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本編

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 ちゃんと、自分の気持ちを言わなければ。

 「村上先輩…」

 と、彼の顔を見ていたら寝ていた。

 え?寝ちゃったの!?

 あまりに急だから、驚いてしまった。それに、どうすれば良いのか。村上先輩のおうちなんて知りませんよー。とはいえほっとくわけにもいかない。見た感じ潰れてしまっている。彼の家はここから遠いいはず。となると…

 タクシーを拾い、家へ送るしかない。

 とはいえ、お金が無い。強いてポケットに夜ご飯代の残金(500円)しかない。おそらく、ここから遠いい。

 「すいません。村上先輩!」

 体をユサユサと揺らす。

 「んぁ?」

 薄く目を開き、そう言った。

 「先輩の家にタクシーで送るので、ちょっと待っててもらえます?コンビニのATMに行ってくるので」

 すると、彼は手を伸ばしてこう言った。

 「泊めて」
 「は?」
 「霧島君の家に泊めて!」

 「な!?」

 顔が真っ白になった。

 何言ってるんだ?

 「頑張って歩くからさ!家に泊めて!」

 ワガママにも程がある。酔ってるからか?

 「何でですか!それに、僕の家狭いですし…」
 「大丈夫!二人なら狭くない!」

 駄目だ。完璧に酔っている。
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