23 / 23
エピローグ 結婚
しおりを挟む
「僕はアリス・ワールを愛し、生涯を共にすると誓います」
「私はレイジ・ニースを愛し、生涯を共にすると誓います」
あれから大急ぎで式場に駆け込み、結婚の儀は開幕。準備不足のせいで私は普段着のままだけど、本物の身体で式に臨んでいた。
こうしてこの瞬間を迎えられたのは、レイジ様のおかげ。
この人が気付いてくれるという前提がなければ『鳥のメロディーで鳴く』という選択はできなくって、すぐに動けなかった。従者のテオさんが必死になって探してくれても、あのタイミングだと残念ながら間に合っていなかった。
私には私を本当に愛してくれている人がいたから、ここで笑っていられる。
(アリス。僕がこうしてこの瞬間を迎えられたのは、君のおかげだよ。ありがとう)
レイジ様もこの出来事を振り返っていたみたいで、式の最中にこそっと目を細めてくれた。
(あんな状況にもかかわらず僕を第一に考えてくれたおかげで、全て丸く収まった。感謝しています)
(元々私が撒いた種で、お気になさらないでください。こちらこそ私をちゃんと見てくれていて、感謝しています)
私達は二人だけに聞こえる声でお礼をし合い、二人だけに見えるように微笑み合う。それがなんだかすごくこそばゆくって、幸せ。
(アリス。これからは僕がずっと傍にいて、金輪際辛い思いはさせない。改めて、これからよろしくね)
(はいっ。こちらこそ、よろしくお願いします。これからも今までのように、ううん。今までよりももっともっと、素敵な毎日にしましょうっ)
私達はもう一度笑い合い、式を取り仕切る国王様から合図が出たので、みんなの前で口づけを交わす。
こうして私アリスとレイジ様は夫婦となり、結婚を祝したパーティーが済んだら初夜の儀。
私達はそういう経験がなくって恥ずかしいけど、どちらも相手を本当に愛しているから。お互い愛を持って手を繋ぎ、ベッドに倒れ込んだのでした――。
「私はレイジ・ニースを愛し、生涯を共にすると誓います」
あれから大急ぎで式場に駆け込み、結婚の儀は開幕。準備不足のせいで私は普段着のままだけど、本物の身体で式に臨んでいた。
こうしてこの瞬間を迎えられたのは、レイジ様のおかげ。
この人が気付いてくれるという前提がなければ『鳥のメロディーで鳴く』という選択はできなくって、すぐに動けなかった。従者のテオさんが必死になって探してくれても、あのタイミングだと残念ながら間に合っていなかった。
私には私を本当に愛してくれている人がいたから、ここで笑っていられる。
(アリス。僕がこうしてこの瞬間を迎えられたのは、君のおかげだよ。ありがとう)
レイジ様もこの出来事を振り返っていたみたいで、式の最中にこそっと目を細めてくれた。
(あんな状況にもかかわらず僕を第一に考えてくれたおかげで、全て丸く収まった。感謝しています)
(元々私が撒いた種で、お気になさらないでください。こちらこそ私をちゃんと見てくれていて、感謝しています)
私達は二人だけに聞こえる声でお礼をし合い、二人だけに見えるように微笑み合う。それがなんだかすごくこそばゆくって、幸せ。
(アリス。これからは僕がずっと傍にいて、金輪際辛い思いはさせない。改めて、これからよろしくね)
(はいっ。こちらこそ、よろしくお願いします。これからも今までのように、ううん。今までよりももっともっと、素敵な毎日にしましょうっ)
私達はもう一度笑い合い、式を取り仕切る国王様から合図が出たので、みんなの前で口づけを交わす。
こうして私アリスとレイジ様は夫婦となり、結婚を祝したパーティーが済んだら初夜の儀。
私達はそういう経験がなくって恥ずかしいけど、どちらも相手を本当に愛しているから。お互い愛を持って手を繋ぎ、ベッドに倒れ込んだのでした――。
20
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(35件)
あなたにおすすめの小説
仕事で疲れて会えないと、恋人に距離を置かれましたが、彼の上司に溺愛されているので幸せです!
ぽんちゃん
恋愛
――仕事で疲れて会えない。
十年付き合ってきた恋人を支えてきたけど、いつも後回しにされる日々。
記念日すら仕事を優先する彼に、十分だけでいいから会いたいとお願いすると、『距離を置こう』と言われてしまう。
そして、思い出の高級レストランで、予約した席に座る恋人が、他の女性と食事をしているところを目撃してしまい――!?
私を見下していた婚約者が破滅する未来が見えましたので、静かに離縁いたします
ほーみ
恋愛
その日、私は十六歳の誕生日を迎えた。
そして目を覚ました瞬間――未来の記憶を手に入れていた。
冷たい床に倒れ込んでいる私の姿。
誰にも手を差し伸べられることなく、泥水をすするように生きる未来。
それだけなら、まだ耐えられたかもしれない。
だが、彼の言葉は、決定的だった。
「――君のような役立たずが、僕の婚約者だったことが恥ずかしい」
後悔などありません。あなたのことは愛していないので。
あかぎ
恋愛
「お前とは婚約破棄する」
婚約者の突然の宣言に、レイラは言葉を失った。
理由は見知らぬ女ジェシカへのいじめ。
証拠と称される手紙も差し出されたが、筆跡は明らかに自分のものではない。
初対面の相手に嫉妬して傷つけただなど、理不尽にもほどがある。
だが、トールは疑いを信じ込み、ジェシカと共にレイラを糾弾する。
静かに溜息をついたレイラは、彼の目を見据えて言った。
「私、あなたのことなんて全然好きじゃないの」
私の事を婚約破棄した後、すぐに破滅してしまわれた元旦那様のお話
睡蓮
恋愛
サーシャとの婚約関係を、彼女の事を思っての事だと言って破棄することを宣言したクライン。うれしそうな雰囲気で婚約破棄を実現した彼であったものの、その先で結ばれた新たな婚約者との関係は全くうまく行かず、ある理由からすぐに破滅を迎えてしまう事に…。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
『二流』と言われて婚約破棄されたので、ざまぁしてやります!
志熊みゅう
恋愛
「どうして君は何をやらせても『二流』なんだ!」
皇太子レイモン殿下に、公衆の面前で婚約破棄された侯爵令嬢ソフィ。皇妃の命で地味な装いに徹し、妃教育にすべてを捧げた五年間は、あっさり否定された。それでも、ソフィはくじけない。婚約破棄をきっかけに、学生生活を楽しむと決めた彼女は、一気にイメチェン、大好きだったヴァイオリンを再開し、成績も急上昇!気づけばファンクラブまでできて、学生たちの注目の的に。
そして、音楽を通して親しくなった隣国の留学生・ジョルジュの正体は、なんと……?
『二流』と蔑まれた令嬢が、“恋”と“努力”で見返す爽快逆転ストーリー!
「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み
そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。
広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。
「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」
震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。
「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」
「無……属性?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
王子、よく気づいた! よく粘った! エライぞ! それでこそ匕-ロ-!
主人公、令嬢なのに微妙に体育会系(笑) ラストぎりぎりまでスポ根張りのド根性ww 恋も全力疾走な真っ直ぐな子だから ずっと笑顔でいてほしいですね。
「人を呪わば穴二つ」、呪い返しは倍返し がお約束・・・愚か者たちは完全な自業自得。 エルナは、“本人自身の小細工” の結果によって、消滅しても不自然さも無しww 迷惑被るのは3人の死体を片付ける森小屋の管理人のみ。
退会済ユーザのコメントです
退会済ユーザのコメントです