フリーター、ゴーレムになり異世界を闊歩する

てぃー☆ちゃー

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第五章 ゴーレムの後ろ姿

第四十四話 泣けないゴーレム

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三日もすると、悲鳴が止んだ。
おお、ちょっと嬉しい!けど遠目でこちらを観察する視線が増えた気がする。
や、気のせいじゃないよね。
でも危ないから近寄らないでねー。そのゴーレム危ないよー。

この通りはあらかた片付いた気がする。
まだ細かい破片とかいっぱい落ちてるけど、細かいのは拾おうとすると指先で割っちゃって更に細かくなっちゃう。
石の特性か、念動魔法は効きにくいし。
うん、こういうのは無理だ。

「ここはこんなもんだな。次のポイントに行くか」

あ、ゴートさんちーっす。
もうなんか、最近この人親方ポジションですよ。
セイーリアさんが横にいたりいなかったりするけどね。
メルとテイツォもいたりいなかったり。
アイはここに来てからは、まだ姿を見てない。
あのイケメンは忙しいのか?

「次の場所も同様だ。王都の主要の通りの一つだったせいで背の高い建物が多かったんだ。同じように頼む」

わかりましたー。
オレは自分より大きい倒壊した建物に着手することに。
外壁の近くかやらないと瓦礫が運べないのでそっちからやろう。
通り道がないからね。
少し遠回りして通りの反対側に出る。
あ、人がいる。悲鳴こそ上げないけどそそくさと走り去っていった。
うん、気にしないでおこう。
しかし、これはまた大きいな。
オレは建物の3階部分と思われる場所を砕いて持ち上げた。
思わず動きが止まった。
人の亡骸がそこにあった。腐敗が酷いな。
オレは瓦礫を慎重に動かして念動で亡骸を持ち上げると両手に降ろした。
周りを見渡す、人々がこちらを見ている。
どれも険しい表情だ。
テイツォを探す、いた。

「にゃ?何か・・・にゃあ」

 オレの差し出した亡骸を見て、テイツォは察してくれた。

「埋葬するにゃ」

 オレは頷いた。
 テイツォは肩から下げていた鞄から少し大き目な鈴?鐘?を取り出して4度打ち鳴らした。

『カコン!カコン!カコン!カコーン!』

辺りに鐘の音がこだまする。
離れたところで作業をしていた人たちが立ち上がり、胸元に手を当てて頭を少し下げ始めた。
葬儀の儀礼のようだ。

「ついてくるにゃ」




 テイツォは言うと、オレを先導する。
 オレは遺体を両手で持って、テイツォに着いていった。
 そこは墓所だった。かなりの数のお墓が並んでいる。
 おそらく。いや、絶対にオレの殺した人たちのお墓だろう。
 何組か、既に葬儀を行っていた。
  こういう場所に来ると人からの視線が厳しいな。

「テイツォ神官」
「にゃーも葬儀にゃ」
「そうですか。ご苦労様です」

 テイツォと似た服を着た男性がいた。オレの事を見て少し驚いていたが、オレの持っている遺体をみて目を細める。

「どなたか、手を」
「「はい」」

 オレの後ろから返事が届く。後ろに目を向けると、かなりの数の人たちがオレ達に着いてきていたようだ。
 その中の男達が、お墓を掘ってくれた。

「寝かせるにゃ」

 オレは指示に従い、ゆっくりと念動を使わずにお墓に降ろした。

「棺桶は足りないからこのままやるにゃ」

 足りない、か。それだけの人をオレは殺したんだな。
 墓所に視線を向ける。目をそむけたくなる量の墓がそこには建っていた。

「同胞よ、にゃも分からぬ勇敢にゃ同胞よ。墓所ににゃを残せぬ我らを許したまえ」

 テイツォが言葉を紡ぎ出す。周りの人達は皆、右手を胸に当てて頭を少し下げた。

「先達の英雄達よ。我らが勇敢にゃ同胞がそちらへと旅立ちます。どうか我らが勇敢にゃ同胞を温かく、優しく月の色を超えて迎えたまえ」

 オレは、彼らと同じようには出来なかった。オレがやったんだ。そんなムシのいいこと出来るはずがない。
 今日ばかりは口が無いことに感謝をした。無くなった人に、それを送る彼らにかけることの出来る都合のいい言葉をオレは持っていない。

「我らがにゃもにゃき同胞よ。英雄達がにゃんじを導く。にゃんじは彼らと共に、新たな世界で安らかなる時を過ごしたまえ・・・・・・休みたまえ」
「「「「「「「「「「休みたまえ」」」」」」」」」」

多くの人たちがテイツォの言葉の後に、その一言を紡いだ。

「国崩し。発火の魔法を使うにゃ。なるべく早く焼けるのを頼むにゃ」

オレは言われた通り、遺体に火を放った。
テイツォが再び鐘を4度鳴らせた。
どこかから、涙を押し殺すような声が聞こえてくる。一つや二つではなかった。
オレの放った青白い炎は、その遺体を焼き原型が分からなくなる。

「同胞は蒼い炎に包まれたにゃ、蒼は安らぎ。そして深淵を意味するにゃ。同胞はこれでしっかり休むことが出来たにゃ。皆、見送りご苦労だったにゃ」

テイツォが言うと、葬儀に参列していた人たちが街に戻っていく。
オレはまだ、ここを離れられなかった。

「本来はもっと仰々しく執り行うにゃ。でも今はどこも人手が足りにゃいから略式だにゃ・・・それでもこれだけの人間に送られた人はいにゃかったにゃ。同胞は幸せだにゃ」

 オレは首を振った。

「・・・お前がそう思ってくれるにゃら。同胞に土をかけるにゃ。最後を看取った者か、送った神官の仕事にゃんだがお前に任せるにゃ」

 オレは頷くと、遺体に土をかけた。
 雨が降ればいいのにと思った。
 涙を代わりに流してくれればいいのにと、そう思った。
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