現代に生きる勇者の少年

マナピナ

文字の大きさ
上 下
49 / 69
4章 魔族ハンター

第49 完了✕助手

しおりを挟む
 ミノタウロスを倒した圭介は『スキル浄化』を使い、跡形もなく消し去った。

「隣の部屋も静かになったな」

圭介はスマホを取り出すと桜井組渋谷支部に連絡を取った。

「山上と言う男が親で間違いないんですね、終わりましたので後はお願いします」

隣の部屋へ入ると胡桃がソファーの上でワインを飲んでいた。

「圭介終ったの?」

「ああ、後は魔族を浄化したら撤収だ」

圭介と胡桃が立ち去るのを見届けると、桜井組の組員が十数名乗り込んで行った。


「本題の話をしたいんだが、何で胡桃が後ろにいたんだ?」

「私、無職に成ったので出来るなら一緒にお仕事をしたいなと・・・」

こいつ仕事を辞めてきたな。




結局の所、胡桃を追い払う事が出来ず事務所へ戻り智花と会わせた。

「えっと、胡桃さんだったわね」

「はい、千堂胡桃と言います」

「ここで働きたいようだけど、信用しても良いのかしら?」

「圭介の味方であれば裏切りはしません」

「圭介、随分と好かれたものね」

「はぁ」

こいつは俺の体が目当てなんだよな・・・。

「良いわ、その代わり条件があるの」

 智花は勇斗が無くなった事、それを美樹に知られない様にする事、圭介の助手として採用だがチームの輪を無闇に乱さない事、本性を世間に知られない事などを要求に出した。

「最後に1つ生気は圭介以外から吸うのは禁止ね」

「はい」

にこやかに返事をする胡桃に対して圭介が意義を唱える。

「本人の承諾無しで勝手に決めないでくれるかな」

「別に良いじゃない、エッチな事する訳でも無く匂いを嗅がれる位の感覚なんでしょ?」

「そりゃそうだけど・・・」

「圭介様よろしくお願いします」

深々と頭を下げる胡桃。

「その、様はやめて欲しいかな」

「はい、圭介さん」

 俺は胡桃を可愛いと思った、美樹や皐月・智花さんとも違う何かを感じる。
これがサキュバスなのか?
年齢も体型も完全に大人で年の差もあるのに、守って上げたく成る様な可愛さを合わせ持っている。

「用心、用心」

「圭介何か言った」

「何も」

俺は再度心の奥底で用心、用心と唱えたのであった。

しおりを挟む

処理中です...