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第2話 目的地は アルマ視点(1)
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「お待たせいたしました。僕にご用とのことですが、どういった御用件でしょう……?」
応接室に現れ一礼する、眼鏡をかけたやせ型色白の男性。この人の名前は、ジェルズ・イゾナス様。
イザックが目をつけられる切っ掛けとなった、あの男性です。
「昨夜発生した、ギャスパー・ルルダール様とのトラブル。その際に生まれてしまった、イザックへの怒りは当然ご存じですよね?」
「え、は、はい。もちろんです」
「本日は、そちらに関するお願いをしに参りました。『ギャスパー様に理不尽に激昂されていたこと』『その際にイザックが止めに入ったこと』『それによってギャスパー様はイザックに理不尽な復讐すると言い出したこと』。それらが事実であると、貴方様に証言していただきたいのですよ」
ギャスパー様及びギャスパー様が属するルルダール伯爵家を無力化にするには、証拠が必要。ソレなしでは何もできないため、張本人の言葉を貰いにきたのです。
「彼は先ほど、婚約の解消を提案してきました。わたしに――ローヴァンス家に飛び火しないように」
「………………」
「彼も彼の父親も、悔しさや申し訳なさが宿った涙を浮かべていました。……正しい、真っすぐなことをして辛い目に遭うなんて、おかしい。力によって理不尽がまかり通ってしまうなんて、おかしい」
貴族界でも平民の間でも、どこでもそう。絶対にあってはならないことです。
「そんなおかしなことを、防ぐ方法があるんです。貴方の言葉があれば、イザックを救えるのですよ」
「………………」
「ジェルズ・イゾナス様。ご協力をお願いします」
「………………あの、ひとつ質問をさせてください」
座っていた椅子から立ち上がり腰を折っていると、イゾナス様が小さく手を挙げた。
「質問ですか? なんでしょう?」
「証言は、どのようにすればいいのでしょうか……?」
「…………。失礼致しました、言及がまだでしたね。大掛かりはものではありませんよ」
とある人に会って、一部始終を話す。ただそれだけです。
「諸事情によりその人物の正体は明かせませんが、人数は1人。接触はそちらが指定できます。たとえば、そうですね。このお部屋でイゾナス家の関係者100人に囲まれた状態で話すことも可能となっております」
とにかく、心配はいらない。それを伝え、改めてお願いをします。
「イザックを救うためには、貴方様の御声が必要なのです。ご協力お願い致します」
この人にとっては、恩人を助ける行為。そんな要求は、もちろん――
「申し訳ございません。ご協力できまねます」
――もちろん、ではありませんでした。
返ってきたのは、NO。縦ではなく横への首振りでした。
応接室に現れ一礼する、眼鏡をかけたやせ型色白の男性。この人の名前は、ジェルズ・イゾナス様。
イザックが目をつけられる切っ掛けとなった、あの男性です。
「昨夜発生した、ギャスパー・ルルダール様とのトラブル。その際に生まれてしまった、イザックへの怒りは当然ご存じですよね?」
「え、は、はい。もちろんです」
「本日は、そちらに関するお願いをしに参りました。『ギャスパー様に理不尽に激昂されていたこと』『その際にイザックが止めに入ったこと』『それによってギャスパー様はイザックに理不尽な復讐すると言い出したこと』。それらが事実であると、貴方様に証言していただきたいのですよ」
ギャスパー様及びギャスパー様が属するルルダール伯爵家を無力化にするには、証拠が必要。ソレなしでは何もできないため、張本人の言葉を貰いにきたのです。
「彼は先ほど、婚約の解消を提案してきました。わたしに――ローヴァンス家に飛び火しないように」
「………………」
「彼も彼の父親も、悔しさや申し訳なさが宿った涙を浮かべていました。……正しい、真っすぐなことをして辛い目に遭うなんて、おかしい。力によって理不尽がまかり通ってしまうなんて、おかしい」
貴族界でも平民の間でも、どこでもそう。絶対にあってはならないことです。
「そんなおかしなことを、防ぐ方法があるんです。貴方の言葉があれば、イザックを救えるのですよ」
「………………」
「ジェルズ・イゾナス様。ご協力をお願いします」
「………………あの、ひとつ質問をさせてください」
座っていた椅子から立ち上がり腰を折っていると、イゾナス様が小さく手を挙げた。
「質問ですか? なんでしょう?」
「証言は、どのようにすればいいのでしょうか……?」
「…………。失礼致しました、言及がまだでしたね。大掛かりはものではありませんよ」
とある人に会って、一部始終を話す。ただそれだけです。
「諸事情によりその人物の正体は明かせませんが、人数は1人。接触はそちらが指定できます。たとえば、そうですね。このお部屋でイゾナス家の関係者100人に囲まれた状態で話すことも可能となっております」
とにかく、心配はいらない。それを伝え、改めてお願いをします。
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この人にとっては、恩人を助ける行為。そんな要求は、もちろん――
「申し訳ございません。ご協力できまねます」
――もちろん、ではありませんでした。
返ってきたのは、NO。縦ではなく横への首振りでした。
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