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第20話 解決後の、お話~あの時の~ ステラ視点
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「ステラ様。ようやく終わりましたね」
マーティン様が連行されてから、およそ1日後のこと。私とお父様は複数に関する事件の被害者として様々な機関の方とお話を行い、慌ただしい時間が過ぎ去ったあとのことでした。
私は邸内のサロンにて、いらしてくださったレオナード様にお礼を――紅茶と手作りのお茶菓子をお出ししていて、品よく一口飲まれたレオナード様の口元が緩みました。
「はい、レオナード様。4日前から――いいえ、もっと前からでしたね。11か月前から続いていたことが、貴方様の御力によって解決しました」
私が最高金賞と勲章をいただいて発生したものは、所謂再発。婚約の時から始まっていた大きな問題が、全て消え去ってくれました。
「レオナード様が居てくださらなければ、マーティン様の企みに気付けませんでした。あの方に感謝し依存したままで、何もかもが違う未来となっていました」
目が覚めることも鳥さんと歌うこともなく、それによって受賞はない。そのためマーティン様が再び興味を持つことはなく、ずっとマーティン様を求めて泣き続けていたはず。
あんな状態ではいずれ、日常生活にも支障をきたしていて……。私はいずれ、破滅していました。
「今回、そしてあの時。レオナード様は私の心と体、両方を救ってくださいました。感謝してもしきれません」
「それは、僕だって同じですよ。あの時あの音と――貴方様と出会わなければ、今の僕はありません。この人生は、滅茶苦茶になっていました」
私が改めて姿勢を正すとレオナード様も姿勢を正してくださり、ご自身の身体と天井を――その先にある空、天国を一瞥されました。
「自分だけではなく、大切な人にも心配をかけてしまう。とんでもないことになっていました。こちらこそ、感謝してもしきれませんよ」
ですから、お相子ですね――。恩人の笑顔を見られて手作りのお礼をいただいてもいますし、これ以上の感謝は不要ですよ――。
レオナード様は穏やかに目を細めてくださって、??? お出しした紅茶とお菓子を召し上がられたあと、突然立ち上がられました。
「……実を言いますと、ずっと貴方様にお伝えしたいことがありました。ですのでこれから、そちらを口にさせていただきます」
『ずっと行いたいと思っていたお話があるのですが、今は最優先事項がありますので。これより行動を始めます』
あの日――正体を明かしてくださった日。そう仰られていました。
その最優先事項は、もうどこにもありません。ですのでレオナード様は、私の前まで移動されて――
「ステラ様。よろしければ、結婚を前提に交際を行ってはいただけないでしょうか?」
――片膝をつかれたあと、そう仰られたのでした。
マーティン様が連行されてから、およそ1日後のこと。私とお父様は複数に関する事件の被害者として様々な機関の方とお話を行い、慌ただしい時間が過ぎ去ったあとのことでした。
私は邸内のサロンにて、いらしてくださったレオナード様にお礼を――紅茶と手作りのお茶菓子をお出ししていて、品よく一口飲まれたレオナード様の口元が緩みました。
「はい、レオナード様。4日前から――いいえ、もっと前からでしたね。11か月前から続いていたことが、貴方様の御力によって解決しました」
私が最高金賞と勲章をいただいて発生したものは、所謂再発。婚約の時から始まっていた大きな問題が、全て消え去ってくれました。
「レオナード様が居てくださらなければ、マーティン様の企みに気付けませんでした。あの方に感謝し依存したままで、何もかもが違う未来となっていました」
目が覚めることも鳥さんと歌うこともなく、それによって受賞はない。そのためマーティン様が再び興味を持つことはなく、ずっとマーティン様を求めて泣き続けていたはず。
あんな状態ではいずれ、日常生活にも支障をきたしていて……。私はいずれ、破滅していました。
「今回、そしてあの時。レオナード様は私の心と体、両方を救ってくださいました。感謝してもしきれません」
「それは、僕だって同じですよ。あの時あの音と――貴方様と出会わなければ、今の僕はありません。この人生は、滅茶苦茶になっていました」
私が改めて姿勢を正すとレオナード様も姿勢を正してくださり、ご自身の身体と天井を――その先にある空、天国を一瞥されました。
「自分だけではなく、大切な人にも心配をかけてしまう。とんでもないことになっていました。こちらこそ、感謝してもしきれませんよ」
ですから、お相子ですね――。恩人の笑顔を見られて手作りのお礼をいただいてもいますし、これ以上の感謝は不要ですよ――。
レオナード様は穏やかに目を細めてくださって、??? お出しした紅茶とお菓子を召し上がられたあと、突然立ち上がられました。
「……実を言いますと、ずっと貴方様にお伝えしたいことがありました。ですのでこれから、そちらを口にさせていただきます」
『ずっと行いたいと思っていたお話があるのですが、今は最優先事項がありますので。これより行動を始めます』
あの日――正体を明かしてくださった日。そう仰られていました。
その最優先事項は、もうどこにもありません。ですのでレオナード様は、私の前まで移動されて――
「ステラ様。よろしければ、結婚を前提に交際を行ってはいただけないでしょうか?」
――片膝をつかれたあと、そう仰られたのでした。
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