23 / 69
第2章
黒い箱から出るのは? 悪夢or希望?
しおりを挟む
一通り、室内を見回った後、気付く。
ソファーとセットのテーブルの上に、ちょこんと載っている箱に。
「……?」
近付いてみる。
「コンピュータ、これはなに?」
室内に問い掛ける。
すると。
ピピと電子音と共に回答が返って来る。
『はい。これは我らがマスターよりのナツキ様宛のお荷物です』
「我ら? マスター?」
『我らと言うのは、寮を統括する管理脳や、この学院全てを管理する統合管理脳を御造りになった創造主とも言うべき御方コウ様です』
「あ~。兄様ね」
『はい。そうです。また、私の事はエデンとお呼び下さい。学院の統合管理脳はヘブンとお呼び下さい。緊急事態の際は、直接、我らに繋がります。通常の際は、コンピュータと問い掛けて構いませんし、トラブルで何所かに閉じ込められたとしてもその名で呼び掛けられたら我らは必ず応じますので』
うわー、兄様過保護過ぎ。
そうは言っても、前科があるからそこまでしてもきっと、し足りないんだろうけどね。
これは保険その一ってトコロだろう。
だとしたら、箱の中には保険その二がある可能性が高い。
「……」
箱を凝視する。
大きさは大体だけど、高さと幅40センチくらいの抱えて持ち運べる位の箱。
黒い金属の様な切れ目の無い箱の中央に、銀色の5センチ四方のプレートが嵌っている。
このプレートは、識別プレート呼ばれる物で対象者を認識する小型コンピュータである。
人差指で、銀色の部分をタッチする。
すると、プレートを起点とし上下に光が走る。
光が走った部分が、パカっと左右に箱が勝手に割れる。
「えっと……」
中にはちょこんと座ったニャンコみたいな黒い物体が、目を瞑った状態で招き猫の様に鎮座している。
口元には、クリアカラーのアクリル板の様な物を何かを咥えている。
兄様からのメッセージカードなのは分った。
それに、ちょんちょんと指先で軽く叩く。
透明なカードが、銀色に光る。
『起動を開始します』
と、金色の文字がプレートに浮かぶ。
「……」
すぅっと、ニャンコの目が開く。
ぱちぱち瞬きを数回するその姿は、可愛い。
首を動かし、私にプレートを受け取れと言う仕草を示す。
手を出すと、咥えていたそれをポトリと落とす。
手の中でプレートが強く輝き、プレート状に小さな3Dホログラムが出現した。
その姿は、間違いなく私の兄様。
「ナツキ、入学おめでとう。兄様からのプレゼントを同梱しておいた。受け取ってくれるよね? もし、困った事があれば彼に言うと良い。彼には、俺の緊急回線《ホットライン》を教えてある」
彼?
彼って事は、このニャンコちゃんは男の子と言う事なんだろう。
「詳しい事は彼に聞くと良い。また、学院、寮生活は大変だと思うが、まずは困ったら学院内にいるお爺様に相談する事を忘れないようにね。あと! 兄様は、皇太子候補との婚約は反対だから本当に嫌だったら言うんだよ!? その時は、何所へだって逃げてあげるからね! だから――――」
ぺちん。
右手でプレートを封じて起動を強制的に止める。
放っておけばどこまでも、延々と言いたい放題言うのが分っていたので思わず停止。
「兄様……」
心配なのは分るが、第三者(?)が居るのを分っていてシスコン振りを披露するのは勘弁して欲しい。
「初めまして。ナツキ様」
にゃんこが、じっとこちらを見詰めて口を開いた。
口から出たのは、予想通り「にゃぁー」ではなく、人の言葉。
キターーーーーー!!
兄様の保険、その二だっ!!!
ソファーとセットのテーブルの上に、ちょこんと載っている箱に。
「……?」
近付いてみる。
「コンピュータ、これはなに?」
室内に問い掛ける。
すると。
ピピと電子音と共に回答が返って来る。
『はい。これは我らがマスターよりのナツキ様宛のお荷物です』
「我ら? マスター?」
『我らと言うのは、寮を統括する管理脳や、この学院全てを管理する統合管理脳を御造りになった創造主とも言うべき御方コウ様です』
「あ~。兄様ね」
『はい。そうです。また、私の事はエデンとお呼び下さい。学院の統合管理脳はヘブンとお呼び下さい。緊急事態の際は、直接、我らに繋がります。通常の際は、コンピュータと問い掛けて構いませんし、トラブルで何所かに閉じ込められたとしてもその名で呼び掛けられたら我らは必ず応じますので』
うわー、兄様過保護過ぎ。
そうは言っても、前科があるからそこまでしてもきっと、し足りないんだろうけどね。
これは保険その一ってトコロだろう。
だとしたら、箱の中には保険その二がある可能性が高い。
「……」
箱を凝視する。
大きさは大体だけど、高さと幅40センチくらいの抱えて持ち運べる位の箱。
黒い金属の様な切れ目の無い箱の中央に、銀色の5センチ四方のプレートが嵌っている。
このプレートは、識別プレート呼ばれる物で対象者を認識する小型コンピュータである。
人差指で、銀色の部分をタッチする。
すると、プレートを起点とし上下に光が走る。
光が走った部分が、パカっと左右に箱が勝手に割れる。
「えっと……」
中にはちょこんと座ったニャンコみたいな黒い物体が、目を瞑った状態で招き猫の様に鎮座している。
口元には、クリアカラーのアクリル板の様な物を何かを咥えている。
兄様からのメッセージカードなのは分った。
それに、ちょんちょんと指先で軽く叩く。
透明なカードが、銀色に光る。
『起動を開始します』
と、金色の文字がプレートに浮かぶ。
「……」
すぅっと、ニャンコの目が開く。
ぱちぱち瞬きを数回するその姿は、可愛い。
首を動かし、私にプレートを受け取れと言う仕草を示す。
手を出すと、咥えていたそれをポトリと落とす。
手の中でプレートが強く輝き、プレート状に小さな3Dホログラムが出現した。
その姿は、間違いなく私の兄様。
「ナツキ、入学おめでとう。兄様からのプレゼントを同梱しておいた。受け取ってくれるよね? もし、困った事があれば彼に言うと良い。彼には、俺の緊急回線《ホットライン》を教えてある」
彼?
彼って事は、このニャンコちゃんは男の子と言う事なんだろう。
「詳しい事は彼に聞くと良い。また、学院、寮生活は大変だと思うが、まずは困ったら学院内にいるお爺様に相談する事を忘れないようにね。あと! 兄様は、皇太子候補との婚約は反対だから本当に嫌だったら言うんだよ!? その時は、何所へだって逃げてあげるからね! だから――――」
ぺちん。
右手でプレートを封じて起動を強制的に止める。
放っておけばどこまでも、延々と言いたい放題言うのが分っていたので思わず停止。
「兄様……」
心配なのは分るが、第三者(?)が居るのを分っていてシスコン振りを披露するのは勘弁して欲しい。
「初めまして。ナツキ様」
にゃんこが、じっとこちらを見詰めて口を開いた。
口から出たのは、予想通り「にゃぁー」ではなく、人の言葉。
キターーーーーー!!
兄様の保険、その二だっ!!!
0
あなたにおすすめの小説
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる