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Leute, die sich nicht treffen wollen

51話

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雀の囀りで目が覚める。

「んんっ!!』と伸びをしてから机を見ると昨日買った桜の香炉が置いてあるのに気付きうつ伏せになり枕に顔を埋めて足をジタバタさせた。

「あーっ!!!なんでまた忘れちゃったんだ!!自分!!!折角恋人になれたのにぃぃっ!!!話したい事いっぱいあったのにぃぃぃっっ!!!!」

悔やんでも後の祭り
今夜は忘れるな自分!!!と”ガバッ”と起き上がると目の前にはむくれた表情のぴよりが飛んでいたので向こう側に居るであろうアウフォさんがほっぺを膨らませてむくれている姿が浮かんで土下座をした。

ぴよりは私の頭の上に止まり「ぴよんっ!!!」とうさぎか!と突っ込みたくなるドヤ感満載の鳴き声をしたので大爆笑をしてしまった。

そんな私の笑い声を聞きつけたのか(単にうるさいから注意しに来たのだろう)羊さんパジャマのシュゼルちゃんにアンヌ嬢とゾリス君に眞守とゲイリューンが部屋に来たので朝の挨拶をしたら頭上のぴよりが「ぴょっ!」と鳴いたが、鳴き方が『おいっす!!』だったので皆も大爆笑してしまった。

なかなか来ないみたいなので迎えに来たユーリ笑い悶えている私達を生暖かい眼差しを向けていたのは何か解せぬ。

今朝は顔に絆創膏を付けた煌国王陛下も同席しての一口サイズのお惣菜が敷き詰められた和食のお重朝食。
特に、魔力と疲労回復を主とした食材が多く使われてるとの料理長からの説明。

朝食後は煌国王陛下からこれからの話を。
私達が神獣様の所(神域)に行っている間にも天変地異が起きていたそうでショウ姉が地脈を探り出し楔を入れたと同時に神域魔力が満ちおさまったと。

「震源地であるハインザイール国の被害は我が国の比ではなくドヴァサ女王からも「さっさと連れて来い」と催促の嵐が来ているので早速ハインザイール国に向かって欲しい。ハインザイール国に着いたらドヴァサ女王との接見後に魔術官がすぐに神殿へ転送して参拝して貰いたい。今回は特別に『皇道』を使える様にしたからハインザイールまでは5時間で到着する予定だ」

それを聞いたマユはすぐさま立ち上がり国王陛下に一礼をして部屋を後にし、バカ王子も遅れて立ち上がり国王陛下に一礼してからマユの後を追った。

「へぇ~、アイツが進んでいごくなんて『未』にこってりしごかれたのかしらねぇ。皆んなともっと話したかったけど、もうお別れは残念だわ。これが終わったらまた遊びに来てね。御池や神獣達も『色々な話』聞きたいって言ってたから」

マユとバカ王子と入れ違いで普通に入って来たショウ姉こと国神ショウグスクン様は意味深な笑顔を浮かべながら私たちを見回した。

私達も急いで馬車に乗り込まないといけないので部屋を後にしようとした時にショウ姉は握手を求めた。

別れの握手かなと皆一列に並びショウ姉と握手すると「うわっ!!」や「うぉっ!!」などと声が出ていた。

私の順番になりニコニコ顔のショウ姉から両手で握手をしたら久しぶりの身体中に暖かい何かが駆け巡り声が出そうになった。
目の前のショウ姉は満面の微笑みで私の頭を撫で始めた。

「いやー、やっと・やっとツバサちゃんに加護をあげれて良かったわ。ちなみに『契約スキル』分かりやすく言うと『ティム』ね。うちら神がほんまの姿になったら確実にティム出来るレベルよ。そして、この世界の神全てから加護を貰ったって事でおもろい・・・いつかおもろいことが起きるから」

最後の方は少し視線外したぞショウ姉?側から見たら面白いことほど当事者にとっては地獄になる確率高いからね!!

準備も早々に終わらせて、菲黎さんや女官さん達に国王陛下にショウ姉に挨拶して馬車に乗り込むと目の前の道が下り坂になり地下へ向かった。

今回は、眞守とゲイリューンと同乗することになった。
「普段は王族しか使えない地下道を使えるなんてそれだけ緊急事態なんだね」

そう興味津々の眞守の膝の上にチョコンと座っているマッシュルーム(ワ◯メちゃん?)ヘアーでアラジンコスのゲイリューンは前に見た幼稚園児から小学低学年くらいの愛らしい姿だった。
ん?確か昨日の和菓子屋では中学生くらいの背だったよな。
そんな私の考えを眞守は読んだのかゲイリューンの事を話してくれた。

「彼は朝幼児、昼少年、夜青年に変わるのよ。ちなみに、髪の色も日によって変わるの。今日は水の月の日だから青色ね。それを治すために色々と魔術スキルを探しているの。イザと言う時はこれに魔力溜めているからそれを使って成長させたりもするわ。それやっちゃうと、魔力大量摂取で簡単に言うと『魔力中毒』『魔力ラリ』でテンションがパーンっと上がって2つ名の『天災魔導士』や『歩く災害』の出来上がり」

馬車の揺れが気持ちいいのかウトウトしているゲイリューンの耳を見せるとかなりの数のイヤカフやピアスを付けていた。
異世界系の小説には膨大な魔力を抑えるためにイヤーアクセを付けると言う話だがこれは逆なのかな。

後は当たり障りのない世間話で盛り上がり特に恋愛話で盛り上がりました。

アンヌ嬢は前世でゾリス君が神推しで積極的にアタックしているが暖簾に腕押しで上手くいかないとかなかなか帰ってこないランジュさんを心配してシュゼルちゃんは夜な夜な枕を涙で濡らしているとか。
ちなみに、眞守とゲイリューンの馴れ初めは。ブカブカのローブを着て王宮の廊下を走っていて裾を踏んで転び涙を堪える姿に萌えて助けたら笑顔でお礼andほっぺらにkiss

「あれで惚れたわ。全世界が惚れる」
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