もしかすると私は、最愛の婚約者に騙されているのかもしれない

柚木ゆず

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第4話(1)

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((…………困りました。アリーさんを通して、エリオットさんの正体を探るつもりでしたが……。それ以前に……。アリーさんが白か黒かさえも、分からなくなってきました……))

 翌日の午後3時過ぎ、ベイズナ邸内。その2階にある、アリーさんの私室。白色のテーブルを挟む形で独り用のソファーに座り向かい合っていた私は、昨日と同じように心の中で眉を顰めていました。

『お父様達やレオン様にも協力をしていただいているのですが、夜会の日の出来事を――私達にとってとても大事な日の出来事を、改めて日記につけているんです。そこでアリーさんには、仲裁をしてくださった際の状況などをアリーさんの視点で教えて頂きたいのですよ』
『ええ、分かりましたわ。あれは、お父様達のお話が半分くらい過ぎた時でしたわね。突然お二階から、ルシィさんとエリオットさんの大きな声が聞こえてきて――』


『――以上が、わたくし視点での振り返りですわ。ご満足いただけましたかしら?』
『はい、とても参考になりました。おかげ様で、しっかりと――ぁ、そういえば。私達がケンカを始めた時間を、ご存じでしょうか? あの時はカッとなってしまっていて、お昼ごろ、という事しか覚えていないんですよ』
『おおよそでしたら、分かりますわ。わたくし、行うこと、行ったことは、手帳に時刻付きで記していますの』
『そうなのですか……っ。助かります……っ』
『事が起きたのはお父様達のお話の半分くらいが過ぎた辺りですから、滞在時間の6割程度が過ぎた時間となって……。ハーナン邸に到着したのが、午後1時28分でしたから……。下車や御挨拶などの時間を除くと…………。午後2時5分前後のはずですわ』


 などなど。アリーさんはその場に居たとしか思えない程に記憶が鮮明で、駒かな部分にもスムーズに回答していました。
 それにその他の質問にも、一切迷わず答える事が出来ていて……。異様な持ち上げという非常に不審な点があるのですが、黒とは断定できなくなってきています。

「ルシィさんのお役に立てて、嬉しいですわ。貴方にはエリオット・・・・・の件でも、お気遣いをいただいていますしね。小さな事でも答えますから、また何かあれば頼ってくださいまし」
「エリオットさんの告白にアリーさんは無関係で、あれは当然の行為です。そういったお気遣いは不要ですよ」

 私はすぐに首を左右に振って、ここからは他愛もない雑談を始めます。
 他の話をしていたら、何か掴めるかもしれない。そう思ってとにかく沢山の話題を出して、アリーさんに沢山喋ってもらい―――その作戦を始めて、十数分が経過した頃でした。

 アリーさんが、気になるお話を始めたのでした。

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