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Vorwort zur Erosion

54話

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時間的には数分経たのだが感覚的には数秒だろう。
マユの闘気的な物が爆発する衝撃が肌にビリビリと感じたので横のマユを見ると淡いピンクのロングヘアーが蛍光ピンクに変わりブリッコまっしぐらな厚顔無恥の表情から一変して目力は強くキリッとした表情に。

「無差別級 虹渡降神流(にじとこうじんりゅう)志多羅マユただいま見参」

空手の形っぽいけど、言い方が美少女戦士や日曜日の朝にやってる方が近く感じる。

私の微妙な視線に気付いたマユは”ニヤリ”と微笑み。

「貴女とは色々あるけど、今は目の前のモノを『懲らしめて』からにしましょうかね」

そう言いながら掌に魔力を込めて球の様な物を作り出したのを見たら大体の人はテンションぶち上がる。
その流れで腰あたりに腕を持っていったらもう『ホニャララ波』だろう。

しかし、現実?は漫画より奇なり。

掌を”パンパン”と叩き幾つかの小さい球にするとそれを掴み勢いよく邪神教徒に向かって投げたぁっ!?

魔法の玉は邪神教徒に当たると縄の様に変わり邪神教徒達に絡みつき縛り上げる。
邪神教徒達は何が起きたか分からずに倒れ込みジタバタと芋虫の様にもがき出した。

それを谷の上から見ていた元傘紫組 構成員の何人かは『マユちゃんLove』や『ピースして』などのうちわ振りながらヤンヤヤンヤと大盛り上がり。

私は、バトルアニメの様な展開に唖然としつつ、ふと『無差別級 虹渡降神流』って流派に関して思い出した。

長野の父方の祖母の親戚の嫁ぎ先と、兄貴のクラスメイトの『アッちゃん』の道場だったよなと。

色々詳しい事聞きたいけど、まずは水晶に魔力を注がないといけないなと神官を探したが何処にもいない。
キョロキョロと辺りを見回すと、神殿の奥に洞窟の様なものがあるのに気付いた。

多分これが神殿の迷宮なのかと向かおうとするといつの間にか右肩に乗っていたぴよりが歩みを遮る様に翼を私の顔の前で広げた。

「ん?ぴより、ここ危ないの?」

ぴよりに問いかけると、ぴよりは何故か『ドヤ顔』し”パタパタ”と上空に飛びながら炎の様に燃え上がるイメージで魔力の充填をすると嘴がパカっと開き

「ぴぃぃぃぃぃぃよぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

雄叫びと同時に口から漆黒の波動砲の様な物が目の前の迷宮に放たれたぁぁぁっ!!!
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