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第1話 わたしは……? ルイーザ視点(2)
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「……これ、は……」
間違いありません。ゆうべは、机の上に何もありませんでした。
なのにノートが開かれた状態で置かれていて、そこにはそんな文字が――メッセージが記されていました。
「誰が、書いたのでしょうか……?」
寄宿舎の周囲は警戒の目があり窓からの侵入は不可能ですし、もちろん出入口から誰にも気付かれずに侵入することだってできません。
あり得ない出来事が発生しており不思議で仕方がないのですが、それ以上に不思議なことがあります。
「今までのような目には、遭わない……?」
あの方は目撃者が出ないようにしていた上に、助けを求める術を全て削いでいました。第三者の方が偶然気付き、マリー様が何もしないように手を回してくださる可能性も0なんです。
なのにこのメッセージを記した方は、何かしらの対応をしてくださっている。
わけが分かりません……。
「……分からないこと、だらけです……」
なぜ生きている? なぜノートに書けた? なぜ『大丈夫』?
頭の中が疑問符で埋め尽くされて、おもわず立ち眩みを覚えます。
「………………と、とりあえず……。登校、してみましょうか……」
もう心は限界を迎えていて、マリー様たちの顔を見たくない。辛い思いをしたくなくて、早く何も考えずに済むようになりたい。
そんな思いで溢れていますが……。
――もし本当に大丈夫なら――。
そんな思いもあって……。
もし大丈夫ではなかったら、その時は逃げて飛び降りよう。そうすれば、今までのような苦しい思いはせずに済む。
という理由で、メッセージに従い登校してみるようにしました。
「お嬢様、朝食の準備をしてまいります」
「あ、え、ええ。ありがとう」
生徒は基本的には食堂で朝昼夜の食事を摂るようになっていますが、希望すれば部屋で食すこともできます。食事は全生徒が行う――マリー様達の顔を少しでも見なくて済むように、わたしは自室で食事を行うようにしているんです。
((……ミリアがこっそり励ましてくれては、やっぱりいないでしょうし………………ぁっっ! わたしは間違いなく、昨日窓から飛び降りています))
窓を開ける際に恐怖と緊張で鍵を誤った方向に動かしてしまい、少し傷付けてしまったんです。見てみるとその跡があって、あの出来事は夢でないと証明されました。
((……飛び降りて、意識がなくなったあと……。いったい何が……?))
考えるもその答えが出ないまま時間が過ぎていき、部屋で朝食を摂り、ついに登校時間となりました。
ですのでわたしは女生徒用寄宿舎を出て、学び舎を目指して歩き――3分ほど歩いたところで、背後から嫌な声が聞こえてきました。
「ごきげんよう、ルイーザ様」
振り返るとそこにいたのは、マリー様。マリー様は平等に優しい優等生の皮を被っており、『格下にも自分から挨拶を行う』アピールをしているのです。
「ご、ごきげんよう、マリー様」
胸が痛む。早く顔を背けたいのですが、仕方がありません。
わたしは向き直って朝の挨拶を行い――
「ぎ!?」
――行っていた、その時でした。
突然マリー様が、妙な大声をあげたのでした。
間違いありません。ゆうべは、机の上に何もありませんでした。
なのにノートが開かれた状態で置かれていて、そこにはそんな文字が――メッセージが記されていました。
「誰が、書いたのでしょうか……?」
寄宿舎の周囲は警戒の目があり窓からの侵入は不可能ですし、もちろん出入口から誰にも気付かれずに侵入することだってできません。
あり得ない出来事が発生しており不思議で仕方がないのですが、それ以上に不思議なことがあります。
「今までのような目には、遭わない……?」
あの方は目撃者が出ないようにしていた上に、助けを求める術を全て削いでいました。第三者の方が偶然気付き、マリー様が何もしないように手を回してくださる可能性も0なんです。
なのにこのメッセージを記した方は、何かしらの対応をしてくださっている。
わけが分かりません……。
「……分からないこと、だらけです……」
なぜ生きている? なぜノートに書けた? なぜ『大丈夫』?
頭の中が疑問符で埋め尽くされて、おもわず立ち眩みを覚えます。
「………………と、とりあえず……。登校、してみましょうか……」
もう心は限界を迎えていて、マリー様たちの顔を見たくない。辛い思いをしたくなくて、早く何も考えずに済むようになりたい。
そんな思いで溢れていますが……。
――もし本当に大丈夫なら――。
そんな思いもあって……。
もし大丈夫ではなかったら、その時は逃げて飛び降りよう。そうすれば、今までのような苦しい思いはせずに済む。
という理由で、メッセージに従い登校してみるようにしました。
「お嬢様、朝食の準備をしてまいります」
「あ、え、ええ。ありがとう」
生徒は基本的には食堂で朝昼夜の食事を摂るようになっていますが、希望すれば部屋で食すこともできます。食事は全生徒が行う――マリー様達の顔を少しでも見なくて済むように、わたしは自室で食事を行うようにしているんです。
((……ミリアがこっそり励ましてくれては、やっぱりいないでしょうし………………ぁっっ! わたしは間違いなく、昨日窓から飛び降りています))
窓を開ける際に恐怖と緊張で鍵を誤った方向に動かしてしまい、少し傷付けてしまったんです。見てみるとその跡があって、あの出来事は夢でないと証明されました。
((……飛び降りて、意識がなくなったあと……。いったい何が……?))
考えるもその答えが出ないまま時間が過ぎていき、部屋で朝食を摂り、ついに登校時間となりました。
ですのでわたしは女生徒用寄宿舎を出て、学び舎を目指して歩き――3分ほど歩いたところで、背後から嫌な声が聞こえてきました。
「ごきげんよう、ルイーザ様」
振り返るとそこにいたのは、マリー様。マリー様は平等に優しい優等生の皮を被っており、『格下にも自分から挨拶を行う』アピールをしているのです。
「ご、ごきげんよう、マリー様」
胸が痛む。早く顔を背けたいのですが、仕方がありません。
わたしは向き直って朝の挨拶を行い――
「ぎ!?」
――行っていた、その時でした。
突然マリー様が、妙な大声をあげたのでした。
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