4 / 17
第2話 計画変更 ミリア視点
しおりを挟む
「くひひ、あははははは! なんて愚かなのかしらねぇ! わたしの前でそんな話をしてしまうだなんて!」
ジュリア様はお腹を抱えて笑い、笑いによる涙を零しながらご自身を指差しました。
「現実はもっと辛かった? 呪いの方がずっと良い? そんなことを知ったら呪いを解くに決まっているでしょうっ!? 残念でしたぁっ! 地獄に巻き戻りよぉっ!」
「そ、そんな……! お願いです! 解かないでください! わたくしをこのままにしてくださいっ!」
「い・や。だって元の世界に戻したら、も~っと苦しむお前を見れるんだもの。たとえわたしの足の裏をペロペロ舐めるって懇願してきても、お断りよ」
絶対に言うことを聞いてあげない――。どう? ショック?――。ねえ、今どんな気持ち?――。
当ててあげましょうか?――。
絶望してる!――。
ぎゃはははははははははははははははは!!――。
ものすごい速さで捲し立て、ジュリア様は懐から赤色の宝石を取り出しました。
「ここにあるのは呪いの源になってる『媒体』というもので、コレが壊れたら呪いは解けるの。気が付いたら、地獄が待っている元の世界に戻ってるのぉ。ミリアさまぁ、素敵なお時間をお過ごしくださいねぇ」
「ジュリア様! どうかお考え直しを――」
「だ・か・らぁ。考え直すはずがないって、言ってるでしょぉ? お前の未来はもう決まってるの。究極の二択を楽しんで頂戴ねぇ――ああそうそう、念のため教えておいてあげる。道ずれに呪いの件を告発しようとしても無駄よ」
わたしが使った証拠なんてないから、捕まえようがない。……確かに、そうですね。
わたくしが治安機関に助けを求めている間に証拠を隠滅したら、どうやっても周りにこの件を理解してもらえません。
「というわけで、わたしの完全大勝利ね。無関係はわたしはのんびり過ごして、どんなニュースが流れてくるのか楽しみにしてるわぁ。頑張ってくださいませぇ、ミリア・ローマック様ぁ」
「まっ、待ってください! 待ってくだ――」
「くふふふ、じゃあね。バイバイ。ミリア様をもとの世界にご案内いたしまぁ~す!」
「あぁっ!!」
右手にある宝石を壁に思い切り叩きつけ、その勢いでパリンと割れる。その瞬間わたくしの身体から勢いよく、黒い光のようなものが飛び出しました。
そしてそれと同時に、目の前が真っ白になって――
「ミリアお嬢様!? お姿が見えなくなり心配しておりました! どちらにいらっしゃったのですか!?」
――気が付くと、血相を変えた侍女がお部屋に飛び込んできました。
…………よかった。本当によかった。
わたくしは無事に、元の世界に戻ってこれました。
ジュリア様はお腹を抱えて笑い、笑いによる涙を零しながらご自身を指差しました。
「現実はもっと辛かった? 呪いの方がずっと良い? そんなことを知ったら呪いを解くに決まっているでしょうっ!? 残念でしたぁっ! 地獄に巻き戻りよぉっ!」
「そ、そんな……! お願いです! 解かないでください! わたくしをこのままにしてくださいっ!」
「い・や。だって元の世界に戻したら、も~っと苦しむお前を見れるんだもの。たとえわたしの足の裏をペロペロ舐めるって懇願してきても、お断りよ」
絶対に言うことを聞いてあげない――。どう? ショック?――。ねえ、今どんな気持ち?――。
当ててあげましょうか?――。
絶望してる!――。
ぎゃはははははははははははははははは!!――。
ものすごい速さで捲し立て、ジュリア様は懐から赤色の宝石を取り出しました。
「ここにあるのは呪いの源になってる『媒体』というもので、コレが壊れたら呪いは解けるの。気が付いたら、地獄が待っている元の世界に戻ってるのぉ。ミリアさまぁ、素敵なお時間をお過ごしくださいねぇ」
「ジュリア様! どうかお考え直しを――」
「だ・か・らぁ。考え直すはずがないって、言ってるでしょぉ? お前の未来はもう決まってるの。究極の二択を楽しんで頂戴ねぇ――ああそうそう、念のため教えておいてあげる。道ずれに呪いの件を告発しようとしても無駄よ」
わたしが使った証拠なんてないから、捕まえようがない。……確かに、そうですね。
わたくしが治安機関に助けを求めている間に証拠を隠滅したら、どうやっても周りにこの件を理解してもらえません。
「というわけで、わたしの完全大勝利ね。無関係はわたしはのんびり過ごして、どんなニュースが流れてくるのか楽しみにしてるわぁ。頑張ってくださいませぇ、ミリア・ローマック様ぁ」
「まっ、待ってください! 待ってくだ――」
「くふふふ、じゃあね。バイバイ。ミリア様をもとの世界にご案内いたしまぁ~す!」
「あぁっ!!」
右手にある宝石を壁に思い切り叩きつけ、その勢いでパリンと割れる。その瞬間わたくしの身体から勢いよく、黒い光のようなものが飛び出しました。
そしてそれと同時に、目の前が真っ白になって――
「ミリアお嬢様!? お姿が見えなくなり心配しておりました! どちらにいらっしゃったのですか!?」
――気が付くと、血相を変えた侍女がお部屋に飛び込んできました。
…………よかった。本当によかった。
わたくしは無事に、元の世界に戻ってこれました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
565
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる