ますますお金持ちになりますわ。そろそろ、お屋敷にだって住めるようになりますわね」
「その日も近いだろうな。我々は更に上にステップへとゆく!!」
自信満々で満面の笑みを浮かべる、テランスとヴェロニク。そんな2人は、まだ知りませんでした。
利益が3倍になる日も、お屋敷に住めるようになる日も、どちらも訪れないことを。
「…………どういうことだ……? なぜ売り上げが減っている……!?」
「全ての店舗の売り上げが、日に日に減っている……!? な、なぜ……!?」
7年も経つと貴族界ではトレンドが大きく変化していて、それを受けて顧客が望むものも変化する。けれど2人はもう貴族界にはいないため、どうしても最新の流行についていけなくなってしまいます。
しかも同時期に『テラ&ヴェロ』の成功を受けて真似をする店が多数現れ、その影響もあって売り上げは激減。2年経つ頃には全盛期の3分の1以下の売り上げとなり、4つあった店舗は最初の1店舗にまで減ってしまっていました。
「ま、マズイ……。このままじゃ、『テラ&ヴェロ』は完全に終わってしまう……」
「ど、どうしましょう……。どうしたら……」
「…………愛の、力だ。俺達が力を合わせたら、なんだってできる。今まで、ずっとそうだった!」
「はっ、はいっ! そうですね!」
「愛の力で乗り越えられる。そう信じて、一緒に練ろう。打開案を!!」
V字回復させるにはどうすればいいか? 2人は両手の指を絡め合って起死回生の名案を探し始め――
「今はデニッシュが空前のブームだ!」
「デニッシュ専門店を出しましょう!」
――迷走。自分達の後追いをした店が成功したんだから、自分達だって成功できる。起死回生出来る。
そんな考えで大金をはたいて店舗を構え職人を雇い、新規オープンさせるも大失敗。競合店が多すぎたため殆ど見向きをされず、結局多額の損失を生んで閉店する羽目になってしまいました。
「デニッシュはヤメだヤメだ! 別で勝負だ! 今度は流行を先取りしてっ、先駆者になるぞ!」
「庶民向けの本格コーヒー店で勝負しましょう!」
調査の結果コーヒーにブームが来ると確信し、再び出店。かなりの無理をしてこだわり抜いた外装と内装に仕上げ、今回は開店と同時に注目を浴びますが――本格的なコーヒーが庶民の間で流行ることはなく、単純に飽きられて今回もまた閉店を迎えることとなってしまったのえした。
ただし。前回とは違う点があって――
「大変なことに、なってしまった……」
「こんな額……。返済できません……」
――今回は借金をしていて、出店費用を工面していました。
しかもオーナーに拒否をされたため自分達で借金をしなくてはならず、経歴が経歴なため正規の方法では借りられず、一癖も二癖もある人間から借りてしまっていました。
「……3日以内に、最低でも1割を返済できなかったら…………俺達の身が危ない……。ヴェ、ヴェロニクっ!」
「えっ、ええ! そうしましょう!!」
家族に――なんだかかんだ助けてくれるであろう、ロゼーヌとレジスに助けを求めよう――。そんな魂胆で2人は11年ぶりに祖国へと戻り、
「「借金の肩代わりをお願い致します!!」」
懇願を行ったのでした。
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