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攻防の章
天使は妬かれる
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悠貴の語りに耳を傾け続けて一時間。いつのまにか時間は過ぎ、気がつけば要真が到着する頃になっていた。
真静は知らぬ間に会計を済ませていた悠貴と、代金を巡っての押し問答を繰り広げながら喫茶店を出た。
「自分の紅茶代はお支払いします! 申し訳ないです!」
「誘ったのは僕です。代金なんて、絶対受け取りませんからね」
渡したければ渡してみろ、とでも言いたげな目で言われ、ならばと財布を開いた直後、彼がいつになく近い距離で顔を覗き込んできた。
「なっ、なんですか突然?」
「慌てて赤くなった顔も可愛らしいですね。……彼の前では、もっと色んな表情を見せるのでしょうか」
切なげに、誰に問うともなく放たれた言葉に、真静は何も言えず彼を見つめ返す。
束の間、二人の間には何とも言えない沈黙がおり、それを破ったのは外部からの干渉だった。
突如肩を抱かれ、悠貴から離されたと思った直後に頭上から聞こえたのは、地を這うような彼の声だった。
「佐成さんに近寄らないでくれる、女たらしのろくでなし」
「くっ倉瀬さん……!」
突然現れた驚きと、刺々しいことこの上ない台詞に、真静は思わず悲鳴に似た声を上げてしまった。
要真は真静に微笑んでくれたが、それはほんの一瞬。すぐに殺気立った目が悠貴を睨みつける。
「お前、この前も佐成さんを見ていたよね。でもお前にこの子はあげないよ」
「くくく倉瀬さんっ?」
今の台詞、一体どういう意味なのだろう。あげない、とは……。
訳がわからず目を丸くして要真を見つめると、微笑を浮かべて彼と見合っていた悠貴が、真静に声をかけた。
「邪魔者が入ったし、今日のところは失礼します。またお会いしましょうね、真静さん」
「真静さん? 何それ馴れ馴れしいにも程が、ってちょっと」
要真の言葉を待たずして、彼は袂を翻し、近くで待機していた高級車に乗り込んでしまう。真静は挨拶をしそびれた代わりに見送りを、と思ったが、それは要真によって阻まれてしまった。
悠貴の車が見えなくならないうちから要真が真静の両肩を掴み、険しい顔で目を合わせてきたのだ。
「何もされていない? 大丈夫だった? 冷えてはいない、ってことはもしかして、あいつといたの?」
「あ、あの、はい……」
何事かと真静は戸惑いを隠せない。彼の目が怖くて少し怯え気味でもある。
一方の要真はひとまず安心したように、ほっとため息をついて表情を和らげた。
「何もなかったなら、よかったよ。ちゃんと暖かいところで待っていてくれたのも。……でも気をつけてね。あいつ、かなりの遊び人だから」
「そ、そうなのですか? まったくそんな雰囲気の方ではないような……」
「そういう風に取り繕っているからね。だから、これだけは約束して」
「は、はい?」
「不審者にはついていかないこと」
「……」
これまでの文脈を考えると、その不審者というのには、悠貴が含まれるのだろう。
「ええと……はい、分かりました」
彼の有無を言わせぬ迫力に圧され、こくこくと頷く。そうした途端、彼にはいつもの明るい笑顔が戻った。
倉瀬要真の笑顔はどんなことよりも真静の心を温めてくれる。それを今日も実感しつつ、真静は自分も微笑んだ。
「とにかく、待たせてごめんね。そろそろ行こうか」
「はい!」
いよいよ暮坂颯人のアトリエに出発だと思うと、胸が躍って仕方がない。
肩を並べて歩く要真を見上げ、にやけそうになる口元を隠さんと俯く。故に知らなかった。隣を歩く要真が、真静の弾む足取りに目を細めていたことを。
*****
要真の自宅があるという街は、派手さこそないものの、どこかお洒落な雰囲気を持った街だった。駅前に様々なお店が軒を連ね、中にはちゃんとスーパーもある。
「暮らしやすそうな、いい街ですね」
真静が思わず呟くと、要真は関心の薄そうな顔で曖昧に笑った。
「実はあんまり買い物をしないから、便利さとかが分からないんだよね。街の雰囲気はたしかに好きなんだけど」
「お買い物、なさらないのですか? でも一人暮らしって、以前……」
まさか、買い物から何からあらゆる雑務をこなしてくれるコンシェルジュ付きのマンションに住んでいるのだろうか。
そんな疑問が頭に浮かんだ真静の横で、要真の表情が呆れの滲んだものに変わった。
「それはまあ、買ってくる人がいるというか……」
「こ、コンシェルジュさん、ですか?」
「コンシェルジュ?」
彼にとっては思わぬ問いだったらしく、彼の目が点になる。だが、すぐに先ほどと同じ顔に戻り、首を横に振った。
「いっそコンシェルジュの方が楽だと思うけどね。……兄だよ」
「お兄さん?」
「そう。たまに無断で遊びに来るんだ。その度に大量に買い物してきて、冷蔵庫に詰め込んで帰っていくんだよ。本当邪魔なんだけど」
そう言う彼の目は心底鬱陶しそうだ。真静にはとても優しい兄としか思えないのだが。
「いいお兄さんですね」
「買い物してくれるくらいならね。でも弟離れが出来ていないし、お節介にも程があるから、鬱陶しさが際立つ」
「そう、ですか……」
そのとき真静の脳裏に浮かんだのは、兄と姉の顔だ。あの二人が妹離れをしているか、といった類のことは、考えたこともなかった。
「弟離れ……した方が良いのでしょうか?」
「当然だよ。俺の兄が“弟離れ”なんか出来るわけないから、あまり口には出さないけどね。でも、少し過保護なところを直すくらいはできるだろう、というか、してもらわないと困る」
「そ、そんなに過保護なのですか?」
「うん。佐成さんのお兄さん達ほどではないかもしれないけど」
「それは……」
長年今の環境に身を置いてきた真静も、さすがに兄達の保護者ぶりが度を越していることは理解している。最近では少しだけ窮屈にも思えてきたほどだ。そんな彼女以上の被過保護者がいたら、会ってみたいものである。
そろそろ兄達と離れるべきなのかな、と真面目に考えているうちに、気がつけばマンションのエントランスにいた。
くぐってきた自動ドアの向こうには駅前の街並み。駅から徒歩一分、といったところだろうか。
エントランスの隅に据えられた木製の台に要真が鍵を近づけ、すぐに正面の扉がスライドする。
「なんだか、セキュリティが厳重そうなマンションですね」
「これも兄のお節介。一人暮らしをするって言ったら、俺に住みたい場所だけ聞いて勝手に契約してきたんだ。『このマンションなら安全だから』ってね」
そう言って苦笑する要真についていき、辿り着いたのは最上階だった。やはり、流石は暮坂颯人と言うべきか。ただ者ではない。
扉前で外を見渡し、眺めの良さに感動する真静を、要真は「ベランダからの方が眺めは良いよ」と扉を開けて迎え入れた。
「お、お邪魔します……!」
ぎこちない足取りで玄関に入り、靴を脱いでから端に揃える。そして要真を見ると、彼は不思議そうに真静の靴を見つめていた。
「あの、倉瀬さん?」
「ん? ああ、ごめんごめん」
彼は小首を傾げる真静の前で靴を脱ぎ、そっと真静の靴の横に自分のものを並べた。その動きが慣れていないように見えたのは、真静の気のせいだろう。
「さあ、こっちへどうぞ」
そう言った要真に案内されるまま、リビングへと通じるドアに向かう。と、少しドアを開けた要真が、すぐに閉めて真静を振り返った。
「佐成さん」
「はっ、はい」
深刻そうな顔の彼を前に真静の背筋が伸びる。何があったのだろう。
「少しだけ、ここで待っていてくれるかな」
「あっはい、分かりました」
「ありがとう」
こくこくと頷く真静に微笑みかけた要真は、一人でドアの向こうに消えた。
そして、その後聞こえてきた音に、真静は耳を疑うことになる。
真静は知らぬ間に会計を済ませていた悠貴と、代金を巡っての押し問答を繰り広げながら喫茶店を出た。
「自分の紅茶代はお支払いします! 申し訳ないです!」
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渡したければ渡してみろ、とでも言いたげな目で言われ、ならばと財布を開いた直後、彼がいつになく近い距離で顔を覗き込んできた。
「なっ、なんですか突然?」
「慌てて赤くなった顔も可愛らしいですね。……彼の前では、もっと色んな表情を見せるのでしょうか」
切なげに、誰に問うともなく放たれた言葉に、真静は何も言えず彼を見つめ返す。
束の間、二人の間には何とも言えない沈黙がおり、それを破ったのは外部からの干渉だった。
突如肩を抱かれ、悠貴から離されたと思った直後に頭上から聞こえたのは、地を這うような彼の声だった。
「佐成さんに近寄らないでくれる、女たらしのろくでなし」
「くっ倉瀬さん……!」
突然現れた驚きと、刺々しいことこの上ない台詞に、真静は思わず悲鳴に似た声を上げてしまった。
要真は真静に微笑んでくれたが、それはほんの一瞬。すぐに殺気立った目が悠貴を睨みつける。
「お前、この前も佐成さんを見ていたよね。でもお前にこの子はあげないよ」
「くくく倉瀬さんっ?」
今の台詞、一体どういう意味なのだろう。あげない、とは……。
訳がわからず目を丸くして要真を見つめると、微笑を浮かべて彼と見合っていた悠貴が、真静に声をかけた。
「邪魔者が入ったし、今日のところは失礼します。またお会いしましょうね、真静さん」
「真静さん? 何それ馴れ馴れしいにも程が、ってちょっと」
要真の言葉を待たずして、彼は袂を翻し、近くで待機していた高級車に乗り込んでしまう。真静は挨拶をしそびれた代わりに見送りを、と思ったが、それは要真によって阻まれてしまった。
悠貴の車が見えなくならないうちから要真が真静の両肩を掴み、険しい顔で目を合わせてきたのだ。
「何もされていない? 大丈夫だった? 冷えてはいない、ってことはもしかして、あいつといたの?」
「あ、あの、はい……」
何事かと真静は戸惑いを隠せない。彼の目が怖くて少し怯え気味でもある。
一方の要真はひとまず安心したように、ほっとため息をついて表情を和らげた。
「何もなかったなら、よかったよ。ちゃんと暖かいところで待っていてくれたのも。……でも気をつけてね。あいつ、かなりの遊び人だから」
「そ、そうなのですか? まったくそんな雰囲気の方ではないような……」
「そういう風に取り繕っているからね。だから、これだけは約束して」
「は、はい?」
「不審者にはついていかないこと」
「……」
これまでの文脈を考えると、その不審者というのには、悠貴が含まれるのだろう。
「ええと……はい、分かりました」
彼の有無を言わせぬ迫力に圧され、こくこくと頷く。そうした途端、彼にはいつもの明るい笑顔が戻った。
倉瀬要真の笑顔はどんなことよりも真静の心を温めてくれる。それを今日も実感しつつ、真静は自分も微笑んだ。
「とにかく、待たせてごめんね。そろそろ行こうか」
「はい!」
いよいよ暮坂颯人のアトリエに出発だと思うと、胸が躍って仕方がない。
肩を並べて歩く要真を見上げ、にやけそうになる口元を隠さんと俯く。故に知らなかった。隣を歩く要真が、真静の弾む足取りに目を細めていたことを。
*****
要真の自宅があるという街は、派手さこそないものの、どこかお洒落な雰囲気を持った街だった。駅前に様々なお店が軒を連ね、中にはちゃんとスーパーもある。
「暮らしやすそうな、いい街ですね」
真静が思わず呟くと、要真は関心の薄そうな顔で曖昧に笑った。
「実はあんまり買い物をしないから、便利さとかが分からないんだよね。街の雰囲気はたしかに好きなんだけど」
「お買い物、なさらないのですか? でも一人暮らしって、以前……」
まさか、買い物から何からあらゆる雑務をこなしてくれるコンシェルジュ付きのマンションに住んでいるのだろうか。
そんな疑問が頭に浮かんだ真静の横で、要真の表情が呆れの滲んだものに変わった。
「それはまあ、買ってくる人がいるというか……」
「こ、コンシェルジュさん、ですか?」
「コンシェルジュ?」
彼にとっては思わぬ問いだったらしく、彼の目が点になる。だが、すぐに先ほどと同じ顔に戻り、首を横に振った。
「いっそコンシェルジュの方が楽だと思うけどね。……兄だよ」
「お兄さん?」
「そう。たまに無断で遊びに来るんだ。その度に大量に買い物してきて、冷蔵庫に詰め込んで帰っていくんだよ。本当邪魔なんだけど」
そう言う彼の目は心底鬱陶しそうだ。真静にはとても優しい兄としか思えないのだが。
「いいお兄さんですね」
「買い物してくれるくらいならね。でも弟離れが出来ていないし、お節介にも程があるから、鬱陶しさが際立つ」
「そう、ですか……」
そのとき真静の脳裏に浮かんだのは、兄と姉の顔だ。あの二人が妹離れをしているか、といった類のことは、考えたこともなかった。
「弟離れ……した方が良いのでしょうか?」
「当然だよ。俺の兄が“弟離れ”なんか出来るわけないから、あまり口には出さないけどね。でも、少し過保護なところを直すくらいはできるだろう、というか、してもらわないと困る」
「そ、そんなに過保護なのですか?」
「うん。佐成さんのお兄さん達ほどではないかもしれないけど」
「それは……」
長年今の環境に身を置いてきた真静も、さすがに兄達の保護者ぶりが度を越していることは理解している。最近では少しだけ窮屈にも思えてきたほどだ。そんな彼女以上の被過保護者がいたら、会ってみたいものである。
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彼は小首を傾げる真静の前で靴を脱ぎ、そっと真静の靴の横に自分のものを並べた。その動きが慣れていないように見えたのは、真静の気のせいだろう。
「さあ、こっちへどうぞ」
そう言った要真に案内されるまま、リビングへと通じるドアに向かう。と、少しドアを開けた要真が、すぐに閉めて真静を振り返った。
「佐成さん」
「はっ、はい」
深刻そうな顔の彼を前に真静の背筋が伸びる。何があったのだろう。
「少しだけ、ここで待っていてくれるかな」
「あっはい、分かりました」
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