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ゲスいヒロイン思考は、死ななきゃなおらない?3
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開いた扉からゆっくりと入って来るのは、帯剣した女性騎士二人。紺色の騎士服を着用している。二人の背丈は同じで、髪はショートの金髪と、黒髪をポニーテールで結わいていて対象的だった。
その二人の女性騎士の後方から姿を現した年配の一人の男性。
どこかで見掛けた気がする。
「……?」
あたしは記憶の糸を辿る。
あ、そう言えばさっきの会場に居た。確か、イミテ王子のパパの隣にいた気がする。たぶん。
あたしはじっと彼らを見詰める。目に力を入れて、何時でも泣けるように準備して。
「それを出せ」
低い声で、男性が言う。
「はい」
女性騎士の金髪が、ポケットから鍵を取り出す。鉄格子の鍵穴に差し込み、回すとカチャンと音がした。
金髪が鉄格子の扉を開き、黒髪の女性騎士が腰を屈めて手をこちらに伸ばす。
「え?」
あたしの左腕が掴まれる。軽くではなく、強い力で。
「いたっ!」
そのままぐいっと、外へ引っ張られる。
外に出されると、逆の腕を金髪に押さえられるように掴まれ、背後の鉄格子に押さえ付けられた。
「痛いわよっ! もっと優しくしなさいよ!」
イラッとしたので、あたしは思わず言い返す。
未来の王妃になんてことするのよ、こいつらは!
「……聞きしに勝る程の愚かさだな。流石、バカ兄貴を落としただけはあるな」
凛とした声が響く。年配の男性は口を開いてはいない。
「宰相」
声がする。するりと衣擦れの音と共に、男性の真横にローブを纏った色違いのイミテ王子が突如現れた。
「え!?」
目に飛び込むのは、エメラルドの髪。瞳はイミテ王子と同じ瑠璃色。容貌は同じ美形だけど、違うのは鋭利な視線。ローブの合わせから見える、精悍な体つきだった。
その二人の女性騎士の後方から姿を現した年配の一人の男性。
どこかで見掛けた気がする。
「……?」
あたしは記憶の糸を辿る。
あ、そう言えばさっきの会場に居た。確か、イミテ王子のパパの隣にいた気がする。たぶん。
あたしはじっと彼らを見詰める。目に力を入れて、何時でも泣けるように準備して。
「それを出せ」
低い声で、男性が言う。
「はい」
女性騎士の金髪が、ポケットから鍵を取り出す。鉄格子の鍵穴に差し込み、回すとカチャンと音がした。
金髪が鉄格子の扉を開き、黒髪の女性騎士が腰を屈めて手をこちらに伸ばす。
「え?」
あたしの左腕が掴まれる。軽くではなく、強い力で。
「いたっ!」
そのままぐいっと、外へ引っ張られる。
外に出されると、逆の腕を金髪に押さえられるように掴まれ、背後の鉄格子に押さえ付けられた。
「痛いわよっ! もっと優しくしなさいよ!」
イラッとしたので、あたしは思わず言い返す。
未来の王妃になんてことするのよ、こいつらは!
「……聞きしに勝る程の愚かさだな。流石、バカ兄貴を落としただけはあるな」
凛とした声が響く。年配の男性は口を開いてはいない。
「宰相」
声がする。するりと衣擦れの音と共に、男性の真横にローブを纏った色違いのイミテ王子が突如現れた。
「え!?」
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