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番外編・2
コッコラ王国の悲劇・15
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「議会は即決したようね。皇王様もすぐ首を縦に振ったそうよ」
「ふむ」
秘書官のリュリュから一枚の書面を手渡されると、頷きながらザッと目を通してデスクに置く。
「皇国に威勢良く歯向かってくる連中が、何百年といなかったからな。きっとお祭り気分で出陣するんだろう」
ベルトルドはこれといって、興味なさそうに言い捨てた。
コッコラ王国の謀反を鎮めるべく、皇国は正規部隊を派兵することを決断した。それについての議会の報告が、書面には綴られている。
「備蓄分を使い果たすまではまだ数年余裕もあることだけど、あんまり悠長に構えすぎても価格が高騰するのは目に見えているしネ。ま、今回はあーたの出番はないわよ。おとなしく政務に励むことね」
コンパクトを開いて化粧崩れをチェックしながら、リュリュは素っ気なく言った。その様子を一瞥しながら、ベルトルドはデスクの下で、足をぷらーんぷらーんと動かす。
「俺もたまには、どっかーんと派手に力を振り回して暴れたいなあ」
両手を上に上げて、爆発のイメージを描く。
「あーたがどかーんと力振り回したら、大惨事になるでしょっ!」
タレ目でキッと睨まれ、ベルトルドはいたずらっ子のように首をすくめる。
「だって、毎日毎日アルカネットの小言責めで、ストレス溜まってるんだもん」
「なにが”もん”よ可愛子ぶって。こないだのハッキネン子爵夫人との浮気が社交界にバレて、その尻拭いにアルカネットをコキ使ったからでしょ」
「アレはハッキネン子爵夫人が勝手に誘ってきただけで、俺は悪くないんだぞ」
眉をヒクヒクとひくつかせながら、ベルトルドは精一杯言い返してみるが、リュリュからは冷ややかな視線を返されるだけだった。
事実、浮気の誘いはハッキネン子爵夫人からだったが、それに浮気と判った上でわざわざ乗るほうはもっと悪い。
ベルトルドからしてみたら、一時の性的欲求を解消する為だけに誘いに乗った。しかし相手のハッキネン子爵夫人が本気になって、それは醜い騒動に発展してしまったのだ。そしてこういったことは、何も今に始まったことではないのである。
「毎度毎度、懲りずにボウフラみたいに湧き起こる、あーたの下半身騒動に巻き込まれるアルカネットの身にもなってあげなさい」
「あのな……」
「そんなに下半身ビンビンしてるんだったら、アレの上手い男を紹介してあげるわよ」
「男相手に勃つか!!」
ドンッとデスクを拳で叩く。
「じゃあ、アタシが抜いてあげましょうか」
「オカマにも勃たん!!!」
叫んだ瞬間、動物が獲物を狙い定めるような、狩人のような視線を感じ、ベルトルドはハッとなる。
視線が熱く注がれる股間を両手でガッチリガードすると、ベルトルドはスタイリッシュチェアごとズズーッと後退った。
(マズイぞ…あの目、本気と書いてマジと読むモードだ)
ベルトルドは全身から汗を噴き出しながら、睨まれたカエルのように硬直する。
「アタシね、あーたのぶっとい暴れん棒を、両手でこう、シコシコするのが大好きなのン。でも、このところ女遊びが酷いようだから、たっぷり、たっぷり、この口で舐めしゃぶってあ・げ・るっ」
リュリュのタレ目が妖しく細まる。そして、大きな口がいやらしく半開きになり、恍惚とした吐息がフウッと漏れた。
「ふむ」
秘書官のリュリュから一枚の書面を手渡されると、頷きながらザッと目を通してデスクに置く。
「皇国に威勢良く歯向かってくる連中が、何百年といなかったからな。きっとお祭り気分で出陣するんだろう」
ベルトルドはこれといって、興味なさそうに言い捨てた。
コッコラ王国の謀反を鎮めるべく、皇国は正規部隊を派兵することを決断した。それについての議会の報告が、書面には綴られている。
「備蓄分を使い果たすまではまだ数年余裕もあることだけど、あんまり悠長に構えすぎても価格が高騰するのは目に見えているしネ。ま、今回はあーたの出番はないわよ。おとなしく政務に励むことね」
コンパクトを開いて化粧崩れをチェックしながら、リュリュは素っ気なく言った。その様子を一瞥しながら、ベルトルドはデスクの下で、足をぷらーんぷらーんと動かす。
「俺もたまには、どっかーんと派手に力を振り回して暴れたいなあ」
両手を上に上げて、爆発のイメージを描く。
「あーたがどかーんと力振り回したら、大惨事になるでしょっ!」
タレ目でキッと睨まれ、ベルトルドはいたずらっ子のように首をすくめる。
「だって、毎日毎日アルカネットの小言責めで、ストレス溜まってるんだもん」
「なにが”もん”よ可愛子ぶって。こないだのハッキネン子爵夫人との浮気が社交界にバレて、その尻拭いにアルカネットをコキ使ったからでしょ」
「アレはハッキネン子爵夫人が勝手に誘ってきただけで、俺は悪くないんだぞ」
眉をヒクヒクとひくつかせながら、ベルトルドは精一杯言い返してみるが、リュリュからは冷ややかな視線を返されるだけだった。
事実、浮気の誘いはハッキネン子爵夫人からだったが、それに浮気と判った上でわざわざ乗るほうはもっと悪い。
ベルトルドからしてみたら、一時の性的欲求を解消する為だけに誘いに乗った。しかし相手のハッキネン子爵夫人が本気になって、それは醜い騒動に発展してしまったのだ。そしてこういったことは、何も今に始まったことではないのである。
「毎度毎度、懲りずにボウフラみたいに湧き起こる、あーたの下半身騒動に巻き込まれるアルカネットの身にもなってあげなさい」
「あのな……」
「そんなに下半身ビンビンしてるんだったら、アレの上手い男を紹介してあげるわよ」
「男相手に勃つか!!」
ドンッとデスクを拳で叩く。
「じゃあ、アタシが抜いてあげましょうか」
「オカマにも勃たん!!!」
叫んだ瞬間、動物が獲物を狙い定めるような、狩人のような視線を感じ、ベルトルドはハッとなる。
視線が熱く注がれる股間を両手でガッチリガードすると、ベルトルドはスタイリッシュチェアごとズズーッと後退った。
(マズイぞ…あの目、本気と書いてマジと読むモードだ)
ベルトルドは全身から汗を噴き出しながら、睨まれたカエルのように硬直する。
「アタシね、あーたのぶっとい暴れん棒を、両手でこう、シコシコするのが大好きなのン。でも、このところ女遊びが酷いようだから、たっぷり、たっぷり、この口で舐めしゃぶってあ・げ・るっ」
リュリュのタレ目が妖しく細まる。そして、大きな口がいやらしく半開きになり、恍惚とした吐息がフウッと漏れた。
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