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第18話 リッダジア家の震撼 俯瞰視点(3)
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「ま、まさか……。まさか……」
「1年間で解放されるのは……。その時には……。我々が……」
「さようでございます。すでに貴方がたは生まれ変わられているため、わざわざ拘束する必要がない。それが短期間となっている事由でございますよ」
マーティンとアダムの嫌な予感は、的中。使者ルークの微笑みを目にした2人は、あっという間に青ざめてしまいました。
「反省は見かけだけ。喉元を過ぎ去ればすぐ、事の重大さを忘れてしまう。貴方がたは典型的な、悪しき者でございますね」
「「………………」」
「そんな存在はこの国はおろかこの世界にとって不要ではありますが、それでも労力にはなります。そこで中身を――1年間の『教育』によって思考思想を塗り替え、忠実かつ真面目な労働力となっていただくのですよ」
少しでも人々の負担を減らすため。悪しき感情を秘めている存在達への、見せしめとするため。
この国ではそういった方法の研究を行っており、つい先日完成していたのです。
「マーティン、アダム。このプログラムが確立していなければ、見せしめとして激しい拷問を受ける羽目になっていたでしょう。貴方様がたは実に運がよろしいですね」
「う、運がいい……!? よくないっ! よくないっっ!!」
「一年で思考思想を塗り替える!? それがまともなやり方なはずがない!! どこが運がいいというんだぁぁ……!!」
「まともなやり方ではない、確かにそうですね。地獄と思える時間が、待っているのでしょうね」
悪人を、人畜無害な善人にする。それは簡単にできることではなく、これから彼らは絶叫を繰り返す羽目になります。
「ですがそれでも、生きているのです。しかも一年後には、お二人自身が『やりたい』と思うことを毎日行えるようになるのですよ? 素晴らしいことではありませんか」
「そっ、それはぁっ!! そっ、そっちがそう思い込ませているだけだろぉぉ!!」
「我々はっ、思っていない!! そんな人間になりたくないっ!!」
「「いやだっ!! いやだぁああああああああああああ!!」」
マーティンとアダムは泣き叫びますが、彼らは大きな罪を犯した者達。その切願が聞き入れられることはなく、建物内への連行が始まりました。
「おっ、お願いします!! もっ、もう心を入れ替えていますからっ!! 忠実でっ、真面目な労働力になりますからっ!!」
「やめてくださいっ!! 他の刑ならっ、喜んで受けますので!! それだけはおゆるしぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
当然そんな訴えも、認められるはずがありません。
そのためやがて2人は、分厚い鉄の扉の向こうへと消えて――
「1年間で解放されるのは……。その時には……。我々が……」
「さようでございます。すでに貴方がたは生まれ変わられているため、わざわざ拘束する必要がない。それが短期間となっている事由でございますよ」
マーティンとアダムの嫌な予感は、的中。使者ルークの微笑みを目にした2人は、あっという間に青ざめてしまいました。
「反省は見かけだけ。喉元を過ぎ去ればすぐ、事の重大さを忘れてしまう。貴方がたは典型的な、悪しき者でございますね」
「「………………」」
「そんな存在はこの国はおろかこの世界にとって不要ではありますが、それでも労力にはなります。そこで中身を――1年間の『教育』によって思考思想を塗り替え、忠実かつ真面目な労働力となっていただくのですよ」
少しでも人々の負担を減らすため。悪しき感情を秘めている存在達への、見せしめとするため。
この国ではそういった方法の研究を行っており、つい先日完成していたのです。
「マーティン、アダム。このプログラムが確立していなければ、見せしめとして激しい拷問を受ける羽目になっていたでしょう。貴方様がたは実に運がよろしいですね」
「う、運がいい……!? よくないっ! よくないっっ!!」
「一年で思考思想を塗り替える!? それがまともなやり方なはずがない!! どこが運がいいというんだぁぁ……!!」
「まともなやり方ではない、確かにそうですね。地獄と思える時間が、待っているのでしょうね」
悪人を、人畜無害な善人にする。それは簡単にできることではなく、これから彼らは絶叫を繰り返す羽目になります。
「ですがそれでも、生きているのです。しかも一年後には、お二人自身が『やりたい』と思うことを毎日行えるようになるのですよ? 素晴らしいことではありませんか」
「そっ、それはぁっ!! そっ、そっちがそう思い込ませているだけだろぉぉ!!」
「我々はっ、思っていない!! そんな人間になりたくないっ!!」
「「いやだっ!! いやだぁああああああああああああ!!」」
マーティンとアダムは泣き叫びますが、彼らは大きな罪を犯した者達。その切願が聞き入れられることはなく、建物内への連行が始まりました。
「おっ、お願いします!! もっ、もう心を入れ替えていますからっ!! 忠実でっ、真面目な労働力になりますからっ!!」
「やめてくださいっ!! 他の刑ならっ、喜んで受けますので!! それだけはおゆるしぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
当然そんな訴えも、認められるはずがありません。
そのためやがて2人は、分厚い鉄の扉の向こうへと消えて――
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