110 / 882
ナルバ山の遺跡編
episode107
しおりを挟む
そんなに距離は進まず、直ぐに目的の場所に着いたようで、小さな窖だった。メルヴィンが足元にスッと灯りをかざすと、ひと組の男女が倒れている姿が浮き上がった。
「あれっ?」
メルヴィンの後ろから顔を出すと、キュッリッキは跳ね上がって驚き、勢い付けて男女に飛びついた。
「ちょっとハドリーとファニーじゃない!! どうしたのよねえ、起きてってばっ!!」
意識を失ってる2人の胸ぐらを掴んで、逞しくグイッと引き寄せると、容赦のない勢いでブンブン前後に揺さぶる。揺さぶられるたびに、2人の頭がゴチンゴチンと当たって、見ていて痛そうだ。
「リッキーさん、それはちょっと…」
メルヴィンがやんわりと止めるが、聞く耳持たずで2人をブンブン揺さぶり回したあと、ファニーのほうを乱暴に投げ出し、あいた片手でハドリーの髭面に往復ビンタを叩き込む。手加減なしの容赦なし。狭い窖にビシバシと音が反響する。
「い…いででっ……痛い痛いいい加減にしろコラッ!!」
さすがに気づいたハドリーが、キュッリッキの手を振りほどこうとして身をもがいた。だが、腕も身体も厳重に縛り上げられていて、身体をクネクネと動かすだけだった。
「気がついたんだね、ハドリー!」
にぱっと笑顔のキュッリッキを、ハドリーは目を細めて冷ややかに見やり、深々とため息をついた。
「あのな、もうちょっと優しく起こしてくれ…」
「えへへ…ゴメンなの」
ちっとも反省してないキュッリッキをもう一度睨んで、ハドリーは身体を横に向けて腰を上げる。
「この短剣で縄を切ってくれ。それとファニーを起こしてやらねーと」
「うん」
「オレがやりましょう。これを持っててください、リッキーさん」
黙って成り行きを見ていたメルヴィンは、灯りをキュッリッキに手渡して、ハドリーの腰にある短剣を引き抜いた。
「これだけ頑丈に縛っていたら、リッキーさんの力じゃ、かえって君を傷つけてしまいそうです」
「うむ、確かに…」
「えー…」
心外なんだよーと文句を垂れるキュッリッキを無視して、縄から解放されたハドリーは、往復ビンタされた頬を痛そうに撫でる。
メルヴィンはファニーの縄も切りはずしてやると、そっと抱き起こして、軽く揺すった。
「すまん、ちょっと起こすの待ってくれ」
ハドリーは素早くメルヴィンの手を抑えて止める。メルヴィンは不思議そうに首をかしげた。
「?」
ハドリーは軽く肩をすくめる。
「そいつが目を覚ますと猛烈に喧しいから、先に色々話しておきたいことがあるんだ」
「……判りました」
メルヴィンは頷くと、そのままファニーを抱き上げた。
「外に出ましょうか」
「あれっ?」
メルヴィンの後ろから顔を出すと、キュッリッキは跳ね上がって驚き、勢い付けて男女に飛びついた。
「ちょっとハドリーとファニーじゃない!! どうしたのよねえ、起きてってばっ!!」
意識を失ってる2人の胸ぐらを掴んで、逞しくグイッと引き寄せると、容赦のない勢いでブンブン前後に揺さぶる。揺さぶられるたびに、2人の頭がゴチンゴチンと当たって、見ていて痛そうだ。
「リッキーさん、それはちょっと…」
メルヴィンがやんわりと止めるが、聞く耳持たずで2人をブンブン揺さぶり回したあと、ファニーのほうを乱暴に投げ出し、あいた片手でハドリーの髭面に往復ビンタを叩き込む。手加減なしの容赦なし。狭い窖にビシバシと音が反響する。
「い…いででっ……痛い痛いいい加減にしろコラッ!!」
さすがに気づいたハドリーが、キュッリッキの手を振りほどこうとして身をもがいた。だが、腕も身体も厳重に縛り上げられていて、身体をクネクネと動かすだけだった。
「気がついたんだね、ハドリー!」
にぱっと笑顔のキュッリッキを、ハドリーは目を細めて冷ややかに見やり、深々とため息をついた。
「あのな、もうちょっと優しく起こしてくれ…」
「えへへ…ゴメンなの」
ちっとも反省してないキュッリッキをもう一度睨んで、ハドリーは身体を横に向けて腰を上げる。
「この短剣で縄を切ってくれ。それとファニーを起こしてやらねーと」
「うん」
「オレがやりましょう。これを持っててください、リッキーさん」
黙って成り行きを見ていたメルヴィンは、灯りをキュッリッキに手渡して、ハドリーの腰にある短剣を引き抜いた。
「これだけ頑丈に縛っていたら、リッキーさんの力じゃ、かえって君を傷つけてしまいそうです」
「うむ、確かに…」
「えー…」
心外なんだよーと文句を垂れるキュッリッキを無視して、縄から解放されたハドリーは、往復ビンタされた頬を痛そうに撫でる。
メルヴィンはファニーの縄も切りはずしてやると、そっと抱き起こして、軽く揺すった。
「すまん、ちょっと起こすの待ってくれ」
ハドリーは素早くメルヴィンの手を抑えて止める。メルヴィンは不思議そうに首をかしげた。
「?」
ハドリーは軽く肩をすくめる。
「そいつが目を覚ますと猛烈に喧しいから、先に色々話しておきたいことがあるんだ」
「……判りました」
メルヴィンは頷くと、そのままファニーを抱き上げた。
「外に出ましょうか」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
Millennium226 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 6】 ― 皇帝のいない如月 ―
kei
歴史・時代
周囲の外敵をことごとく鎮定し、向かうところ敵なし! 盤石に見えた帝国の政(まつりごと)。
しかし、その政体を覆す計画が密かに進行していた。
帝国の生きた守り神「軍神マルスの娘」に厳命が下る。
帝都を襲うクーデター計画を粉砕せよ!
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
Radiantmagic-煌炎の勇者-
橘/たちばな
ファンタジー
全てを創世せし神によって造られた、様々な種族が生息する世界──その名はレディアダント。
世界は神の子孫代々によって守られ、幾多の脅威に挑みし者達は人々の間では英雄として語り継がれ、勇者とも呼ばれていた。
そして勇者の一人であり、大魔導師となる者によって建国されたレイニーラ王国。民は魔法を英雄の力として崇め、王国に住む少年グライン・エアフレイドは大魔導師に憧れていた。魔法学校を卒業したグラインは王国を守る魔法戦士兵団の入団を志願し、入団テストを受ける事になる。
一つの試練から始まる物語は、やがて大きな戦いへと発展するようになる──。
※RPG感のある王道路線型の光と闇のファンタジーです。ストーリー内容、戦闘描写において流血表現、残酷表現が含まれる場合もあり。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話
トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる