己が声を封じた彼(オレ)は、覚悟を決めて彼女(わたし)になった

てぃー☆ちゃー

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第二章 始まる学校生活

第二十六話

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「・・・・」

李の影がかすかに見える。森林自体の規模はそこまで大きくないが一本一本の木々が大きく、太陽の光をそれぞれが遮っている為暗がりが多い。
自分が李を見失ってはいけないな。そう考えて光は李に追いつくことにした。
木々の合間を縫って、枝から枝へと李が飛んで移動している。地面を走って視界に常にいれて追いかけていたが、光は飛び上がって太めの枝に手をかけて一気に加速した。
李が通った道筋を李よりも早く通る。そんな心意気で光は木々の枝から枝へと飛び・・・悪寒を感じて枝から手を離した。
巨大な丸太が飛んできているのが見える。光は両手に魔力をこめて、腕をクロスさせてその丸太を正面から防いだ。
回転しながら空中で姿勢を直し地面に着地、上を見上げると大きな丸太がぶら下がっていた。
魔力も何も感じない、単純な罠のようだ。だが、視界を先に向けている状態でこの罠はなかなかに効果的である。
李の向かっている先はわかっている。光は再度追いかけようとして、言いようの無い違和感を覚えた。

「・・・・」

李の駆けていった先に目を向ける。その先には李が比較的細身の枝にぶら下がって待っていた。

「!」

周りの木々に目を向ける。特に枝の太い大きな木だ。
注意深く見てみると、木々の隙間から入る日の光が細く反射されている。
ワイヤーだ。地面に落ちていた枝を投げて、ワイヤーを引っ張ってみる。
タタタン、と音を立てて先端が布で覆われた矢が光の頭の上を通過していった。
今度は拳大の石を拾って、進行方向の先の地面に強めに投げ込んだ。
ガラガラガラ・・・・地面に大きな穴が開いている。落とし穴だ。
忍者でもいるのかと、光は思わずため息をつきたくなったが李が移動を始めたので辺りのトラップに注意しながら追いかけることにする。
明らかにわかりにくいトラップは無理やり発動させて、逆にわかりやすいトラップは回避しながら李を追いかけていく。
李の方でこちらを気にかけてくれているからか、差こそ離れていくが完全に見えなくなる位置まではなかなか離れないのが幸いだ。

『ギニャー』

後方からどこかで聞いたような叫び声が聞こえてきた。後ろの生徒たちとの距離も詰まってきたようだ。
その声が李にも聞こえたようだ、にこやかな表情を光に見せると一気に李は加速した。
振り切られてはまずい、光もそれに合わせて速度を上げる。
地面を走るとやはり大掛かりな仕掛けが多そうだ。多少速度を犠牲にするが、木々の枝から枝へと飛び移りながら追いかけることにする。
完全に同じ道筋で追いかけるのは流石に危険だ。李が通った場所でも、枝の太い木や大きな木と木の間を抜けるときなどは注意をはらった。
人を殺す気かと思うような罠もあったが、なんとか回避して徐々に距離を詰めていく。
森林の先から明かりがこぼれだした、出口が見えてきたようだ。
光は一旦足を止めて周りを注意深く見ていた。
李は先行して森林を抜けていった。森林の先で待っているのか、それともゴールが近いのか。
李が出て行ったところから少し外れて、離れた位置から森林を抜けることにする。多少の罠なら突破する自信はあるが、手元に武器が無いので慎重にいくことにする。
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