幸せじゃないのは聖女が祈りを怠けたせい? でしたら、本当に怠けてみますね

柚木ゆず

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第4話 逆監視2日目 監視前 (1)

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「……おはようございますっスよ……。気持ちのいい朝っスねえ……」

 昨日より少し遅めの、午前8時15分過ぎ。目の下にクマを作ったラズフ様が、ふらふらしながら自室に来てくださいました。
 お声もお顔も、ボロボロ。気持ちのいい朝と感じているとは、思えません。

「ラズフ様、どうされたのですか? 体調が悪いのでしょうか?」
「……体調は、普通っス。慣れない徹夜とか・・、が響いてるっスよ……」
「主に、睡眠不足が原因なのですね? 適切な表現ではないかもしれませんが、安心致しました」
「ご心配を、おかけしましたっスよ。……まさかここまで手古摺って、あげくに殺人兵器が誕生するとは思わなかったス……」

 力なくニコリとしたあと、俯いて体を震わせています。
 そうなっている全身からは、異様な量の恐怖心を感じます。昨日(さくじつ)お別れしてから、何があったのでしょうか……?

「あの。もしよければ、相談にお乗り――」
「ああいやいやっスよ! 大したことじゃないんスよっ。それはそうと、お時間をもらってもいいっスかね? 見せたいものがあるんスよ」
「はい、8時45分までは大丈夫です。場所の移動は必要でしょうか?」
「ここで、問題ないっス。それじゃあ、お部屋にお邪魔してっと……。ミウヴァ様はベッドに座ってもらって…………位置は、この辺りでいいっスかね」

 私はベッドの縁に腰を下ろし、彼はそこから1メートルほど前方で立ち止まりました。そしてその場で右手を上げようとして、ふとその手が止まります。

「そうそうっス。ちなみになんスけど、ミウヴァ様のお誕生日はいつっスかね?」
「誕生日、ですか? 5月8日ですよ」
「5月……………ああ言葉足らずだったっス! 『聖女様』じゃなくて、『ミウヴァ様』としての方っスっ。元々の誕生日は、いつなんスか?」
「私のもの、ですか。誕生日は確か……………………。ええと………………7月の…………20日、でした」

 今日が7月25日なので、5日前ですね。その日が、私の生まれた日でした。
 聖女になると覚醒した日が誕生日となって、全てのお祝いごとは5月8日に行われます。かれこれ10年間もその日に年齢が増える生活をしているため、すっかり忘れていました。

「へぇ~、こないだなんスね。じゃあ季節は丁度で………………あれ? 7月って、なんだったっスか……?」
「??? 7月は、7月ですよ?」
「いやっ、そうじゃなくってっスね。…………ちょっとタイムっス!」

 ラズフ様は猛スピードで部屋を飛び出し、2~3分程でしょうか。ほんのちょっとで戻られました。

「はぁー……っ。はぁー……。はぁー……っ。おまたせしましたっスよ……っ」
「お疲れ、様です。汗びっしょりですし、少しお休みになってださい」
「俺のせいでロスしちゃってるんで、結構っスっ。ではでは、始めるっスよっ」

 彼は袖で顔の汗を拭い、右の指をパチンと鳴らします。そうしたら、私の目の前に一枚の映鏡が出現して――っっっ!

 その中には、ひまわり畑が映っていました。







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