愛の力があれば何でもできる、11年前にそう言っていましたよね?

柚木ゆず

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第10話 天国ではなく地獄の始まりだった 俯瞰視点

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「だっ、騙しやがったな!!」
「よくも騙したわね!! お前もっ、お前もっ、お前も!!」

 借金の依頼を行った際から始まっていた計画。それらを知ったテランスとヴェロニクは目を血走らせますが、返って来たのは3つの嗤いでした。

「騙すような人間に頼みに来る方が悪いんだよ」
「それに事業を成功させてたら、なにも起きてなかったんだ。自分のせいじゃねえか」
「もうひとつ。あの夜逃げなかったら私とも出会っていなかったし、罰が上乗せされることもなかったのです。なにもかも自業自得ですよ」

 謙虚な人生を選択していたら、今頃平和に暮らせていた。すべて、テランスとヴェロニクが自ら招いたことでした。

「違う! 違う!! 悪いのはお前らだ!!」
「そうよ!! 私達は嵌められた! 陥れられたのよ!!」

 それでも2人は相変わらず原因の根源を理解できず、更に喚き始めました。

「神よっ、この理不尽からお助けてください……! どうか、この者たちに天罰を……!!」
「このままでは大変な目に遭ってしまいます!! お助けを……!!」
「あまりに卑怯っ! 非人道的!! こんな不条理っ、あってはなりません!!」
「神のお裁きを!! 遠慮なんて要りません!! この場で悪しき者達の息の根を止めてくだむご!?」
「はー、うるせえヤツらだ。黙ってろや」

 ジルズとしてはナイフで軽く切って大人しくさせたいところでしたが、傷がつくと2人の価値が下がりかねません。そこで部下たちに口を塞がせ、顎をしゃくりました。

「この国でやるべきことは、もう終わった。連れていけ」
「もがぁああああ!! もがあああああああ!! もがあああああ!!」
「むがあああああ!! むうううううううう!! むがあああああ!!」
「どんなに腹が立っても、手を出すな。我慢しとけよ」
「「「「「はっ!」」」」」
「もがあああああああああああああ!!」「むがあああああああああああああああああ!!」

 テランスとヴェロニクは必死に抵抗しますが、この人数に敵うはずがありません。

「もがああああああああ!!」((いやだ! いやだぁあ!! いやだぁあああああ!!))
「むがああああああああ!!」((いやぁ! いやぁああ!! いやあああああああ!!))
「もがああああああああああああ!!」((レジス!! レジスぅ!! 助けてくれええええっ! 悪かった!! 今度こそちゃんと反省するから!! たすけてくれええええええええええ!!))
「むがああああああああああああああ!!」((お姉様ぁぁああ!! ロゼーヌおねえさまぁああ!! たすけて!! たすけええええええ!! 謝るからっ、どうにかしてえええええ!!))

 必死になって自分の家族に助けを求めますが、その声が届くことは決してありません。2人は乱暴に家から引きずり出されて、同じく乱暴に馬車に放り込まれて――







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