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Vorwort zur Erosion

56話

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「お前ら、色々重いわ。あっ、そこのねーちゃん、コイツら縛っといて。神獣の卵奪おうとした不届き者だから」

そう言ってマユの目の前に抱えていた邪神教徒を放り投げると倒壊した洞窟の前でいきなり四つん這いになり「ふんすっ!」と叫ぶとあら不思議、倒壊した洞窟は綺麗さっぱり元通りになりました。

「亀平ちゃん、もう『土木』スキル使いこなしちゃってるのね。私の教えることはもう無くなったわ」

いきなり私の横から声がしたので首を曲げると、先程のイケボのイケおじ様が赤ちゃんをあやしながら何故かぴよりに“ガジガジ”と言う音付きで左中指を齧られていたぁぁぁっ!

急いでぴよりを離し「メッ」と叱ってからイケおじさんに水飲み鳥の如くペコペコ頭を下げるとイケおじ様はニコニコと微笑んでいた。

「いやー、なんか懐かしいわね。昔もこうやって御主人共々勇者に噛みつかれていたの。あの時はこうやって物質的な噛みつきじゃなかったなかったし、外見が違ってたけど。あー、ほらママでちゅよー」

イケおじ様はそう言いながら抱き抱えていた赤ちゃんをぴよりに近づけると、赤ちゃんは嬉しそうにぴよりをモフモフしだしぴよりも満更ではない様に受け入れていた。

この赤ちゃんは、先程のぴよりの口から放たれた漆黒の波動砲を浴びて孵った神獣だろう。それしか思いつかないから。

「あらやだわ、挨拶してなかったわね。改めまして、私は通称『斬絶の剣 メティアクナディズ』全てを断ち切ることの出来る剣よ。長ったらしい名前だからメティちゃんって呼んでちょうだい。昔は定められし者以外は使えなかったけど、今は元聖獣で現在は勇者の依代であるこの子経由で勇者と『闇神』の両方の膨大な魔力をおまけでも浴びたからどんな形にもなれる様になったうえに誰でも使える様になったのよねぇ」

深々とお辞儀したイケおじ様ことメティ氏は組長が言っていた喋る剣が擬人化した者なんですか?

さらっとあの波動砲がアウフォさんとミザリーの魔力砲とか、伝説級の剣だとか・・・

組長さんも言ってたけど、ここ異世界だったと納得させないとやってられなくなりそう。

そして、頭の中で聞こえた声。
一瞬、あのウザさはミザリーかと思ったがそれよりも子供っぽい感じ。
そう言えば、ショウ姉が何か知ってるような感じだったから会った時に聞いてみるかな。

目の前では、組長さんに赤ちゃんを渡したメティさんがパントマイムショーらしきものやっていた。
赤ちゃんもそれを見ながらキャッキャと笑っていて微笑ましい雰囲気だったが、数分後に彼しか見えない何かを見つけた瞬間雰囲気が緊張感でピリピリする中、メティさんは右手を刀の様に変化させると同時に空気が震えるほどの闘気を発し何かを断った。

「はっ!!!」

“バリバリバリ!!!!”

雷が落ちたかの様な激しい音と光が体中を通り過ぎる感覚に襲われ、頭の中で「チッ!!」と舌打ちが聞こえ私の意識は飛んだ。
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