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第2章
対抗戦を切り抜けろ! 6 sideboys
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地面に敷かれた方陣内の中央は誰もいない空間地帯を挟んで、左陣は騎士団の面々、右陣は学院生徒達が立つ。
捕虜となったナツキとシエルが、その相手方の中央に陣地に居る。
その学院側の最先端にカグラとレーツェルが立っている。
「カグラ、ちょっと頼んでいい?」
真横に立つレーツェルは声を掛けてくる。カグラは表情を変えずに聞きかえす。
「何だ?」
「重力操作を」
「どの位の?」
「半分に」
「手を出せ」
「ほい」
レーツェルはカグラに掌を差し出す。
カグラは人差し指で、その掌の真ん中をちょいっと突く。
「重力調整」
シュルシュルと黒い文様が、レーツェルの掌に描かれる。
「お、軽くなった! 良く考えたらさぁ、今は騎士団所属じゃないから、ズルしても問題ない事に気付いてさぁ。本気でかかって来て良いならって思ったんだよね~」
腕を回しマジックアイテムの剣を抜いて、トントンと小さく飛び跳ねてレーツェルは確認する。
「確かに、学院側なら魔法は使い放題だな」
にやりと笑い合う。カグラとレーツェルは巻き込まれた腹いせに暴れてやろうと、目で会話する。
「そんじゃ、僕が攪乱し捲るから他のは任せるよ」
「ああ、解った。」
――――さぁ、戦闘開始だ。
カグラは、目の前の騎士見習い達を見据える。
戦闘開始の合図は、シエンが光の魔法で出す花火。
シエンが、スイッと杖を振る。その先から出た青い光を放つ光球が、中央地帯へ飛んでいく。
ドンと、青白い花火が中空で弾ける。
わあああああ!!と、歓声とも怒声ともつかない雄叫びが上がる。
レーツェルが、尋常じゃない速さで駆け出す。
カグラは腰のホルスターから黒の銃を左手で抜き、背後の自陣側に向って3発の銃弾を撃ち込む。その撃ち込まれた黒い弾丸が、ふよふよ、くるくる、自陣の周りを回る。次に、右手でスラリと黒の剣を抜き放ち、敵陣へ駆け出す。
カグラの目の前で繰り広げられるのは、ある意味おちょくった戦法で攪乱するレーツェルの姿だった。
敵の一部が放ってくる魔法を剣で受け跳躍し、剣戟に乗せ放ち返す。
「ほらぁ! 受け取れよ!」
「「「うわああああああああ!」」」
炎の波が剣から放たれ、一度に5~8人は巻き込んで退場にさせる。その際に着地用に、逃げ惑う見習いの頭を踏ん付けて、八艘跳びのようにヒョイヒョイピョンピョン跳び続ける。
当たり前だが、踏ん付けられた者は方陣から退場となる。
カグラは駆けながら、ガンガンガンと銃を撃つ。黒の銃弾が、騎士達の一部に届く。
「重力捕縛」
ぼそりと呟くと、黒の弾が3ヶ所で、ぶわーっと闇色の網が広がる。
「「うわああ!?」」
「「なんだこれ!?」」
網に捕縛された騎士の面々が、次の瞬間その場から消え去る。
自動的に負けに判定されて、方陣から弾かれたのだ。
しかし、闇色の網の魔法はその場に留まったままで絶賛稼働中だ。
「くそっ! おちょくりやがって!! 魔法を避けて一斉にかかれば俺達でも倒せる!」
「「おおーーー!!」」
こぞって網を避ける様に、カグラは自分の方へ剣を手に向かって来る騎士達を見て口角を上げる。
「手加減はしないから心して来い」
黒の銃をホルルターに戻し、両手で剣を持ち構える。
カグラの瞳に苛烈な色が宿る。
襲い来る数人の刃が降りる寸前、カグラの剣技によって持っていた筈の剣が弾き飛ばされる。
そして、声を上げる間もなく、強烈な横薙ぎをもろに食らって吹っ飛ばされる。
吹っ飛ばされた者に巻き込まれた者も一緒に退場になる。
「んなっ……」
一瞬の戦闘の勝敗に、ぎょっとして立ち止まる者もいて、そんな騎士達にカグラは冷ややかだが強い瞳を向ける。
「脆弱だな。これで本当に訓練をしているのか?」
「何だと!」
「面倒臭いし時間の無駄だ。今いる全員が一斉にかかって来いよ」
カグラは剣を向け、目の前に立ちはだかる20人に対して言い放つ。
見下された事に激怒したのか、顔を真っ赤にして一部の騎士達が叫ぶ。
「「やっちまえ!!」」
「「「うおおおおおお」」」
怒号を上げて、カグラに飛び掛かって行く。
「ガラが悪いな」
騎士としてはマイナスだろうと、カグラがそっと思う。
次々に振り下ろされる剣をスイスイっと避け、肩や腕、横っ腹や腰に、カグラは容赦なく剣でドカドカ入れて行く。
倒された騎士達が、苦悶の表情で崩れ落ちる寸前に方陣から退場になっていく。
掛けた時間は、正味2分程度の時間だった。
捕虜となったナツキとシエルが、その相手方の中央に陣地に居る。
その学院側の最先端にカグラとレーツェルが立っている。
「カグラ、ちょっと頼んでいい?」
真横に立つレーツェルは声を掛けてくる。カグラは表情を変えずに聞きかえす。
「何だ?」
「重力操作を」
「どの位の?」
「半分に」
「手を出せ」
「ほい」
レーツェルはカグラに掌を差し出す。
カグラは人差し指で、その掌の真ん中をちょいっと突く。
「重力調整」
シュルシュルと黒い文様が、レーツェルの掌に描かれる。
「お、軽くなった! 良く考えたらさぁ、今は騎士団所属じゃないから、ズルしても問題ない事に気付いてさぁ。本気でかかって来て良いならって思ったんだよね~」
腕を回しマジックアイテムの剣を抜いて、トントンと小さく飛び跳ねてレーツェルは確認する。
「確かに、学院側なら魔法は使い放題だな」
にやりと笑い合う。カグラとレーツェルは巻き込まれた腹いせに暴れてやろうと、目で会話する。
「そんじゃ、僕が攪乱し捲るから他のは任せるよ」
「ああ、解った。」
――――さぁ、戦闘開始だ。
カグラは、目の前の騎士見習い達を見据える。
戦闘開始の合図は、シエンが光の魔法で出す花火。
シエンが、スイッと杖を振る。その先から出た青い光を放つ光球が、中央地帯へ飛んでいく。
ドンと、青白い花火が中空で弾ける。
わあああああ!!と、歓声とも怒声ともつかない雄叫びが上がる。
レーツェルが、尋常じゃない速さで駆け出す。
カグラは腰のホルスターから黒の銃を左手で抜き、背後の自陣側に向って3発の銃弾を撃ち込む。その撃ち込まれた黒い弾丸が、ふよふよ、くるくる、自陣の周りを回る。次に、右手でスラリと黒の剣を抜き放ち、敵陣へ駆け出す。
カグラの目の前で繰り広げられるのは、ある意味おちょくった戦法で攪乱するレーツェルの姿だった。
敵の一部が放ってくる魔法を剣で受け跳躍し、剣戟に乗せ放ち返す。
「ほらぁ! 受け取れよ!」
「「「うわああああああああ!」」」
炎の波が剣から放たれ、一度に5~8人は巻き込んで退場にさせる。その際に着地用に、逃げ惑う見習いの頭を踏ん付けて、八艘跳びのようにヒョイヒョイピョンピョン跳び続ける。
当たり前だが、踏ん付けられた者は方陣から退場となる。
カグラは駆けながら、ガンガンガンと銃を撃つ。黒の銃弾が、騎士達の一部に届く。
「重力捕縛」
ぼそりと呟くと、黒の弾が3ヶ所で、ぶわーっと闇色の網が広がる。
「「うわああ!?」」
「「なんだこれ!?」」
網に捕縛された騎士の面々が、次の瞬間その場から消え去る。
自動的に負けに判定されて、方陣から弾かれたのだ。
しかし、闇色の網の魔法はその場に留まったままで絶賛稼働中だ。
「くそっ! おちょくりやがって!! 魔法を避けて一斉にかかれば俺達でも倒せる!」
「「おおーーー!!」」
こぞって網を避ける様に、カグラは自分の方へ剣を手に向かって来る騎士達を見て口角を上げる。
「手加減はしないから心して来い」
黒の銃をホルルターに戻し、両手で剣を持ち構える。
カグラの瞳に苛烈な色が宿る。
襲い来る数人の刃が降りる寸前、カグラの剣技によって持っていた筈の剣が弾き飛ばされる。
そして、声を上げる間もなく、強烈な横薙ぎをもろに食らって吹っ飛ばされる。
吹っ飛ばされた者に巻き込まれた者も一緒に退場になる。
「んなっ……」
一瞬の戦闘の勝敗に、ぎょっとして立ち止まる者もいて、そんな騎士達にカグラは冷ややかだが強い瞳を向ける。
「脆弱だな。これで本当に訓練をしているのか?」
「何だと!」
「面倒臭いし時間の無駄だ。今いる全員が一斉にかかって来いよ」
カグラは剣を向け、目の前に立ちはだかる20人に対して言い放つ。
見下された事に激怒したのか、顔を真っ赤にして一部の騎士達が叫ぶ。
「「やっちまえ!!」」
「「「うおおおおおお」」」
怒号を上げて、カグラに飛び掛かって行く。
「ガラが悪いな」
騎士としてはマイナスだろうと、カグラがそっと思う。
次々に振り下ろされる剣をスイスイっと避け、肩や腕、横っ腹や腰に、カグラは容赦なく剣でドカドカ入れて行く。
倒された騎士達が、苦悶の表情で崩れ落ちる寸前に方陣から退場になっていく。
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