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第12話 その後の3人(サーシャside)~絶望と責任 俯瞰視点(1)
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「……………………エミリー、サーシャ……。駄目だった……。どうやっても、追放を防ぐことはできない……」
エザント邸で完敗し、家族が3人となった日の翌日。その夜。早朝から外出していた父ギヨムは、エントランスに入ってくるや膝から崩れ落ちました。
悲劇を防ぐ方法がどこかにあるはずだ! そう信じて走り回ったものの、成果はなし。追放が確定的となってしまっていたのです。
「そ、そんな……っ。あっ、あなたっ! お金を貸してくれる人はいなかったの!?」
「コンラスト家のテオンさんとお父様は親友だよね!? テオンさんには頼んだの!?」
「………………テオンには、真っ先に頼みに行っている……。そして、最初に断られてしまったよ……」
いつものように笑顔で出迎えてくれたものの、その話を持ち出すと態度は一変。瞬く間に笑顔は消えてしまい、追い返されてしまったのでした。
「コンラストさんが……!? ど、どうして……!?」
「信じられない……。あんなに仲がよかったのに……。なんで助けてくれないの……!?」
その理由は、テオン・コンラストは損得勘定で動く男だったから。
コイツらと付き合っていてもプラスにはならない。彼はユリスが言及していたタイプの人間だったため、あっさりと友を切ったのでした。
「……理由は分からないが、あんなにも冷めた顔をしたテオンを見たのは初めてだったよ……。…………もう、どうしようもないんだ…………。終わり、なんだよ……」
「ぁ、ぁぁぁぁ……。ぁぁぁぁぁ……」
「いや…………いや……っ。こんなの、いや……」
ギヨムが呆然と天を仰ぐ。それを切っ掛けとして妻エミリーも崩れ落ち、娘サーシャは頭を抱えました。
全てを失い、自分達が嗤っていた貧乏人以下の状況となる。これから待っていることに改めて直視しなければならなくなった3人は絶望し、声にならない嗚咽を漏らし始めました。
「ぅがぁぁぁぁ……っ! ぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁ……! ぁぁぁぁぁぁっ……っ!」
「ぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁ……! ぁぁぁぁぁぁぁああああああ……!!」
ギヨムとエミリーとサーシャはひたすらに呻き、床に拳を叩きつけたり、床を踏みつけたり、八つ当たりをします。そしてそんな時間が5分ほど過ぎると――
「…………お父様とお母様のせいだわ…………」
今度は、家族への八つ当たりが始まって――。それを合図にして、酷く醜い争いが勃発するのでした。
エザント邸で完敗し、家族が3人となった日の翌日。その夜。早朝から外出していた父ギヨムは、エントランスに入ってくるや膝から崩れ落ちました。
悲劇を防ぐ方法がどこかにあるはずだ! そう信じて走り回ったものの、成果はなし。追放が確定的となってしまっていたのです。
「そ、そんな……っ。あっ、あなたっ! お金を貸してくれる人はいなかったの!?」
「コンラスト家のテオンさんとお父様は親友だよね!? テオンさんには頼んだの!?」
「………………テオンには、真っ先に頼みに行っている……。そして、最初に断られてしまったよ……」
いつものように笑顔で出迎えてくれたものの、その話を持ち出すと態度は一変。瞬く間に笑顔は消えてしまい、追い返されてしまったのでした。
「コンラストさんが……!? ど、どうして……!?」
「信じられない……。あんなに仲がよかったのに……。なんで助けてくれないの……!?」
その理由は、テオン・コンラストは損得勘定で動く男だったから。
コイツらと付き合っていてもプラスにはならない。彼はユリスが言及していたタイプの人間だったため、あっさりと友を切ったのでした。
「……理由は分からないが、あんなにも冷めた顔をしたテオンを見たのは初めてだったよ……。…………もう、どうしようもないんだ…………。終わり、なんだよ……」
「ぁ、ぁぁぁぁ……。ぁぁぁぁぁ……」
「いや…………いや……っ。こんなの、いや……」
ギヨムが呆然と天を仰ぐ。それを切っ掛けとして妻エミリーも崩れ落ち、娘サーシャは頭を抱えました。
全てを失い、自分達が嗤っていた貧乏人以下の状況となる。これから待っていることに改めて直視しなければならなくなった3人は絶望し、声にならない嗚咽を漏らし始めました。
「ぅがぁぁぁぁ……っ! ぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁ……! ぁぁぁぁぁぁっ……っ!」
「ぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁ……! ぁぁぁぁぁぁぁああああああ……!!」
ギヨムとエミリーとサーシャはひたすらに呻き、床に拳を叩きつけたり、床を踏みつけたり、八つ当たりをします。そしてそんな時間が5分ほど過ぎると――
「…………お父様とお母様のせいだわ…………」
今度は、家族への八つ当たりが始まって――。それを合図にして、酷く醜い争いが勃発するのでした。
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