愛の力があれば何でもできる、11年前にそう言っていましたよね?

柚木ゆず

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第4話 11年間を知って ロゼーヌ視点(1)

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「……呆れた」「……呆れたわ」
 知らなかった11年間の出来事を聞かされたわたし達は、まったく同じタイミングで眉を顰めていました。

 自分達は特別だと言い張って不相応な家を買い、更には選民意識の塊の思考によってビジネスを始める。それらを全て、盗んだもので行っていた。
 事業に失敗してもなお地道な生活を拒否し、後先考えず次に飛びついた。
 2度目の失敗を経験しても懲りず、また無謀な冒険をして借金を作ってしまった。
 しかもその借金は、まともな世界に生きてはいない人間からしていた。
 それによって自分達ではどうしようもなくなり、助けを求めて来ていた。

 信じられない行動のオンパレード。あまりにも愚かで、聞いているだけで頭が痛くなりました。

「あの頃は、駆け落ちの時と同じくまだ若く……。俺達は、調子に乗ってしまっていたんです……」
「その時期に運よく成功してしまって、自分達なら何でもできる、と思い込んでしまいました……。最初に失敗していたらこんなことにならなかったのですが……。成功してしまって、こんなことになってしまいました……」

 また、言い訳です。
 あのような特別視や見下しは、年齢のせいではないのですが……。言っても無駄ですね。その点には触れず、話を進めましょう。

「言いたいことは分かりました。それで兄さん、いったいくら借金をしているんです?」

 さっきああ言っていたように、こんな人でも家族。わたしにとっては唯一の妹で、レジスさんにとっては唯一の兄です。
 手を差し伸べるべきではないと承知しつつも、わたし達は視線を向けました。

「住居など売れるものを全てを売却して、ある程度は減らせていて……。…………延滞による利息込みで……。必要なのは、3500万バルーズです」
「「3500万……」」

 両国の通貨の価値はほぼ同じで、土地付きの一戸建てを二棟買える額。言うまでもなく、わたし達にとっても大きなお金です。

「返済の遅延による利息が、とにかく法外なんです……」
「私達は返せると確信してしまっていて、手を出してしまって……。反省、しています……」
「これ以上はもう待ってもらえない段階まで来てしまっているんです! お願いしますっっ! 助けてください!!」
「お願いします!! お願いしますっ!! お助けを……!!」
「………………ロゼーヌ、相談をしたい。こっちに来てもらえるかな?」
「はい。……ヴェロニク、テランスさん。ここで待っていてください」

 この反応。ここでも、わたし達は同じことを考えているみたいです。
 レジスさんに続いて部屋を出て、決して盗み聞きが出来ない場所まで離れて――


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