私の嫁？はインキュバス

Cling to glory -翼の非日常-

閑話6 As it is 後編

朝食食べ終えた翼はバタバタと動き出した。着替えてるのかな。ふわっと制汗剤と精気の甘い香りが翼ちゃんの部屋からすると朝から大量にヨダレが溢れちゃう。
着替え終わった翼は洗面所に行き、鼻歌を歌いながら歯磨きをしてからの化粧し終わりリビングに来る。狸寝入りまた続行。

「おーいエイレン、朝だよ。休みでも起きなよ」
今日は学校臨時休校になったので、動くとしたら喫茶店のバイトだけ。
肩を掴まれ揺さぶられる。翼に触られて幸せと自然と笑顔になっちゃう。
そうしたら翼は俺の両頬抓って少し横に引っ張っぱる。何故か翼が頬を弄るのがツボにハマったのか手のひらでくるくる回したりして触っていたら中指が下唇に当たった。
翼の指先が下唇の輪郭に沿ってゆっくりと触れる。ちょっとこれエロいよ、くすぐったいのとピリピリする変な感覚に襲われるし、その指を舐めたり咥えたりしたくなる。
薄目を開けると、俺の事を熱っぽい潤んだ瞳でジッと見つめ生唾を飲む翼の姿が。
今起きて襲いかかっても大丈夫だよね。でも、このまま狸寝入りした方が得策と直感が働いたのでそのままで。
(勿論、動画もそのままで)

ソファーの下で正座をしだし、独り言を翼がブツブツ言い出す。
「今日頑張るお守りだよね。べっ、別にエッチな理由とかじゃないんだからね。エイレンの唇の感触を私の唇で試したいとかじゃなくてさ」

ちょっと待て！え！えっ！まさか翼からのキス？？目を思い切り見開いて翼の顔をガン見したい。そこから抱きしめて息も出来ないくらいのディープキスをしまくりたいが、緊張で動く事が出来ない。何とか薄目は開けられたので開けると超至近距離に翼の顔が。翼の吐息が顔にかかると俺の胸の鼓動の高鳴りが激しくなる。翼の胸の鼓動も高鳴っているのでバレてないよな。

自分がしたかった事をされる悔しさ、でも翼からされる嬉しさ。まあ、今は考えずに翼に全て委ねよう。目を閉じて体の力を抜く。

ソファーに手を置いたのか、そこの部分に体重かかかって軽く沈んだと思ったらお互いの唇が触れあい”チュッ”とリップ音がするキスをした。触れた翼の唇は柔らかくて、ミントの味がする。歯磨き粉の味だろうな。
キスが終わると翼は俺に背中を向けて
「いょっし、今日も仕事頑張ろう。じゃあエイレンいってきまーす」
そう言って玄関に向かい靴を履き家を出た。
翼の気配が遠かったのを確認すると汗だくで飛び起きた。
「ハァハァ、ハァハァ」

シャツが汗でベトベトしているのでルームウェアと一緒に脱ぎ洗濯籠へ投げ入れる。
昨日のバスタオルがあったので上半身の汗を拭いている間に少し落ち着いてきた。
まずは狸寝入りした直感に感謝。起きたら翼絶対キスしてくれなかった。

スマホを取り出して動画の確認をしようとしたその時、スマホにメール着信の文字が。翼かなと思ってみると悠理さんから。
開いて見る・・・削除っと。
あれは完全に呪詛だよなって感じの本文。
今日は外出ないで家で大人しくしてた方がいいなと言う事で今日は喫茶店のバイトは休みますと祐香里にメールし、すぐに返信が来て

『賢明な判断です。今日はもう1人のバイト君とで何とかなりそうなので』

背筋がゾクッとした。上半身裸だからかな
急いで着替えて朝食食べよう。
白いYシャツにグレーのセーター、黒のジーパンとラフな格好に着替えて冷蔵庫に入ってるだし巻き卵をレンチンしてる間にスープ温めてご飯をよそう。
食べ盛りの青年にとっては一汁一菜は足りないので冷凍の唐揚げをチン。
あったかいうちにいただきますと食べようとしたけど、なんだか寂しいのでスマホスタンドを置いて目の前に翼がいる感じで
この間幻に消えた食べ合いっこ風の動画を撮り翼に送った。

昼ご飯は、祐香里さんのあのハンバーグスパゲティのミートソースを挟んだホットサンドが冷蔵庫の奥に入って温め(半分にして１つはそのままで２つは翼お勧めのチーズ乗せ)食べたら体がジタバタする程美味しかった。
その後は部屋にこもって論文書いたり、掃除機で掃除したりと一応有意義に過ごしました。