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モナルダ大陸戦争開戦へ編
episode361
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天井からの怒号に、改札方面から5人の男が飛び出してきた。
ソレル王国の軍服をまとっているが、その顔つきは明らかに傭兵だった。手に大型の武器を持っているところから、戦闘の武器系スキル〈才能〉持ちばかりのようだ。
「ルーファスさん、天井に潜んでいたのはアサシンです。不意打ちに気をつけていてください。小刀は両手に刺さったのを感じたけど、あまり効果はなさそうです」
「おっけー。――ベルトルド様のような絶対防御、オレもほしいな」
ぼやくように言うと、ルーファスは己の周りに四角い壁のようなイメージで防御を張った。簡単に物理攻撃や魔法攻撃を通さない防御壁だ。
ベルトルドの絶対防御は、ベルトルドただひとりが持ち得るサイ《超能力》の能力の一つ、空間転移によるものである。
明らかな殺意や敵意の攻撃は、ベルトルド自身が気づいていなくても、無意識的に能力が発動して攻撃を消失させる。
なぜそんな神がかりな力が働くのかは、ベルトルドもよく判らないらしい。気がついたら使えるようになっていたという。
もっとも便利な半面、この能力の恐ろしいところは、たとえ殺意や悪意はなくても、身体に衝撃を与えようとする――抱きついてきたり、ふざけ半分で叩いたり――とそれも空間転移させてしまうことだ。
ベルトルド自身が認識していれば発動しないが、死角から不意打ちのようにすれば能力でかわされてしまう。そして転移させられた先はベルトルドにも判らないので、行方不明になるのがオチだった。
それを理解してベルトルドを殴ることができるのは、この世でアルカネットとリュリュだけである。最近キュッリッキも加わった。
そういう意味では、絶対防御という表現は少々おかしいが。
ルーファスが防御を張って自己防衛したことを確認し、メルヴィンは手にしていた爪竜刀を構えた。
(わざわざ切り結ぶ必要はありませんね)
精悍な顔つきで突進してくる傭兵たちをじっと見据えると、まだ射程圏外にいる傭兵たちに向けて、構えていた剣をスッと横になぎ払った。
空気が蜃気楼のように波打ち歪み、それが波紋のように瞬時に傭兵たちに届いた。
何事もなかったかのように傭兵たちは走っていた。しかしそれは奇妙な光景だった。
武器を構える傭兵たちの上半身はその場に留まり、下半身だけが走っていた。そして突如思い出したように唐突に足をもつれさせ、膝をついて地面に転がる。
下半身を失った上半身のみの傭兵たちは、何が起こったか理解せぬまま、血を吐き、斬られた胴から大量の血や内蔵を撒き散らして、地面にベシャリと崩れ落ちた。
「エグイね、相変わらず」
苦笑混じりにルーファスに言われ、メルヴィンはほんの少し口元に笑みを浮かべた。
「リッキーさんが見ていませんから」
ソレル王国の軍服をまとっているが、その顔つきは明らかに傭兵だった。手に大型の武器を持っているところから、戦闘の武器系スキル〈才能〉持ちばかりのようだ。
「ルーファスさん、天井に潜んでいたのはアサシンです。不意打ちに気をつけていてください。小刀は両手に刺さったのを感じたけど、あまり効果はなさそうです」
「おっけー。――ベルトルド様のような絶対防御、オレもほしいな」
ぼやくように言うと、ルーファスは己の周りに四角い壁のようなイメージで防御を張った。簡単に物理攻撃や魔法攻撃を通さない防御壁だ。
ベルトルドの絶対防御は、ベルトルドただひとりが持ち得るサイ《超能力》の能力の一つ、空間転移によるものである。
明らかな殺意や敵意の攻撃は、ベルトルド自身が気づいていなくても、無意識的に能力が発動して攻撃を消失させる。
なぜそんな神がかりな力が働くのかは、ベルトルドもよく判らないらしい。気がついたら使えるようになっていたという。
もっとも便利な半面、この能力の恐ろしいところは、たとえ殺意や悪意はなくても、身体に衝撃を与えようとする――抱きついてきたり、ふざけ半分で叩いたり――とそれも空間転移させてしまうことだ。
ベルトルド自身が認識していれば発動しないが、死角から不意打ちのようにすれば能力でかわされてしまう。そして転移させられた先はベルトルドにも判らないので、行方不明になるのがオチだった。
それを理解してベルトルドを殴ることができるのは、この世でアルカネットとリュリュだけである。最近キュッリッキも加わった。
そういう意味では、絶対防御という表現は少々おかしいが。
ルーファスが防御を張って自己防衛したことを確認し、メルヴィンは手にしていた爪竜刀を構えた。
(わざわざ切り結ぶ必要はありませんね)
精悍な顔つきで突進してくる傭兵たちをじっと見据えると、まだ射程圏外にいる傭兵たちに向けて、構えていた剣をスッと横になぎ払った。
空気が蜃気楼のように波打ち歪み、それが波紋のように瞬時に傭兵たちに届いた。
何事もなかったかのように傭兵たちは走っていた。しかしそれは奇妙な光景だった。
武器を構える傭兵たちの上半身はその場に留まり、下半身だけが走っていた。そして突如思い出したように唐突に足をもつれさせ、膝をついて地面に転がる。
下半身を失った上半身のみの傭兵たちは、何が起こったか理解せぬまま、血を吐き、斬られた胴から大量の血や内蔵を撒き散らして、地面にベシャリと崩れ落ちた。
「エグイね、相変わらず」
苦笑混じりにルーファスに言われ、メルヴィンはほんの少し口元に笑みを浮かべた。
「リッキーさんが見ていませんから」
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